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6.フェアリー・テールの住人?

「春のチャレンジ2025」のテーマは「学校」の

参加作品です。第6話です。世界のルールが大分違うようで…。

 「魔法が実在する世界かぁ。私には童話の世界の話だわ。」

ルルーが不思議そうな顔をする。

「そうなのかな。私には、歩いたり喋ったりするのと何ら変わらないけど。」

そう言うものかもしれない。とはるみは思う。

魔法が当たり前にある世界では、”ある”ことが大前提だから

たぶん、ちょっと練習して自転車に乗れるようになるとか

そう言う日常の感覚なんだろう。

「もしかして、人魚とかドラゴンなんかもいたりして。」

まさかね、と笑いながらはるみが言うと、きょとんとした顔で

「え、いるけど。」

と、当然のことのような顔でルルーが答えた。

「い、いるの!?」

はるみが驚いていることこそが意外そうにルルーがうんうんと肯いた。

「じゃあ、海水浴に行ったら人魚に出会っちゃうとかなの?」

ルルーは首を横に振る。

「こちらには、色んな種族が暮らしていてね。それぞれが結界を張って暮らしている。

種族ごとそれぞれに独自の結界が張られているから、結界は全て空間において

あちら側からとこちら側からとの二重になっている。」

種族ごとの結界と言う概念がはるみにはピンと来ない。

何となく、ルルーの世界とはるみの世界を隔てている時間の膜のようなものかなと

想像してみる。それとも、こっちの国境みたいなもの?

「お互いの生息地には干渉しない。それがいにしえからの暗黙のルール。

例えば、海に行くことも、山に行くことも、森に行くことも出来るし

そこで、他種族と鉢合わせってことも結界のおかげもあってないけど

なるべくは近付かない。無用な接触は諍いの火種になり得るからね。」

合理的だなと納得できる。そもそも要らぬ接触がなければ争いごとは起こらない。

違う生活習慣、違う価値観はどうしても軋轢を生みがちだから。

「もし万が一どちらかの結界にほころびが生じたとしても、

同一のタイミングで、両方の側の結界が破れることはない。

だから、明らかな害意で二つの結界を一気に解かない限り

別種族の生息地域には侵入できない。

結界を突破するには未知のリスクが伴うし、今までそれを試みた種族はいない。」

ふむふむとはるみは納得の相づちを打った。

「すごくいいと思うんだけどさ。人魚とか妖精とかには会ってみたいかも。

私にとっては、まぁ、ルルーもそうなんだけど

童話の中の住人たちで、憧れちゃうんだよね。」

ルルーははるみの言葉に呆れて鼻を鳴らした。

「呑気だなぁ、はるみは。たぶん、はるみが思ってるよりシビアだと思うよ?」

「え~~。」

夢を壊されたようではるみがブーイングした。

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― 新着の感想 ―
二重の結界に守られて、他種族とは鉢合わせしない。他種族を見ることができないのに、その存在や世界の摂理を知ってるのは、ルルーが研究者だからなのでしょうか。 という疑問を軽く抱きつつも、世界の摂理が破られ…
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