シーン82エレッソとコフィ。
エレッソ視点
俺は今……聖獣を捕らえにここまで来て……この勇者という者達を倒す為に戦っている。
我が王ザイアック様は絶対的存在だ……このアフリエイト……そしてケニージアの今は確かに平和だ……俺はこの国の兵士の一人だった。
そして上司の『コフィ』と共にこの国の兵士として生きてきたのだ。
このコフィ……なんと忌々しいのだ……。
◇
◇
◇
『エレッソ………君はいつも凄いなあ。』
『何がだコフィ!?』
『僕達兵士の中でも超特急な幹部への昇進抜擢!!これは今までにない快挙だよ?』
『そうか?この俺からすれば大した事はなかったよ。』
『そうかなあ……武力と知能そして小隊だったけどその統率力とそれでこの間の魔物『』討伐の功績が認められての昇進だもんね……僕も鼻が高いよ……そしていつか僕も追い越されるんじゃないかなあ。』
そう言った上司のコフィ。
奴の存在はこの俺にとってはその実力も見えなければ全然俺よりも遥かに劣っているようにしか見えない。
『はは……まあな……そのうち先輩を追い抜きますからね!?』
するとコフィは語る。
『はは!!そうなる為には強さだけではダメなんだけどさ……まあまだ君は入ったばかりだし行く行く分かっていくさ。』
俺はその言葉に苛立ちを覚えた。
『なにっ!?それはどういう事なんですか!?俺たちは兵士なんだ……強さこそが全てでしょう?』
すると余裕そうな表情へと変わるコフィは応える。
『いや……それだけなら僕はここにこうしてこの部隊の隊長などしてないさ。』
『俺は選ばれし戦士………しかも獣人の中では最も有能な力を持っている象族の獣人戦士だ……だからこの俺こそが兵士最強のハズなのだけれど。』
俺はそう声を上げていたんだ。
『いや………確かに君のその実力は是非とも評価されるべき力さ……でも君はその為に自身の力に傲慢になっている……今もほら………君は常に一人じゃないか。』
俺はそう言われ気がついた。
確かにコフィの言う通り……俺はその事に憤りを感じていたんだ。
俺よりは戦闘にすればきっと弱いであろう目の前にいるこのコフィという上司。
そんな男よりも俺の方がこの国の兵団の中でも遥かに有能なはずさ。
そんな事を思っていた時。
とある事件が起きてしまう。
◇
◇
◇
俺が街のパトロールをしていた時。
街中でとある少女の叫び声聞こえる。
『きゃあああーーーーーーーーーーーっ!?』
俺はその声に街中を駆け回る。
すると見えてきたのは一人の少女に今にも押さえ込もうとしていた蜥蜴の獣人だった。
涙を流し震える少女。
俺はその獣人の男を睨みつける。
『なんだ貴様……』
『俺は兵士団の一人……『エレッソ』こんな事をして一体なんになるというのだ?』
『なっ!?お前、最近入ったばかりの兵士の一人か……』
『ああ……で?そのエレッソの目の前でこの蛮行は決して許されることではないぞ?』
俺は男にそう告げる。
すると男は口を開く。
『クククッ……俺にはお前がそっち側よりも俺たち側にしか見えないのだがなあ。』
『なにっ!?この俺をお前達ゲスい奴らと一緒にするんじゃない。』
『ふん…………どうだかなあ……俺たちと同じ空気をお前に感じるがなあ。』
そう俺を煽ってくるこの男。
『うるさい……うるさいぞ!?』
『クククッ……面白おかしくやればいいんじゃないのか!?』
俺はその言葉に苛立ちを覚える。
その時。
俺の脳裏に浮かんだのは……以前いわれたコフィの言葉だった。
◇
『エレッソ……今回もやりすぎたと報告が上がっているぞ!?』
『隊長……でも奴らはあの女性を今にも傷つけようとしていたんですよ!?』
『わかっている……でもお前の力はタダですら他の誰よりも強いんだ……過剰な攻撃は相手を確実に殺してしまう。』
『ですがそんな奴らは心までも醜く黒く染まっているんだ……そんな奴らは殺されたとしても仕方ないでしょう!?』
『いや……そんな悪人だとて……余計な殺生はしないと決めているのがこの国の女王『』様の意向だ……この考えに賛同できない者は……兵士としては……いくら他で功績があったとしても認められない。』
『くっ………甘い野郎共が。』
俺はそうして部隊を離れた…………そんな俺に声をかけてくれたのがザイアック様初め、国政に関わる今の面々だ。
今の俺はそんなザイアック様の兵士団を任される兵士長だ。
◇
◇
◇
『コフィ隊長………いや……今はもう敵同士の関係の……獣人コフィ……どっちの力が確かな力なのかを今ここで……示してくれる。』
『エレッソ……分かった……………ここで僕も間違った君を正す時がきたようだ……さあ、僕が食い止める。』
そんな二人の戦いが今始まろうとしていたんだ。
◇
◇
◇
お読みくださりありがとうございました。




