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勇者ラブラ伝説~私って実はちょっと凄いんだよ?~  作者: 黒羽冥


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90/122

シーン90世界への凶報。

私は精霊ラムネにより元の世界に半身を残し異世界転移した。

そんな私はこの世界を救う為に頑張ってきたのだが。

勇者が倒された。

その凶報が世界に広まった。

その存在が消えたとされた今。

世界では。

ここはアメリスアードの国の一つ。

普段と何一つ変わらない日常があけようとしていた。


『はあはあ……今日も寒いわね…………でも今日も神様の為に働かなきゃ………。』


そう語ったのは年端もいかない一人の少女だった。

彼女はふと先を見る……その視線の先には巨大なビルが立ち並ぶ……そしてビルにはデカデカと映し出されていたのはこの国ザイアック国王だった。

今やザイアックの国はその範囲を拡大していた。

それは絶対的武力を確保したザイアック国は勇者が消えた後………世界各国への威圧を開始し、その圧倒的な武力に世界は屈するしかなく世界中全てにザイアック国という機関を設けたのだ。

そして自らを神とし今や世界を牛耳っていると言っても過言ではなかった。

つまりこの世界はザイアックのものになったと言っても過言ではなかった。

世界はザイアック国王を世界の王と認め……そして神の手の中で暮らす事を余儀なくされたのだ。

今や……世界中がザイアックの支配下なのである。

だが……ここからが世界の失態だったといえよう。

ここでなんと………ザイアックは世界種族平定としてしまったのだ。

それによりヒューマン族、精霊族……そして魔族は同世界で生きる事を強要される。

すると……力のないヒューマン、精霊はあっという間に魔族の蛮行に屈する事になってしまったのだ。

先程の少女は忙しく仕事へと向かう。

ヒューマン族は決められた職場で強制労働を与えられていた……そしてそこには捕らわれの精霊の姿も。

皆がこの地で生きていく為の労働を強いられる。

だがそれだけではなかった。

少女は走っていた。

いつものように自分の職場へ向かう為に。

街中はなぜか荒廃しているようにも見える。

これは時折起こる暴動の被害なのだ。

そして道を曲がればその先に目指す職場はあったのだ。

だが……今日のこの時。

少女は道を曲がると……目の前に巨大な影に隠されてしまった。

少女は立ち止まる。

自然に少女の小さな身体が震え出す。

そして目の前には巨大な魔物が涎を垂らし少女をじっと見ていたのだ。

魔族も暮らすこの地でこうして魔物と出会う事は珍しくもない事だった。

しかも魔族にとってはこれは食事として正当化されてしまった現在の世界の秩序。

弱肉強食という正当化されたこの制度はヒューマン……そして精霊達を絶望のどん底に落としたのである。


『ひいぃぃぃいーーーーーーーーっ!?』


少女は泣き叫ぼうと声を上げようとしたその時。

血しぶきが上がり……そして彼女は。

その横を何事もなかったように通り過ぎるヒューマン達。

皆が自分の仕事へと向かう。

彼女は偶然食物とされ…『不幸』にあってしまった。

皆がそんな認識だった。

この世界をまた絶望の世界へと変わり始めていたんだ。

エルフィーナ視点。


ところ変わりここは『邪馬国』。


『エルフィーナ!?エルフィーナ!?』


そうエルフィーナを呼んだのはロイズだった。

すると目を開けていくエルフィーナ。

そこにはロイズ、そしてドワフロスも彼女を見ていたんだ。


『えっ!?二人とも!?』

『気がついたな……良かった。』

『ああ……精霊力は残っていたのでな…復活は分かっていたが良かった。』


ロイズもドワフロスもエルフィーナの復活に安堵した。


『そういえばここは!?ラブラちゃんは!?』


この部屋に響き渡るエルフィーナの声。

するとそこに現れたのはあの聖獣様の孫であるヘキサちゃんだった。


『ふぅ……………皆無事で本当に良かったーーー』


安堵のため息をつきそう語ったヘキサちゃん。


『本当に間に合って良かったよ……あの時、僕の力『転地』で皆をあの場から飛ばしたんだ……でも流石に全員を転送させるには僕の力では足りなくてさ…こんな所に着いたって訳さ。』

『ヘキサ様ありがとうございます!それでラブラちゃんは?』


私の言葉にぴょんっと飛び跳ねたヘキサちゃん。


『こっち!!』


私はヘキサちゃんの後を追う。

すると別の部屋にはなにかの獣が一匹とぼーっと目を開けているラブラちゃんの姿があったんだ。


『ラブラ………ちゃん!?』


私はそう名を呼び続けていた。

だけど彼女はぼーっと眺めるだけだった。


『目は覚めたのだがな…』

『何も分からないようなんだ。』


そう呟くロイズとドワフロス。

その時私の脳裏に閃いたなにか。

私はこの小屋の台所を目指す。

そして一心不乱に料理をはじめる。

私の行動に何も言わず見ていた二人。


(私の……ラブラちゃんの好きな料理で私を思い出して!!)


私はそう願い料理を続けていく。

そして料理は完成し……私はラブラちゃんの前に皿に盛ったシチューを置くと、スプーンで掬い彼女の口へとそれを運ぶ。

彼女の口に流れ込んでいったシチュー。


『ラブラちゃん!?私を思い出して!!』


すると。


『う…………………………………………んまあーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!!』


彼女の声が響き渡ったんだ。


『ラブラちゃん!?』

お読みくださりありがとうございました。

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