アイテムボックスについて
自家用もトラックも無いファンタジー世界……中には竜種の魔物に車を引かせるものもあるが……では、物流問題は深刻である。
多くのファンタジー作品では、その不便さを解消するためにはアイテムボックスと言うスキルやマジックバッグなる収納アイテムを主人公に持たせるのがほぼデフォルトですね。
出張帰りに買ったお土産を宅配便で送っていたので、その気持ちはよく分かります。
だが敢えて言おう。
アイテムボックスは必要ないと!
いや、完全否定はかなりマズイ。部分的に否定せねば……汗。
まずそう思った理由から述べさせて頂きますが、理由は至極単純、またか……と思ったからです。
転生神に当たり前のように言語理解、鑑定、アイテムボックスを要求する主人公の多いこと。何度このシーンをコミックで見たことか。
そりゃね、神様のミスで○されて転生するのだから、恐喝みたいなおねだりをする権利はあります!
ですが、言語理解はともかく、鑑定は既出なのでここではスルーしてアイテムボックスって諸刃の剣です。
確かに便利ですが、便利すぎて困ったことになることを、これを読んでいる人ならご理解されています、と断言しましょう。
マジックバッグを持ってお店に入れば、はっきり言ってトートバッグを持ってお店に入ったお客様以上に店員は万引きしないかと目を光らせることでしょう。
お昼ご飯を食べたことを忘れているお爺ちゃんが、物を失くしたらマジックバッグ持ち、アイテムボックス持ちの人が盗んだんだと言い張るかも知れません。
密輸だってやり放題です。警備の人は空港の手荷物検査以上の体制で、マジックバッグの中を全部調べる必要があるんじゃないでしょうか?
それでも、誰でも使えるマジックバッグならまだ何とかなるかも知れません。
主人公や転生者しか使えないアイテムボックスの存在がバレたら、ハッキリ言って現地人にとっては 恐怖の対象でしかないのでは?
一体中にどんな危険物が入っているか分からないのですよ。
ニコニコ笑いながらも、いきなり剣を取り出して振り回すかも知れない相手に対して、貴方は冷静に対応できますか?
マジックバッグならバッグと言う媒体さえ預かれば、王の前に出ることも許されるでしょうが、バッグ不要のアイテムボックス持ちを王の前に連れて行って本当に大丈夫だと断言できますか?
そんな訳でアイテムボックスは不要と言うか、かなり使い方を考えないと行けませんね。
私が王なら、国家安全保障の為にサクッと殺っちゃいます。手に負えないリスクを抱え続ける訳には行きませんからね。