魔物の飲食とスタンビートの関係
生殖する生き物は考えるまでもなく体外からの栄養摂取が必要です。
その栄養源が生き物の種類によってプランクトンなのか、肉や魚なのか、植物なのか、はたまた魔力的な何かなのかが違うだけです。
よくゴブリンやオークは爆発的に増殖しますね。
時々クッコロさんが餌食になることもありますが、基本的にコイツらは人間と同じ増えかたです。
そして口から食事をとります。物語によっては亜人扱いですからね。
しかしですね、これがダンジョンの中だと話が変わってくるのです。
そもそもダンジョン自体が訳の分からない存在なので論じることに若干の不都合が生じるのですが、ダンジョンで産まれる魔物は親から産まれるのでしょうか?
飲食とは生命を維持する行為であり、その最終目的は種族の維持にあります。アメーバーのように細胞分裂で増える生物は別として、ゴブリンやオークは飲食によって生体を維持し、生殖行動によって個体を増やします。
ゴブリンがダンジョンで一定数を保つには、食糧補給が欠かせませんがダンジョンの中でそれが可能でしょうか?
ダンジョンの外の世界、つまり地上で暮らすゴブリンなら食物を採取し、小動物などを捕えることで生き永らえることは可能ですが、ダンジョンにそれらが十分にあるとは考えにくいのです。(ゴブリンが居る階層画面を草原や森林で、餌が豊富に採れるなら別ですが、洞窟や移籍タイプのダンジョンならって話です)
つまりダンジョン内のゴブリンなどは飲食しない、と考えるべきなのです。
そうなると食べないゴブリンは生殖行動で個体数を増やすこともあり得ません。
従ってどうやって増えるかは謎のままとなります。
何故このような考察をしたのか。
実はダンジョン内の魔物は飲食をしない、と言う考察が成立しなければ、自然に発生するスタンビートが起こらないからです。
スタンビートには多種多様な魔物が参加します。
自然とその巨大な群れの中に食物連鎖が成立し、魔物が飲食を必用とするならスタンビートの中で共食いが行われなければならないのです。
となると、そもそもスタンビートなど発生しないってことになる訳です。だって自分を食べる魔物と一緒に仲良く行進するなんて本能的に有り得ませんからね。
しかし、そうなるとスタンビートに参加したダンジョン生まれの魔物達は、魔力的な何かでエネルギー補給をしていたのだと思われます。
それがダンジョンから出てエネルギー補給が出来なくなれば、当然エネルギー切れになって死んでしまいます。
時間が経てばスタンビートが自然消滅する小説なら、この考察が納得出来るでしょう。
そもそも人間が魔物を間引きしなかったせいで魔物の数が増えてスタンビートが起こると言うのもおかしな話です。
ダンジョンの中に暮らす魔物達が全種族仲良し子よしだったとしても、自分の生活スペースが無くなれば邪魔になる魔物を排除して生活圏を広げようとする筈ですから。
それが奥の魔物からトコロテン方式で押し出されたとすれば、浅い階層の魔物がダンジョンから脱出することでスペース問題は解決します。
わざわざ奥の方に住んでいる魔物がダンジョンから出ていく必要は無いのです。だって飲食しないのだから。
しかもダンジョンの外ではエネルギー補給が出来ない。つまり強い魔物になるほどダンジョンから出ていく必要がなくなっていくのです。
スタンビートって行動を否定してしまった……これはマズイ。スタンビートの起きる理由を飲食以外のアプローチで考えねば。
魔物を操るアイテムとかが出てくるのはそう言う理由があったのですね。




