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起動

人を殺した


銃で


いや、ライフルで


射殺した


何故殺した?殺さなければならなかったから


それが依頼だったから


でも、


依頼だからって人殺しという罪は消えないし、減ることもない。


相手がどんなにくそったれだったとしても、だ。


ドイツで殺し屋家業を営んでいる僕にとって人殺しなんて小さい頃からやってたから今まで全然考えたことがなかった。


――考えようとしなかった、と言った方がいいかもしれない。


でも僕はそれを知った。


人殺しの罪深さを知った。



父さんの処刑を見て。


父さんの顔に後悔の色は無かった。


決して人殺しの罪深さについて無知だったわけではない。


父さんはきっと知っていたから。


いつか、皆に裁かれることを。


そして...依頼した人々に殺されることを。


そう、父さんには覚悟があった。


いつか殺されるかもしれない、

罪を糾弾され無残に殺されるかもしれないと分かっていながら父さんは人を殺し続けた。


殺し屋として意地なのか、そういった家業に必要ないとされている人情なのか僕にはわからない。



でも、いつかわかりたいと僕は思っている。


父さんみたいになることが僕の夢であり、ならなければならないことだ。











『ガガ――こちらα、目標地点に到着』


『――了解。β、γ、θいつでもいけるか?』


『――こちらθ、確認した。いけるぞ』


『――よし、「極東の嵐」作戦開始!!』


『『了解!!』』






某ビル 屋上




硝煙の匂いと血肉の匂いが漂っている。


そこでは2人の男が戦っていた。


膝をついているほうはドイツ人の青年、

ヴァルター。


それに対しピンピンしてる男は日本の首相、西山 冬獅郎である。


「クソッ、化物かよ!!この日本人!」


「ざァーんねェーん、俺は日本人だが“最強”の日本人なんでね」


首相の猛攻をヴァルターはギリギリ躱す。


それでも着ている旧式の野戦服の一部が消し飛んだ。


「ッ!?しまっ―!?」

二撃目は避けきれず、かすってしまう。


「ぐわぁぁぁぁ!?」

かすっただけとはいえ、ヴァルターは車に跳ねられたような衝撃を受けた。


「クソッタレ...!『展開オールバレル...開始オープン』!」


ヴァルターの周囲をドイツ製自動小銃―FG-42が囲み始める。


「あン?」

首相が首を傾げて、様子をみているのが見えたのでヴァルターは仕掛けることにした。


「『装填トリガー...完了セット』」


この魔術こそ、彼の奥義。



百発百中にして一撃必殺


その名も...



「『全方位オールバレット一斉射撃フルバースト』!!」



ズガガガガガガガガガガガ...!!!!!!という凄まじい音と20個のマズルフラッシュがあたりを賑やかにする。


それは未だかつて誰1人喰らって生き残ったものがいない魔術だった。


「ハァっハァっ!!」

ヴァルターにはもう魔力も体力も残っていない。


これであいつが立ち上がったらもう勝ち目はない。


(...やったか!?)


だが、彼は見た。


いや、見てしまった。



「よォー、さっきのは結構効いたゼ!」


そこには、スーツが少し焦げただけの首相が立っていた。


(ば、馬鹿な...)


二十個近い数のライフルに狙われたらまずよけれないはずである。


おまけにあの弾丸は中に炸薬が込められており、対象に命中すると内部から対象を殺傷するという代物だ。


「あ、安心しろよォ〜、全部当たってたぜ〜」

ニヤニヤしながら爆弾発言をする首相。


人間なら1発当たったところで死に至らせることができる弾丸を数100発喰らったにも関わらず、まだピンピンしてるとはもはや人間どころか生物最強のレベルである。


「...くそっ...」


「ンァ?あ〜、安心しろ。殺したりはしねぇーから」


「...!?」


「見逃してやるっつってんの。良かったなぁ、長生きできて。」


首相は去っていく。


いつのまに仕留めていたのだろう、各国の刺客の死体を残して...



そして、その後。


西山首相により彼自身が遭遇した襲撃事件についての記者会見が行われた。


そして、



「我が国は、首相を殺害しようとした輩に対し、報復することをここに宣言致します。恐らくこれは第三次世界大戦となり、国民を戦火に晒すことに意味していることは重々承知しております」



西山の壮絶な計画が動き始めた。






そのころ、街のとある高等学校では





「(くそっ!なんでこんな事にッ!)」

「(...先輩の運が悪いからじゃないですか?)」


ここの高等学校の生徒である澄と藍は、



「ねぇねぇ、おにーちゃん。おねーちゃん」

ビクッ、と2人の肩が跳ね上がる。



2人が恐る恐る振り返ると、


そこには“かつて”同級生だった少女がにやりと幼い笑みを浮かべ、

大振りのナイフを持って立っていた。




「私と遊ぼーよ♪」




切り裂き魔に襲撃されていた。

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