水晶に手を当てたら犯罪者ではなかった話
主人公が物語の冒頭に異世界に飛ばされて、初めて入る町で水晶にポンと手を置くシーンがよくあります。
それは犯罪歴をチェックする水晶で、犯罪者かどうかを判別するためですね。
びくびくしながら手を当てて、無し判定が出て良かった~と喜ぶのですが、そんな水晶を一体どうやって作るんだろうって考察です。
まず始めに重要なのが、何をもって犯罪歴有りと判断するかです。
極端な話、事件を起こしても何十年も経って時効が成立していればどうなのか? ポイ捨て、ストーカー、落書き、立ち○ョン、借りパク、カンニング、覗き、最近だと○○ハラとか、こんなのも犯罪歴とするのかしないのかって話があります。
殺人にしても、誰かにあげた食べ物がその人にとってたまたま毒だったケース、医療過誤、フレンドリーファイヤー、自殺幇助など、殺意の有るもの無いものがあります。
イエス or ノーの二択だと、予め個別にその判断基準を設けておく必要があるのです。
もっとも、判断基準の無いものだと例え凶悪犯罪でも犯罪履歴無しとなるのでしょうね。
次にもっとも重要な判定方法です。これには幾つかあって、あり得ない順に考えていくと、
・中に神様が入っている
・アカシックレコードへのアクセス
・記憶スキャン
・脳のデジタル化
・AI監視カメラ
・自白してしまう機能
ぐらいでしょうか。なお、鑑定の魔道具であると言うケースはここでは除外します。
■神様が絡むと逆に何でも有りな気もしますが、ストーリー的にこれは却下です。
■アカシックレコードへ、はファンタジー世界であればあっても良いのですが、そんな神話級の存在に簡単にアクセス出来る水晶ですよ、恐らく無茶苦茶高価なアイテムになるでしょう。
それがあっちの町にもこっちの町にも有るってことになると、流石にこの説は有り得ないと判断するべきでしょう。
ですが、この水晶が唯一無二で神殿に奉られているような物であれば話は変わります。
■記憶スキャンは手を当てた人物の脳の記憶領域を読み取る方法で、短期記憶は海馬に、長期記憶は側頭葉に貯められるとか。
記憶がどう言う状態で脳の中にとどまっているのか知りませんが、シナプス内部を電気信号としてストックされているとすれば読み取ることは可能かも知れません。ですが読み取るために脳から抜き出すと、今度は脳に返す必要がありますが、元の位置に戻せなくなると記憶が混乱しそうです。
■脳のデジタル化はSFの分野ですから、ここでは仮に魔素子化とでもしましょう。
一時的に脳を物理的存在から魔法的存在に変換すると言う恐ろしい手法です。
もし全身をこの状態に出来れば吸血鬼がコウモリになったり、倒されたけど棺桶に戻る現象の説明にも使えますし、テレポートも出来そうです。
ファンタジー要素的には一番身近な手法かも知れませんが、いざ自分の脳みそを魔素子化するとなると、恐いので私は遠慮しますね。
記憶スキャン、脳のデジタル化とも水晶で読み取ることが出来るデータ形式となるので、犯罪履歴をチェックするプログラムに掛ければ判定が出来そうです。
■AIで判定するには、比較検証するデータが必要となります。従って実現可能性が高そうに思えて実は不可能に近いと思われます。
今後犯罪を犯す可能性が高いか否かの判定には使えるかも知れませんが、過去の犯罪の有無の判定は諦めましょう。
■自白してしまう機能としては、水晶に手を当てた瞬間に罪を全部告白したくなる催眠術を掛けると言う力業が考えられます。
スパイ映画に出てくるような投与すれば自白する都合の良い薬の存在は否定されていますが、水晶から発する魔力的なアレコレで自白をする精神状態に誘導することは可能でしょう。
ですが、これだと水晶に手を当ててすぐ分かる判定方法とは言えません。
こうやって考えてみると、魔法の世界はSFの世界と似ているように思えますね。




