シーン97そして作戦会議。
雷武が語った魔王ゼルドリスとあのザイアックが同一人物説。
確かに魔王が大人しくなった頃とザイアックがここまで力を得てきた事を考えるとそれは正しい推論なのかもしれない。
すると雷武が口を開く。
『いいか?勇者ラブラよ……ここからは我々と共に魔王ゼルドリスとの全面戦争となる………世界では各国の王達があのザイアックの配下となっている今………ラブラ……お前が我々の希望でありこの世界を救う光となる……お前達に見せた俺の過去で知ったハズだが俺にはもう……我が同胞がいない……いかに我が竜族だとて……我がたった一人では魔王の軍勢に対する数がいない……そこでお前達の力がどうしても必要なのだ……ここから我々は同士となりこの世界をあの魔王ゼルドリスから救うのだ。』
そういった雷武。
するとエルフィーナが口を開く。
『あの……雷武様……それで魔王は今どの地にいるのでしょうか。』
『ああ……魔王はもちろん……ザイアック王国か?とも思ったのだが動きがあったようだ。』
『動き!?』
『そうだ……それは魔王軍から魔族の軍勢があの魔王城があるブラズールに集結してるとの話だ。』
『そうなんですね…………。』
エルフィーナの表情が何かを察した顔へと変わっていた。
するとエルフィーナの肩に手を添えるドワフロス。
『エルフィーナ…………これは我々があのブラズールを離れる際に覚悟はできた故、俺たちは故郷を後にしたではないか。』
『そうね……ドワフロス………確かにそうだったわ……ごめんなさい。』
目に涙を浮かべるエルフィーナ。
『雷武様…………一つお聞きしても?』
『エルフよ……………………どうした?』
『ええ……今のブラズールの世界樹の現状を知りたいのです。』
すると少し考えた雷武はゆっくりと口を開く。
『ああ……今の……世界樹は………その姿を黒い老木と化し……世界魔樹へと変わってしまっている。』
雷武のその声にエルフィーナの顔は青ざめていたんだ。
『なんて……事なの………………』
エルフィーナ絶望の表情を浮かべる。
『エルフよ……臆するではない………………』
『ですが!!雷武様!!???』
この時のエルフィーナは今までにないほど取り乱していたんだ。
エルフィーナは崩れ落ちる。
『うっ……ううっ……………………………。』
泣き出すエルフィーナ。
そんなエルフィーナの姿を初めて見た私。
するとエルフィーナは静かに口を開く。
『私達エルフ族はあの世界樹で暮らしてきました……それは他種族よりも遥か古の頃からあの神樹はあの地に根付き……そして私達は神樹に宿る精霊として生まれたのです……そんな私達の全てがあの神樹と共にあるのです…そんな神樹は私達の生命エネルギーの源でもあるのです……その神樹が現在そのような事になっているとすれば……私の仲間達は………………………。』
そう涙を流し語ってくれたエルフィーナ。
『雷武ちゃん………………………………。』
『ん!?どうした?』
雷武は私に問い返してくる。
『魔王ゼルドリスを目指せば神樹にも行けるんだよね?』
『ああ……そうなるな。』
『私……急ぎたいんだ………神樹へ行ってエルフィーナの仲間達を救いたい………まずは目的地はそこだよ。』
『ラブラちゃん……………でもきっとそこはもう敵の戦地になるわ。』
するとそこへ口を開くヘキサちゃん。
『それなら僕の転地なら神樹に突入はできるけど…………』
『我らの軍を率いての突入は目の前からになる……魔王城を目指すにはその方向からしか行けぬ地形となっているのでな……だが神樹の位置はまるで逆方向になるのだ………これでは我らの力は二分化されてしまう………もう少し考えをまとめなければ魔王との決戦に……』
『そっか……それなら私は神樹にいくよ。』
『ラブラ!!??』
『ラブラちゃん…………………』
エルフィーナは涙を流しながら私見ている。
『なっ!?ラブラよ……今更何を言い出すのだ!?』
そう叫び慌て出す雷武ちゃん。
『いい?雷武ちゃん!?私の大切なエルフィーナがこんなに辛そうなのにほおっておけないの!!!!!』
大声でそう叫ぶ私。
皆が私の大声に驚き見ていたんだ。
『『ラブラ…………………………』』
『『ラブラちゃん……………………』』
すると、口を開くロイズ。
『随分前と変わったなラブラ………以前のラブラには無い意志を感じるようになったな。』
『ああ…………こうなったら何がなんでも動かなさそうだが…雷武殿…………………どういたすつもりで?』
ニヤリと笑みを浮かべ問いかけるドワフロス。
雷武は悔しげな表情を浮かべる………すると。
『おじ様……まずはラブラ様は友人を助けたいのです…わかってください。』
ルイちゃんの言葉に顔を赤らめ、深く考える雷武ちゃん。
『ああ……分かった…………仕方あるまい……勇者ラブラよ………事がすんだら直ちに、こちらに合流せよ。』
『雷武ちゃん………………うんっ!!』
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