シーン88ヒューマンラブラその一。
誰かの声に私は目を開いていく。
『愛?起きたの~~~?早く起きないと遅刻するわよ?』
それは聞き覚えのある声……記憶を辿ろうとするとその声の主を思い出していく。
それは私の母親の声だった。
あれ?この世界って……そうか、私が転移する前の記憶か。
そうして思い出すとより鮮明にそして記憶も具体的になっていく。
私の脳内はその時へと戻っていく。
『起きてるよ!?今準備してるよ。』
私の行動は今まで、何事もなかったかの様に準じていく。
この時は高校生……朝起きて学校へと行かなければならなかったんだ。
私は準備を整えると学校へと向かう。
◇
学校へと通学する私。
私に明るく声をかけてくれる友人達。
どうやら私は人並みに皆からも愛されてるようだった。
そんな私は一般的平和な暮らしをしていた。
その時……………一人の女子の声が聞こえる。
『愛ーーーっ!?』
私の名を呼び声をかけてくれたのは一人の女子。
『『霞』ちゃん!?』
私の脳裏に浮かんだ彼女の名前……彼女はどうやら自分の幼なじみだったようだ。
『ふぅ………帰るの早いってえ。』
『そうかなあ?もう学校終わったしさ。』
『でもさあ……クラスも今年から違って離れちゃったもんねえ……』
『確かにそうだよねえ。』
『そうだ!!これからなにか食べて帰らないかなあ?私こないだお買い物行った時美味しそうなケーキがあるカフェを見つけちゃったんだよねえ?愛も甘いの大好きじゃんかあ?』
『おっ!?いいねえ!!食べよう食べよう!!』
私は彼女にそう返していた。
そして私達はカフェへ向かう事になった。
街までの道のりは楽しい時間だった。
食べ物の話に学校の話、そして気になる男の子の話。
私達はどこにでもいるこの年代の普通の女の子だった。
(これって私の転移前の記憶?なんだよね?今頃になって思い出すなんて。)
私はそんな事を頭に思い浮かべていたの。
気がつくと街まで出てきていた私達。
すると声をかけてくる霞ちゃん。
『ラブラ?ラブラ!?ちょっときいてる?』
『あ、ごめん……ちょっと考え事してた。』
私の名をそう呼ぶ霞ちゃん。
『うーん……その呼び方久しぶりだなあ。』
私はそう返していた。
『そうだね……昔はずっとこの呼び方で呼んでいたもんね。』
『うん!学校に入ってからこの名前で呼んだら怒られた事あってからやめたもんね。』
『そうそう………私は愛とずっと一緒にいたし今更呼びづらいんだよねえ』
霞ちゃんは頬を膨らませながらそうつげる。
すると見えてきたのは私達の目的地である美味しいケーキがあるというカフェだった。
私達はカフェへと入っていく。
霞の見たというケーキも載っているメニューを見ながら私達は席で楽しい時間をはじめる。
ケーキを注文し私達は待ちながら女子トークに華を咲かせる。
彼女もまたこの年代だ、好きな男の子の話も聞いてよと………話をしてくる。
『ラブラだってさ、気になる男の子はいるんじゃないの?ほらクラスが一緒になった『』君なんてどうなの!?うちのクラスでも話題になっているんだよねえ……。』
彼女が恋バナを話題も変えず話つづけられのは流石だった。
『私はあんまりそういう興味ないかなあ。』
『うえええーーーーーーーーーーーっ!?ラブラって本当にそういうとこもったいないよね………ラブラの事話してる男の子も私のクラスでもちょいちょい聞こえてくるよ?』
『そうなの?私はそれより…………………』
私が話を止めた時。
目の前にはキラキラとしたケーキが私達の前にやってきたんだ。
『うわあああーーーーーーーーーーーっ!』
『美味しそぉぉおおおーーーーーーーっ!?』
こうして私達は念願のケーキを堪能したんだ。
幸せだった。
この時の私はこのまま普通に高校生をして…………大学にいき……そして就職、結婚し、幸せな人生を普通に送るものなのだと……私は思っていただけだったんだ。
そして私達はカフェでの楽しい時間を終え帰る事にしたんだ。
帰り道……私達はまた会話をしながら帰路につく。
『今日は楽しかったね?やっぱりラブラと話すのが私は一番楽しいな。』
『そう?でも私もそうかな………またあのカフェ行ってケーキ食べようね!』
『うんうん!あーでも私に彼氏出来ても行きたいけどラブラにも彼氏いてくれたらダブルデートって言ってもっと楽しくなりそうなんだけどねえ。』
霞はそう言ってくれる。
その時……私の脳裏には何かの声が聞こえる。
『勇者様…………』
『えっ!?誰の声!?』
私はキョロキョロと辺りを見回す。
『どうしたの!?ラブラ!?』
慌てた様子の彼女は私にそう問いかけてくる親友『霞』
するとその時……橋の下に流れる川からバシャバシャという音が聞こえる。
そこには流されてる子猫がいたんだ。
私は考えるよりも早く飛び込んでいた。
『ラブラ!?』
彼女の私を呼ぶ声。
苦しそうに流されている子猫。
その子猫の表情に私はいてもたってもいられなかった。
私が子猫をすくい上げ川辺へ戻る。
『はあはあ……ラブラ?大丈夫!?誰か!?救急車お願いします!?』
彼女のその声に私は意識が遠のいていく。
真っ暗な空間に横になっていた私。
暗い空間に横になりふわふわと浮いている様な感覚。
すると。
何者かの声が私に呼びかけてきたんだ。
◇
◇
◇
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