スキルは教会で
追放物が流行る前からもお約束、追放ものが流行るとこれで追放されるパターンが生まれたのが『○○歳になったら教会に行ってスキルを授かる』ってやつです。
これは追放ものとはすこぶる相性が良いですね。性格的にも能力的にも主人公に落ち度が特に無くても、スキル一つを理由に主人公を家から追放できるんだから。
理由も原理も分からないけど、水晶に手を当てたらピカーンと光ってスキルを与えられる……実に羨ましいですよね。
いや、良いスキルを貰えない人が居ることを考えると、羨ましいと思うのはダメなのかも。
何かの記事で『ラノベで労せずスキルを得る話が受け入れるのは、最近はネットで簡単に報酬を受けとることに慣れているので、努力することを忌避する傾向にあるから』みたいな内容を見たことがあります。
なるほどね、確かに今まで剣を振ったことが無い女の子が突然剣聖になったり、魔法を使ったことの無い子供が賢者になる話と符合しますね。
まぁね、そんな心理学的なことを論じるつもりは無いので、努力や根性なんて話はしませんよ。
そもそもラノベを読むって行為は、そう言うのも全部ひっくるめて受け入れてこそ成立する訳ですし、もし受け入れられない部分があるなら読まなければ済む訳ですからね。
ただね、何歳になったら教会に集まるってのがまるで七五三、立志式か成人式かよ、と思ったりするわけです。
そもそもね、誰にどんなスキルがもたらされるか、聴衆の面前でやるっておかしくないですか?
冒険者は自分のスキルや能力は人には教えないって考え方もある訳で、それを誕生日が違う子供達を集めて一斉にドーンとやるってのが私には意味不明なのです。
しかも何が当たるか分からない地雷なんです。
こっそりやって、当たりだった人だけ公表すれば良い話なのです。
でもそれをやるとストーリーが破綻するのでダメですね。
スキルを授かる儀式は、仮に僻地に教会から司祭を派遣する必要があると言うなら仕方がないですけど、町中に教会があるなら毎日受け付けても良いのです。
だってスキルを貰うのは一瞬なんだから、司祭だって大した手間じゃないですから。普段はジャージを着てて、司祭服に着替えるのがめんどくさいのかな? クリーニングの都合もありそうだし。
何たら侯爵領やら伯爵領の教会に居る司祭レベルじゃ出来ない儀式だとか、特殊な水晶で国に一つしかないって言う設定なら仕方ないですけど。
でも、それだと司祭が来るか来ないか分からないし、水晶が主人公の居る国に一つなら他国には水晶が無い可能性もある訳で、そうなると水晶の無い国ではスキルが与えられないってことになる。
水晶が特別な物って設定の作品はあった気がするけど、他国に水晶が無いなんてことはないですよね?
それに水晶に手を当てたらスキルが与えられるとか、発現するとか、どう言う原理なんでしょう?
神様がスキルを与えるって言うのなら、別に神殿じゃなくても出来そうだし、水晶なんて無くても出来るんじゃない?
神様が教会とグルになっているって、おかしいと思うのです。
水晶が特別な物なら、それこそ教会に行かなくても侯爵や伯爵のお家に司祭を呼び付けても良いのです。
しかしどこの貴族もそうしないのは、貴族は教会より下の地位に居るって訳ですかね?
そんなことはなく、敬意を持って教会に接していると考えるなのでしょうが、教会って何故か悪いイメージが強いからなぁ。
それにしても、どうして水晶に手を当てるとスキルが現れるのか?
本当に水晶を通して神様がその人の能力を引き出すのでしょうか? だとすれば、神様とコンタクトを取る水晶玉を人間の力で作ったと言うことになるのかも。いや、そんなことは有り得ないでしょうね。
当たり前のように書かれているスキル発現のシーンですが、本気で理論を考えると納得出来る答えは出てきませんね。
実は水晶自体には何も能力など無くて、プラシーボ効果で子供側が無意識にやらかしているだけなのかも知れませんよ。




