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龍と鑑定士  作者: ふっしー
番外編その1 フレス編 『プロ鑑定士ってなんなの?』
89/500

電信ってなんだろう!?

「ねぇねぇ、ウェイル。電信が届いたよ?」

「ああ、ありがとう。見せてくれ」


 フレスから受けとった小さな紙。

 これには電信によって書かれた文章が記されていた。


「……なるほどな。またレギオンの価値が上がったのか……。もしかするとあの影響が……」


「ねぇ、ウェイル! ボク、前から不思議に思ってたんだけど、電信って一体なんなの?」

「ん? 教えてなかったっけな?」

「うん。サラーだって電信を使えるくらいだし、ボクだって使ってみたいよ!」

「鑑定士には必要不可欠なものだからな。よし、教えてやろう」


 そういうと二人は自室を出て、電信室と札がある部屋に向かった。


「これが電信だ」


 ウェイルが手を置いた大きな装置。

 見ると中央部分に小さなボタンがたくさんついていた。


「このボタンを押すと、ボタンに描かれている文字が紙に印字されるんだ」


 試しにとボタンを一つ押す。

 するとボタンが並んでいる部分の隣に、今打った文字が印字されていた。


「このボタンを押して文章を作成するんだ」

「やってみていい?」

「いいぞ」


 フレスはたどたどしく時間をたっぷりと掛けて、文章を入力した。


「あ、間違っちゃった! ねぇ、これどうすれば治るの?」

「そこの消去ボタンを押してみろ、今打った文字の上に新しい紙が重ねられて、上書きできるようになっている」

「ホントだ! ……よし、出来たよ!」


 何とか打ち終わったみたいだ。


「出来たなら、今度は送り先を選択しなければならない。どこへ送るんだ?」

「サラーのとこ!」

「となるとクルパーカーのイレイズ宅でいいかな。イレイズのコードは……よし、打ち込んだ」

「これでもう送れるの?」

「そうさ。といっても送るのはこの紙じゃなくて文章の情報だけだ。よし、送ったぞ?」

「ありがと! ……これ一体どういう仕組みになっているの?」

「今言ったように電信は文字情報だけを送るんだ。無線電波という技術があってな。それを用いる。ここで打ち込んだ文字の情報を相手に送り、相手の電信受信器でそれを印字するんだ」

「へへー! すごい技術だね!」

「だろう? 実はこの技術、根本には神器が用いられているんだ。だから本当にすごいのは、その神器を作った神なんだけどな」

「返事はいつ頃届くの?」

「届くのはすぐだが、返信は相手が電信を確認してからになる。結構掛かるだろうよ。飯でも食べながら待っていようか」

「賛成!」


 それからしばらくの間、待っていると――


「ウェイル―!! 返信が来たよーーーー!!!」

「そりゃ良かったな」


 電信の紙を持って大いに喜ぶフレスに、ウェイルは笑みを漏らす。


「さっそく読んでみたらどうだ?」

「うん! えーっとね…………。『知るか』 だってさ! ……うう……ボク、何か変なこと書いたかなぁ……?」

「なんて書いたんだ?」

「えっとね、『今日も一日暇でした』って」

「……フレス。お前って本当に暇なんだな……」

「だって、本を読み終えるまで外出禁止だって……」

「その本は読んだのか?」

「…………」


 翌日から、フレスはとても忙しくなった。


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