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勇者ラブラ伝説~私って実はちょっと凄いんだよ?~  作者: 黒羽冥


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シーン93ラブラ開花せよ。

『うああああああああーーーーーーーっ!?』


私の身体全身に激痛が走る。

その激しい激痛に私はどうしようもなく悶え転がる。


『『ラブラ!!???』』

『『ラブラちゃんっ!!』』


皆が焦りながら私の元に駆け寄ってくる。

全身に激しい激痛を感じ悶える事しかできない状況。

向こうの世界にいた私は痛みといえば怪我をした時と病の時くらいだろう。

でも、この弱肉強食の世界にきた私はモンスターとの戦いをする事になり戦いによる怪我などもするようになった。

時には死を意識するほどの戦いまでこれまでしてきたんだ。

だけど…今、受けている痛みと苦しみはこれまで感じたもの以上のものだったんだ。


『うあああっ!?くっ!?ああっ!!!』

『ラブラちゃん!?』


苦しみの声を上げる私。

そんな私を心配で必死に応援してくれていたんだ。

どんどん私の痛みは大きく…そして、より激しくなっていく。

すると目の前に現れたのはヘキサちゃんだった。


『ラブラちゃん…………………………。』

『はあはあっ…………………くっ!?』


私は目の前のヘキサちゃんに視点を合わせようとする。

だけど痛みで、まともにヘキサちゃんを見る事も出来なかった。


『ヘキサ…………ちゃん………………………………。』


するとヘキサちゃんは口を開く。


『ラブラちゃん……君は………どうしてそんなに皆の為に苦しい思いをしてまで強くなろうとするの?僕には全く分からないよ。』


彼女に目を向けるとその目からは涙がこぼれていた。


『ヘキサよ………それがな……ヒューマンにおける素晴らしい心……例えるならば…動物でいうならば母親の子供への無償の愛…………それは自己犠牲という名が相応しいであろう……勇者ラブラもまた他の人のために涙もながせるし、そして他人の為にその身を犠牲にしてまでも強くなろうとする……ここにいる勇者ラブラ……そんな勇者ラブラだからこそワシの力『魔精霊』を与えたのだ。』

『おじいちゃん………そうだね……この子は初めて会った僕の事を助けようとしてくれた……おじいちゃんの事だってそうさ………この子は本当に自分を犠牲にしてまで動ける人……本当にラブラちゃんは勇者に相応しいと僕も思っているよ……』


そういったヘキサちゃんは私を見つめる。


『ラブラちゃん………………………………』


ヘキサちゃんは私の名前を呼ぶ。

そして私の手を握る。

温かいその手に私は不思議な感覚を覚える。


『ヘキサ!?』


聖獣アルビダイヤ様がそう声を荒らげる。


『おじいちゃん………僕さ、後でいっぱい怒られてもいいよ……こうなったら僕でもどうにもならないんだよ?』


するとヘキサちゃんが涙を堪えきれずに泣きだしてしまう。


『大切なお友達のラブラちゃんのこんな苦しそうなの見てたら僕は我慢できずに泣いちゃうんだってばあああーーーーーーーっ!!!』


そう叫び…私の為に涙を流すヘキサちゃん。

それにつられるようにエルフィーナも、ロイズも、そしてドワフロスも私をじっと見据えている。

そしてエルフィーナもまた私の手を握る。


『ラブラちゃん………私もせつなくて仕方がないわ…………だって何も知らないまま、この世界にきて、こんなに苦しい思いをして………どうしてこんな道を選んじゃったの!?私、貴女がこんなに苦しい思いをするなんてわかっていたら止めていたわ!!???だって貴女はこの世界の誰よりも優しいんだもの…………………………ぅぅっ。』


泣き出すエルフィーナ。

ロイズもドワフロスも辛そうな表情で震えている。

その光景から彼らの深い悲しみが手に取って見れたんだ。

私はなんとか声を振り絞りだす。


『み……皆……し……心配……かけて………ごめんね……もう……少し……待って…………てね。』


私はそうなんとか微笑んでみせた。


『『ラブラちゃん!!???』』

『『ラブラ!!???』』


私の名を叫ぶ皆。

皆の目から涙が溢れ出す。


その瞬間。


ドゴンっと私の身体は勝手に飛び跳ねる。

更に宙に浮いた状態の私の身体。

私の意識が遠のいていくのを感じる。


(ああ………私…………ダメだったのかな………………。)


頭の中が真っ白になっていく私。

真っ白な世界。

どこまでも真っ白な世界が広がっていく。

ここはもしかして死後の世界ってやつ?

天に私は向かっているのかな?

そう思った瞬間。

今度は地上に向かって落ちていく。

そして私は空から広大な大地へと………落ちていったんだ。


『私は…………』

『私は………………………………………………』


その時。


私に懐かしいあの声が聞こえてきたんだ。


『ラブラ………僕だよ……』

『ラムネ………………………良かった……死んじゃう前にもう一度だけ君と話せるみたいだ。』

『………………ラブラ、あれから僕と意思の疎通はできなくなってしまったけれど、本当にここまで頑張ってきたね?』

『………ラムネ……でも勝てなかった……神様って呼ばれる程の力をもってる敵だったんだ。』

『そっか、でもそれなら君も真の覚醒が必要みたいだね……』

『真の覚醒!?』

『ああ…………君はこれまで大変だっただろうけどまだ、死を乗り越えたわけじゃなかった……今回は痛みを知りそして死の直前まで辿りついた今………死を知ったといっても過言では無い……そしてここから君は死を乗り越えるんだ。』

『死を乗り越える!?』

『ああ、誰よりも優しい君だからできること……さあ、いくんだ勇者ラブラ……死を乗り越え……ヒューマン……そして精霊の力を今こそ。』


『私は。』

お読みくださりありがとうございました。


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