シーン92ラブラの修行…魔精霊。
『『聖獣様!!???』』
私達の目の前に姿を現したのは聖なる光に包まれた聖獣様だった。
敵に捕まり捕らえられたハズの聖獣様が今私達の目の前に登場してのだ。
『お……おじいちゃん…………?』
『どうした?ヘキサ!?』
するとヘキサちゃんはモジモジとしている。
『なんじゃ?』
『あのね?僕さあ………帰りが遅くなって……』
『本当にごめんなさい!!!』
深々と頭を下げ謝るヘキサちゃん。
『ヘキサ……………』
聖獣様はぽんぽんっと彼女の頭に手を乗せる聖獣様。
瞳を潤ませうるうるとした表情で聖獣様を見るヘキサちゃん。
『ヘキサ……ワシ共々、ここにいる皆の生命を救ってくれた事……本当にありがとう…ワシも我が孫がこんなに頑張ってくれた事……普段は怒られる事ばかりしかせんが今回は偉かったぞ?』
『おじいちゃん!?』
ヘキサちゃんも涙をこぼしながら聖獣様にしがみつく。
『おじいちゃあああーーーーーーーーん!?』
『ヘキサ!?さすが可愛い可愛いワシの孫じゃ!?』
なんだかんだ仲のいい孫と聖獣様であった。
するとヘキサちゃんが我にかえる。
『おじいちゃん!?そうそう…私の大事なお友達の…勇者………ラブラちゃん………彼女の為に力を貸してあげてよ!?』
『おおっ!?そうかそうか……』
そう言いながら聖獣様が私の元まで飛んでくる。
スーッと降りてくる聖獣様。
彼の姿はヘキサちゃんとは違い全身真っ白なもこもこの毛に覆われたお猿さんだったの。
そんな彼は口を開く。
『お主が…………この度……勇者としてこの世界に呼ばれた者か?』
『うん!!私は勇者ラブラ……この世界を救う為に異世界からきたんだ。』
『ふむ………そうか……ならば………この世界の現実は分かってはいるのであろう…………?』
『うん……私はこの世界にきてから今まで色んな事があったんだ…でも私は自分の力、そう……この勇者としての力は凄いんだなって……強いんだと思っていたんだ………でも私は負けちゃったんだ………自分は強いから大丈夫……私は負けないんだって思っていたんだーーでも違った。』
私は続ける。
『私は負けちゃって………でも皆が私を守ってくれた………そうして私は今まで……なんとかここまできたんだ……』
聖獣様は私をじっと見ていた。
そしていつしか私の目からは涙が溢れていたんだ。
すると聖獣様の目は優しい目で私を見ていた。
『辛く…苦しかったようじゃな……だがそんな勇者よ……その涙はきっとお前がワシの修行を乗り越えられる力となるであろう……ワシの修行は勇者ラブラ…お前の潜在能力の全てを解放してくれる………じゃがこれは本当に成功した場合じゃ……激しい苦しみを伴い……もしかしたらその苦しみでお主自身が死んでしまうかも知れない……それでもこの修行をするか!?』
私は聖獣様の言葉に驚き固まってしまっていたんだ。
するとエルフィーナが口を開く。
『せ、聖獣様!?それってあんまりじゃありませんか!?』
『………………………』
エルフィーナの声に押し黙る聖獣。
それを止めたのはロイズだった。
『エルフィーナ……かの敵魔王ゼルドリスはあの象の獣人………『エレッソ』より、更に強いのだろう………そんな魔王を倒す為には……きっと今のラブラでは勝てないのかもしれない…でも、僕も…この提案には正直…賛成はできない………。』
そこに口を開いたのはドワフロスだった。
『俺も……これを決めるのはラブラ本人に決めて欲しい……俺はラブラが今のままでもかまわない………俺はもう、今回のような失態はしない……これからはこの生命を捨ててでも………俺はこいつを守ってやる。』
そういったドワフロスは私の頭を撫でながらそう告げる。
皆……私がもしかしたら死んでしまうかもしれないこの修行に賛成はしないようだ。
すると聖獣様の手にはいつしか何かが握られていた。
それは青白く光る何かの玉の様なものだった。
『聖獣様………………それは!?』
私の問いかに聖獣様は口を開く。
『これが『魔精霊』と呼ばれるお前の受ける修行の為のものだ……だがワシも強要強制はせん………死を乗り越えられる者だけが本当の力をその手にする事ができるものじゃ………まあここで無理にこれをやらなくても……ほかの何かの手段を考えるとしよ………………!!???なっ!?』
最後までいいかけてた聖獣様のその物を奪っていた私。
『なっ!?お前!?』
『皆………応援してて…………私…………頑張るからっ!!!』
微笑み……それを飲み込む私。
んくっ。
『『ラブラ!!???』』
『『ラブラちゃん!!!???』』
『娘っ!!???』
次の瞬間……………………………………。
私の心臓が何かで撃ち抜かれた様な感覚が起こる。
『うあああああーーーーーーーーっ!!??』
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