シーン91ラブラの復活。
むしゃむしゃシチューを頬張る私。
それを見ていた皆の顔……それは驚きの表情に見えたんだ。
『ラブラちゃん!?』
エルフィーナの声。
それは記憶が曖昧だった私の脳内を急激に刺激したんだ。
すると………私の脳裏にこれまでの事がどんどん蘇ってくる。
これは……………。
私の中に何かが湧き上がってくる。
『私は………………』
『『ラブラちゃん!!???』』
『『ラブラ!!!???』』
『あ………………………………………………………。』
そして私の中で全てが巻き戻る。
『私は…………!!……………勇者…………ラブラ。』
私の全ての歯車が噛み合った瞬間だった。
『おおっ』
『おお…………』
『おかえり!!ラブラちゃん!?』
そう叫び抱きついてくるエルフィーナ。
そして皆の笑顔が眠りから覚めた私を出迎える。
『私……………転移前の世界へ行ってきたよ。』
私の言葉に皆の表情が固まる。
『転移………前?ヒューマンだった時のラブラちゃんって事かな?』
『そう……私この世界に呼ばれる前は本当に平和な世界でこんなに争いの起こる世界にいた訳じゃなかった。』
『『………………………………………………………』』
私の言葉に皆が押し黙る。
そして沈黙を破り私は続ける。
『皆……聞いて………私がいた世界…………それはヒューマン……そして人化しない動物達が暮らす平和な世界……そこで私は生まれ育ったんだ………私は人より優れた自慢できるものは何も無い……一人の勉学に励む女子だった……そこには親もいて友人もいて……欲を出さなきゃ平和な世界。』
私は皆の顔を見ながら続ける。
『でもね……私その世界………元の自分の世界にいれば平和な暮らしが待っている…私はそう考えてしまっていたの。』
私の言葉に悲しげな表情のエルフィーナ。
そしてロイズは何も言わずに聞いてくれる。
もちろんドワフロスも沈黙を守っている。
『でもね…私の世界でさ…………私が歩いているとそこに一匹の動物が目の前に現れたの……その動物は辺りを見回すと……橋の上を歩いていた……するとその動物は足を滑らせて川に落ちてしまったの…………苦しそうに流される動物……それを見ていた私……私は何も考えずに川に飛び込んでいたの。』
私の言葉にじっと聞いている皆。
『私さ……人間でも動物でも……あんなに苦しそうに悲しそうにしているのを……黙って見ていられないんだ。』
私は照れながらそう言ってしまっていたんだ。
すると……エルフィーナが美しくも真剣な表情を見せる。
『ラブラちゃん……私達が貴女の事を何も考えずにこの世界へ呼んでしまった事……今更なのですが………心から謝罪致します……。』
『それは俺も同意見だ…ラブラ………俺達の勝手な振る舞い……この場だが俺も……本当にすまない。』
するとロイズもまた口を開く。
『本当だね……本来なら自由にそして平和に暮らしていたハズの人間を無理やり僕達は魔法の禁忌を犯してでも行ってしまった……それにより怖い思いもしただろう……苦しい思いもしたハズだ……それを強いてしまった事を……ラブラ……ー本当に……許してほしい……だけど……だけど…………僕達に少しでも………力を貸してくれるのであれば……本当に……お願いいたします。』
そうして頭を下げるロイズ。
私はスーッと息を深く吸い込む。
『みんな!!私は勇者ラブラだよ!!!』
私の声に驚きの表情で見ている。
『私……あの象の魔神に負けちゃったけど……次は負けないからさ!!だから皆で頑張ろうよ!!』
私はにこりと笑ってそう答える。
皆は笑顔で答えてくれる。
私達は笑いあった………………そして私は。
その時。
『うーーーーーーーーーーーーーーーん……いいねえ!!いいねえ!!』
そう声を上げたのはなんとあのヘキサちゃんだった。
『『ヘキサちゃん!?』』
『『ヘキサ!?』』
するとヘキサちゃんが笑顔で話し始める。
『やっぱりラブラちゃんはいいねえ!!あなたたちいい子を勇者に選んだねえ!?』
『ヘキサ様!?』
『あー!あの時は私の『転地』で皆逃げれたけど……また出会ったらきっと今の戦力では負けちゃう。』
『ヘキサ様……ですがきっとこれから先、またあの敵は私達の前に現れる事でしょう。』
『そうね……なら………ラブラちゃん……おじいちゃんから修行を受けてみる!?』
真剣な表情で私をじっと見ているヘキサちゃん。
すると。
ヘキサちゃんの隣りにパーッと光が現れ照らしていくと、そこには。
なんと聖獣様が現れたんだ。
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