その言葉が一番のプレゼント
タクトの誕生日ss
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ただ、その一言だけで嬉しくなるんだ。
《その言葉が一番のプレゼント》
この日は、僕の誕生日だった。きっと、このことを知っている人は、城の中にはいないだろう。
昨日、少し具合が悪そうだったアヤが、今日は熱を出して寝込んでいた。いつものようにアヤの看病をしていると、弱々しい声でアヤが言った。
「タクト。ごめんね、迷惑かけて」
「迷惑じゃないから、気にしないでよ」
迷惑だなんて思うはずがない。アヤは、他人のことに一生懸命で、自分が傷付いてでもその人のことを守ろうとする。そんなアヤを見ているこっちが、心配になってくるほどに。正直、アヤにはもっと甘えてほしいくらいだ。
「ありがとう」
「どういたしまして」
「あと、お誕生日おめでとう」
驚いた。アヤに誕生日を教えたことなんてなかったはずだ。でも、すごく嬉しかった。
「ありがとう」
「本当は、ちゃんとお祝いしたかったんだけど、ごめんね」
「いいって。それに、プレゼントとかはもちろん嬉しいけど、誕生日に『おめでとう』って言ってもらえる方が、一番嬉しいんだ」
アヤが、優しい笑みを浮かべた。本当、綺麗に笑うんだよね。
「ほら、もう寝なって。治らなくなるよ?」
「判った。おやすみ」
アヤの寝顔は、とても可愛らしかった。
―――どんな誕生日プレゼントよりも、大切な人からの『おめでとう』が一番のプレゼント―――
―――fin
初出:H23 12/26
ひとやすみ
私の誕生日は、国民の休日。友達と遊ぶことが少ない私は、誕生日に直接『おめでとう』と言われることが少なく。プレゼントは嬉しいけれど、ちょっとだけ物足りないのが私の誕生日。去年は、ちゃんと当日に『おめでとう』メールも言葉ももらい、幸せな誕生日でした。プレゼントはもちろん嬉しいが、『おめでとう』の言葉が一番、というのは、私の本音です。
読んでくださった方、ありがとうございました。




