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龍と鑑定士  作者: ふっしー
第三部 第十章 貿易都市ラングルポート編『暴走! 超弩級艦隊』
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いざ、最終試験!

「フレス!」

「ギル!? 凄い偶然!?」


 図書館都市シルヴァンからマリアステルへ戻ったフレスは、偶然にもマリアステル駅でギルパーニャと再会していた。


「フレス、どうしてここに?」

「何って、ギルだって分かってる癖に!」


 そう、ついに迎えた最後の試練。


「うん! 最終試験!」

「だよね!」


 リベアの王都買収事件のせいで延期していたプロ鑑定士試験の最終試験が、ついに明後日開催されるのだ。


「あれ? ウェイル兄は?」

「ウェイルとは今別行動を取ってるんだよ」

「喧嘩でもしたの?」

「違う違う、ボクは試験、ウェイルは仕事。互いに目的が違うからね」

「そうなんだ。なんかフレス一人って新鮮かも」

「ボクも汽車の一人旅は初めてだったよ。最初かなり迷ったもんね! マリアステル駅って複雑すぎだよ!」

「自慢げに言うことじゃないけどね……」

「そういえばリルさん、いるかな? 最終試験に残ってたらいいけどさ」

「あの人が落ちちゃったらみんな落ちてるよ」


 だよねー、ナハハ、と笑う二人の背後。


「あら、私、今まで毎年受けて毎年落ちていたんだけど」

「「リルさんっ!?」」

「お久しぶりです。お二人とも」


 噂の中心人物ことイルアリルマがそこにいた。


「お二人とも、無事合格したんですね」

「うん、なんとかね」

「結構自信があったし、よかったよ。今度アレス王にお礼を言いに行かないとね」


 勲章授与の時に挨拶はしたが、芸術品を借りたことへの御礼を改めてしないといけない。

 もし合格したならば、ギルパーニャと二人でヴェクトルビアを訪れよう。


「ようやく最終試験ですね。株式総会の時はどうなるかと思いましたけど、無事この日を迎えられて良かったです」


 命の危機すら味わったイルアリルマ。

 リベアの事件も一段落つき、無事試験を受けることが出来たことに胸を撫で下ろしていた。


「そういえばリルさんは株式総会の後、何をしていたの?」

「実はですね。ステイリィさんの協力を得ながら過去のリベアが関わっていた奴隷摘発事件について調査していたんですよ。やはり『不完全』が絡んでいるようで、早く試験に合格して本格的に捜査したいです」


 イルアリルマの奴隷商に対する憎しみは人一倍だ。

 フレスとしてもハンダウクルクスの件以降、奴隷商売について多くのことを考えさせられた。

 イルアリルマには何としてもプロになってもらいたいと切に願っていた。

 無論、自分と親友のギルについても同じである。


「三人で合格しようね!」

「もちろん!」

「それが一番ですね」


 最終試験に向けて意気込む三人。

 期待と不安の入り混じった程良い緊張感で、三人はプロ鑑定士協会へと足を進めた。









 ――●○●○●○――









 最終試験の受験手続を終えた三人は、それぞれの宿へ向かうことにした。

 イルアリルマはすでに宿を確保しているということで、互いの健闘を祈ると協会前の門のところで別れた。

 残った二人はというと、勝手知ったる我が部屋と言わんばかりに、ウェイルの部屋を使うことに。

 荷物を置き、ベッドに腰を下ろした二人は、早速それぞれやることがあるらしく、いそいそと行動し始めた。

 試験は明後日。

 本来ならばそれまでここで勉強と行きたいところ。


「ギル。ボク、ちょっとサグマールさんのところに行ってくるよ」

「あれ? フレスも? 実は私もなんだ」


 奇遇なことに、ギルパーニャもサグマールに用があるらしい。

 どうせなので一緒に行くことに。

 重力杖を用いて広い協会内を移動して、一度訪れたことのあるサグマールの部屋の前までやってきた。

 ギルパーニャが早速ドアをノックする。

 しかしながら返事は帰ってこない。


「いないのかな?」

「ううん、多分いるよ。ボクがやってみる」


 以前ウェイルがサグマールの部屋に入った方法を試そうというわけだ。

 フレスは重力杖の先から出ている光を扉へ向ける。

 捻じ曲げられた重力は、扉が地面とばかりに力が働いていく。

 その重力に乗り、フレスは掛け声とともに扉を蹴り飛ばした。


「うりゃああああっ!!」


 ズドンという音と共に、固く閉じられた扉が開く。


「よし! ……あれ? 止まらない!? うわあああああ!?」


 無事扉を開けることに成功したまでは良いが、その勢いは衰えることなく、フレスは部屋の奥の積まれた箱に向かって突っ込んでいった。

 崩れる資料の数々、舞い振る埃に埋もれてしまう。


「フレス、大丈夫!?」

「だ、だいじょーび……」


 なんとか資料の山から引っ張り出し、服の埃を払ってやる。


「勢いつけ過ぎだよ」

「ボクこの神器と相性悪いかも……。人工神器は使いづらいよ」


 なんてぶつくさ垂れる二人の前に、これまたもぞもぞ動く資料の山。


「誰!?」

「おいおい、誰とは失礼だろう。ここはワシの部屋なんだから」

「サグマールさん!?」


 フレスと同じ要領で資料に埋もれていたのはサグマール本人だった。

 ギルパーニャがすぐさま抜け出すのを手伝ってやる。


「どうしてサグマールさんが埋もれてるの?」

「嬢ちゃん。アンタが重力杖で突っ込んできただろう? そのせいだよ。ワシは欲しい資料を探している最中、君の強力な突っ込みに巻き込まれたんだ」

「サグマールさんが扉のノックで出てくれないからだよ」

「まあそれを言われたらあまり言い返せんな。そんなことより今日はどうした? 試験は明後日だぞ?」

「今日来たのは試験のことは関係ないんだ。ウェイルからの伝言があって」

「私は師匠から伝言」

「ウェイルにシュラディン殿からか。それは是非聞いておかねばな」


 サグマールもパパッと埃を払うと、二人に腰を掛けるよう促してくれた。


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