報酬は何処から出る?
スタンピードとまで行かなくても、たまにゴブリンやオークがわらわらと沸いて出てくることがありますね。
冒険者ギルドに情報がもたらされ、運良く居合わせた主人公パーティーが単独で撃退に向かうような場面もたまに見ます。
そう言うシチュエーションで、報酬の算定は誰がどうやっているのでしょう? 算定そのものはギルド職員ですが、報酬となる現金の用意が問題です。
冒険者ギルドが冒険者に支払う報酬は、基本的に依頼主の財布から出るものです。
つまり冒険者ギルドが主役となって勝手に依頼を出したところで、何処からもお金を貰えないのです。人はそれを手弁当と呼びます。会社に入ってから初めて聞いた言葉だよ。
常時受付依頼にゴブリン討伐があり、片耳を提出すれば小銭が貰えるケースも多いですね。
耳はポイと捨てるのでお金にはならず、ギルドが自腹で冒険者に報酬を出すとは思えません。必ずパトロンがバックに付いていなければ、ギルドの運営は成り立たないのです。
ギルドとそのパトロン間の連絡を本文で語る必要はありませんが、何処かにそう言った内容を潜り込ませておかないと細かな事を気にする読者はお金が何処から出るのかと、気に揉むかも知れません。
ですが、意外とその視点が欠けている作品が多いように感じますね。
これはその辺に転がっているゲームシナリオにも該当します。むしろゲームシナリオが多くの作者様に影響を与えているのではないでしょうか?
政治経済的な内容は基本的にゲームには不要です。ゲームに出てくるギルドなんて、単にプレーヤーに依頼を斡旋して報酬を渡すだけのラノベより薄っぺらい存在です。
ですが小説に冒険者ギルドを組み込む際には、社会的な背景も考えておかないとギルドの役割や懐事情がおかしなことになりかねません。
冒頭のちょっとした魔物の大量発生に関する報酬などがその最たるものです。
その大量発生イベントをクリアした主人公が、その後に領主に招待されるパターンも少なくありません。
腕の立つ人物を自分の配下に収めておきたいと考えるのは、為政者として当然ですからね。腕は立つけど人格に問題があるならその限りではなく、人柄を見るために呼びつける必要があるのです。
冒険者ギルドは領主やそれに準ずる人物や組織と繋がっていないと、冒険者に報酬を支払うことは不可能です。
ですが、その事を小説の中で一切触れないのは主人公がその事を気にしていないのなら無理もありません。敢えて書く必要性も実のところ無いのです。
その辺は作者様の判断によるのでしょうが、個人的には社会的な背景が書かれている方が物語にリアリティを感じます。単に好みの範疇ですが。
ただ作家様には文章にはしなくとも、そう言うお金の流れや背景を練っておかないと、思わぬところで読者から指摘されることがあるかも知れないと思う次第であります。




