月夜
多分、今日は綺麗な満月が見られるだろうから。
《月夜》
昼間の暑さはまだ続いているけれど、朝と夜は涼しくなってきた。虫の鳴き声も聞こえるようになってきて、秋の訪れを感じる。
執務中に何度も空を見ては、晴れていることを確認する。
「今日はやけに空を気にしてるね」
休憩のためのお茶を持ってきたタクトが言う。
「ん?うん。ねぇ、今夜はお月見しようよ」
「? いいよ」
一瞬だけ首をかしげたタクトだが、すぐに頷いた。
夜になって、城の庭から月を見た。
黒でもなく、紺に近いようでそうでない夜空。そこで明るく光を放っているのは、黄色でも白でもない、その中間のような色をした綺麗な月。自然がつくる色は、言葉で表現するのが難しいけれど、本当に綺麗な色をしていた。
「きれい…」
「そうだね。今日は満月だったんだね」
「うん。昨日空を見たら、月が満月に近かったから」
昨日、なんとなく空を見たら、東の空でうっすらと光を放つ丸い月を見た。まだ少し欠けているように見えて、きっと明日が満月なんだろうと思った。だからタクトを誘った。きっと、とても綺麗な月を見られるだろうと思ったから。
「そっか。晴れてよかったね」
「うん」
月が放つ白い光は、暗くなった世界を優しく照らしていた。
―――fin
初出:H23 9/13
昨日、9月12日は十五夜でした。とても綺麗なお月様がでていましたね。7:30ごろが一番きれいだった気がします。
月を見て感じたことはこの話のなかに。ひそかに?一人称とも三人称ともとれる(一人称の)文章を目指しました。"私"という言葉が使えないのは、少し難しかったです。
昨日のような綺麗な月を、静かな場所でゆっくりと見てみたいなぁと思いました。異世界の生活みたいに…(笑)
余談:なんとなくこういう話が書きたくなって、授業中にちょくちょく書いてました(^-^;




