休憩
《休憩》
仕事を中断して休憩しようと思ってふと外に目をやると、雨が降っていた。
扉がノックされる音がして、アヤがお茶とお菓子を持って入ってきた。
少し膨れっ面をしているところを見ると、今回も使用人と会って来たようだ。「お疲れ様」
アヤがお茶の準備を始める。
「また使用人に会ったの?」
アヤは黙っているが、僕はそれが肯定を意味することを知っている。
「少しは手伝わせてあげなよ」
「嫌だ」
「仮にもアヤは王様なんだから、って言っても無駄なんだよね」
そんなところがアヤらしいと思うが…。
「判ってるじゃん。ほら、準備できたよ」
僕はアヤの向かい側の席に座る。
「今日はアヤが作ったの?」
「そうだよ。たまにお菓子作りしたくなるから」
厨房に足を運ぶ王様なんて、アヤくらいしかいないだろうな。
そう思うと、思わず口元が緩んでしまった。
「何笑ってるの」
「ちょっと、ね」
「どうせ答える気ないでしょ?」
「もちろん」
そう言って笑ってみせると、アヤは少し捻くれてしまう。
「ほら、早くしないとお茶が冷めちゃうよ」
アヤが渋々とお茶を飲む。
雨音を聞きながら、僕らはお茶をした。
お茶が終わって、アヤが片付けを始める。
僕は仕事を再開するために、仕事机に向かう。
本来ならアヤがすることだが、僕がやっているのは二人で決めたことだから。アヤに書類仕事をやらせれば、すぐに書類は片付く。しかしそれをしないのは、アヤは書類仕事じゃない仕事の方が合っていると思うからと、僕ができることがこれくらいしかないからだ。それで、二人で仕事の役割を決めた。
片付けを終えたアヤが部屋を去ろうとする。
「アヤ」
「何?」
「ケーキおいしかったよ」 こちらを振り向いたアヤにそう言う。するとアヤは嬉しそうに笑って
「ありがとう」
と言って部屋を去った。
―――――fin
初出:H23 5/29
朝からずっと雨が降っているので、ちょっとした短い話を…。
暗い話になりそうだなぁ、と思って書き出したのですが、なんとか暗い話にならずに済みましたww




