表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/38

第四話 マウスハンティング

その後も度々、クロと顔を合わせることになった。

会うたびに彼は車屋の猫らしく、かなり乱暴な性分であることがわかる。

ある日、茶園で寝転びながら雑談していると、クロが唐突に質問してきた。

「お前、今までネズミを何匹捕ったんだ?」

……来た。知識では俺の方が勝ってると思うが、腕力と勇気ではクロに到底かなわない。

正直に答えるしかない。

「実は……捕ろうとは思ってるんですが、まだ捕ったことがないんです」

クロは長い髭を震わせて大爆笑。

まあ、彼は自慢が大好きだから、俺がハイハイ聞いていれば機嫌はいい。

だから黙って彼をしゃべらせることにした。

「貴方はベテランだから、たくさん捕ったんでしょう?」

案の定、クロはドヤ顔で語る。

「三十か四十は捕ったろうな!」

さらに武勇伝は続く。

「ネズミの百や二百はいつでも引き受けるが、イタチはダメだ。一度ひどい目に遭った」

俺がフンフン相槌を打つと、クロは目をパチパチしながら語る。

「去年の大掃除の時だ。うちのボスが石灰袋を持って縁の下へ潜ったら、大きなイタチが飛び出してきやがった。俺は追いかけて溝に追い込んだんだが……奴め最後っ屁をこきやがった! 臭くて臭くて、それ以来イタチを見るたび胸クソ悪い」

クロは鼻を前足でなでながら、脳裏にあの黒歴史が蘇っているようだ。

俺はちょっと気の毒になりヨイショする。

「でもネズミならあなたに睨まれたらお終いですね。ネズミ捕りの名人だからそんなに肥えて色艶もいいんでしょう」

ところがこの言葉が逆効果。クロは大きく息をしてエクスプロージョン!

「考えると腹が立つ! いくらネズミを捕っても、人間って奴はふざけてやがる。俺が捕った獲物を全部取り上げて交番へ持って行きやがるんだ。交番じゃ誰が捕ったか分からねえから、そのたびに金をくれる。うちのボスなんか俺のおかげで大儲けしてるってのに、俺には、ろくなものを食わせやしねえ。全く人間ってのは大泥棒だぜ!」

クロは背中の毛を逆立て、怒り心頭。

俺は気まずくなり、テキトーにスルーして家へ帰った。

この時から俺は決してネズミを捕るまいと決心した。

クロの子分になって御馳走を漁ることもせず、ただ寝ている方が気楽だ。

教師の家にいると猫も教師みたいな性格になるらしい。

気をつけないと、俺まで胃弱になりそうだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
可愛くて面白いです!!!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ