シーン85敵の手中のメギノス博士
ザイアックの声に賛同するかの様な各国の国王達。
私は彼らの声に只々唖然としてしまう。
するとザイアックは部下の誰かを手招きする。
そこに現れたのはメギノス博士の姿だったんだ。
『おじいちゃん!?』
『メギノス博士!?』
私もロイズも思わず名を叫ぶ。
すると……そこに立っていたのは、もはや生気のない表情のメギノス博士だったんだ。
気がつくと、私の目からはうるうると涙が溢れてくる。
するとロイズが口を開く。
『ザイアック………貴様………我が師であるメギノス博士になにをしたんだ!?』
『ふむ……さあ?わしは何もしとらんがな……メギノス博士は実に優秀でな……我が国家の為に『魔神具』研究……そして次々と新たな人工的に作り上げた魔神具を開発されてな……もはや彼の技術のお陰で我が国家も潤っていると言う事だ。』
そう言い切るザイアック。
するとメギノスもまた口を開く。
『さあ……ザイアック殿……ワシは更なる強力な魔神具を開発しなければならんのでな………研究室へと戻るぞ。』
そして踵を返しメギノスおじいちゃんは私に目を向ける事なくその場を離れようとする。
『おじいちゃん!!???』
私は思わず叫んでいた。
すると、ピタリと立ち止まったかに見えたメギノスおじいちゃん。
するとこちらにスーッと目を向ける。
おじいちゃんは少し微笑んだかに見えた……そしてまた厳しい表情へと変わる。
『あの勇者の力は本当に凄いものなのだ……我々研究者はその力に対抗する力を持つ魔神具の開発をしなければならないのだ……ワシは忙しいのだ…………きっと勇者はまだまだ成長するじゃろうなあ……ワシは……ワシは……………………。』
そう語ったおじいちゃんはまた背中を向ける………その後ろ姿は震えていたんだ。
『ワシは………勇者の無事を祈っておる。』
『おい!?余計な会話をするな!!???連れて行け!!!??』
『おじいちゃん!?』
『メギノス博士!?』
おじいちゃんは明らかに私にできるだけの言葉を残し……連れて行かれてしまったんだ。
その光景を震え見ていた私。
全身の力が抜けていく感覚………。
ラムネの声が聞こえなくなり………。
おじいちゃんまで捕まっている事。
でも私にはまだ仲間達がいるんだ。
私は魔神具を手に構える。
『クククッ!…………どうやらやっとやる気になったようだな……いくぞ。』
エレッソの声が響き渡る。
恐るべき強敵に私の全身にも力が湧いてくる。
『たあああああーーーーーーーーーーっ!?』
叫び攻撃を繰り出していく私。
その勢いのままに聖剣を振るう私。
ガチャリガチャリと私達の武具の衝突音が響く。
さすがこの敵は油断出来ない相手のようで戦い慣れているみたいだ……コフィ曰く本当に戦闘にも秀でているというのは間違いはないようだ。
それでも私は負ける訳にはいかないんだ。
私は全身の力を集中し放つ剣技。
それはエレッソを頭上からとらえる!!
ズガガーーーーーーーーーンっと激しい力をエレッソに与えた私の力はあのエレッソの身体にも衝撃を与える。
『ぐっ!?貴様……こんな力を持っているとは………だが………………。』
大槍を振るうと私の全身にもその衝撃波を感じる。
『うっ!?くうっ!?』
私の全身にうける衝撃波は身体に影響を与え始める。
『うっ!?こんなっ!?』
『ラブラ!?』
『ラブラちゃん!?』
皆の声が聞こえる。
すると。
『うおおおおーーーーーーーーっ!?』
大声を上げこちら走ってくるドワフロス。
『フン………邪魔な…………………………………。』
ガチャリとエレッソの大槍が音を立てる。
『ドワフロスだけじゃない……………二人の同時攻撃ならどうだ!!???』
バンバンッバーーーーーーーーーンっとロイズの銃声が鳴り響く。
ドワフロスの大剣とロイズの銃弾がエレッソの身体にヒットする。
『やったか!?』
『あれならきっと。』
コフィもエルフィーナも二人の攻撃にそう言葉にする。
そして二人の攻撃にエレッソは全身を歪ませ吠える。
『うおおおおーーーーーーーーっ!!??』
するとムキムキとその肉体が膨れ上がっていく。
『はああああーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!』
大声と共にどおおおおーーーーーーーーーんっと放たれた衝撃波。
次の瞬間。
エレッソの衝撃波に飛ばされる私達。
『きゃっ!?』
『うあああーーーーーーーーっ!?』
吹き飛ばされた皆の声が聞こえる。
そして私もエレッソの衝撃波を全身に受け吹き飛ばれてしまう。
ドガッと地面に全身を叩きつけられてしまう私。
起き上がろうとするも、視界がブレ……焦点が合わなくなってしまう私。
するとエレッソの声が聞こえる。
『クククッ…どうだ?地上最強の獣人であるこの俺の攻撃がもっとも最強ともよべる力だ。』
◇
◇
◇
お読みくださりありがとうございました。




