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とある午後の日

《とある午後の日》


「お茶にしようよ」

 アヤはさっきから、ずっとこの調子だ。

「ダーメ」

「いじわる」

「自業自得じゃないか」

 今、アヤは溜まってしまった書類仕事に追われているところだ。

「確かにそうだけどさ」

「僕はちゃんと声をかけたでしょ?やらなかったのはアヤだよ?」

「うっ…。でも、そろそろ休憩にしたっていいじゃん」

 いろいろ言ってはいるものの、ちゃんと手を動かして仕事を片付けている。仕方がない。何だかんだいって書類仕事をしっかりやっているから、お茶の準備をしてこよう。

「判った。僕が持ってくるから、ちゃんと仕事しててね?」

「本当?やった!ありがとう、タクト」

 パッと顔を上げ、花が咲いたように笑うアヤ。そしてすぐに仕事に戻る。先程とは打って変わって、その表情は真剣だった。

 僕は執務室を後にして、お茶の準備をするために厨房に向かった。


―――――――――


 出来たお茶とお菓子を持って、執務室に戻る。お菓子作りに時間がかかってしまったから怒ってるかもしれないな、と思いながら扉を開けた。

 目の前に見えたのは、すやすやと眠るアヤの姿。書類は一カ所にまとめられていて、仕事が終わっていることが判る。

「アヤ、お茶持って来たけど、どうする?」

「…ん、飲む」

 返事があり、アヤがのそりと起き上がる。僕は、アヤの前にある執務用の机に、お茶の用意をした。

「はい、お茶」

「ありがとう」

 アヤにお茶を渡し、自分の分もカップによそる。

「仕事、終わったんだね」

「うん」

「いつも思うけど、仕事終わらせるの早いよね」

「そう?前もそう言ってたよね」

「早いよ。溜めちゃった時とか、楽だよね」

「そうだね。疲れるけど」 アヤが苦笑まじりに言う。僕も思わず苦笑いしてしまった。

 そんな何気ない会話が交わされた、とある日の午後だった。




―――――fin


初出:H23 6/24

最後のほうでどう終わらせようかと考えるのが大変でした。なんだか終わり方に納得がいかない……。しかし、他の終わり方が思い付かないので、我慢しよう。

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