シーン80捕らわれの聖獣様。
私達はいよいよキリマジャーロへと入山したんだ。
初めは快晴だった空も高度が上がるにつれ雲も広がりつつあるキリマジャーロ。
ぴょんぴょんと跳ね回るヘキサちゃんはさすがだ。
それに負けじと麒麟ちゃんは空を駆ける。
『おおっ!!二人とも凄い………………』
そう言ったのはのマサイアの戦士バッファローの獣人『コフィ』だった。
『それは確かだわ………ところで『コフィ』君は女王様について行かなくて良かったの?』
『えっ!?ああ……女王様に自分達の代わりに聖獣様を守ってくれと言われましてね…僕達は勇者様達についていきますよ?』
『ありがとうコフィ君!』
そして前方に目を向ける私達。
そちらには山の頂上はまだまだ見えてこないけどヘキサちゃん達が元気に飛び跳ねている。
『さあ……いこう…。』
ドワフロスの声に私達は先を進んだんだ。
◇
◇
◇
山頂を目指す私達……。
辺りを見渡すもそこはもう雲の上かのような光景が広がる……でも山頂へはまだまだという事からここが皆の話通り……世界でも有数の高山であり聖獣様が棲むに相応しい程の言うならば天空に近い場所なのだろう。
すると………目の前には大きな祠の様なものが見えたんだ。
そこへ私達よりも早くにそこに辿り着いたであろうヘキサちゃんと麒麟ちゃんが立ち尽くしていたんだ。
私は彼女達の背後から声をかける。
『ヘキサちゃん?麒麟ちゃん?どうしたの!?』
私は二人に声をかける…………するとそこには何かの光の壁の中に閉じ込められた何者かが見えたんだ………。
すると突然叫ぶヘキサちゃんと麒麟ちゃん。
『おじいちゃん!?』
『せいじゅううぅぅ!!』
私達の目の前にそびえ立つ光の柱……なんと、その中にはあのヘキサちゃんのおじいちゃんの聖獣様がとらわれ、聖獣様はその中で眠っていたんだ。
誰がこんな事を!?
光の中の聖獣様はよく見ると僅かながらも痛々しい傷までついているように見える。
するとすがりつくようにヘキサちゃんと麒麟ちゃんは邪魔な壁越しに叫んでいたんだ。
『うえええんっ!?おじいちゃん!?』
『このかべええええーーーーーーーーっ!?』
叫ぶヘキサちゃんと壁に怒り風を巻き起こしはじめる麒麟ちゃん。
するとそこへすーっと静かに姿を現した一人の男。
『クククッ………………皆さん……揃いも揃って……どうしたのです!?』
そう声の主の方へ目を向けるとなんとそこにはあの男『エレッソ』が立っていたの。
『あなたは…………………。』
そこにいたのはこの兵士達をまとめあげる兵士長であり聖獣様を……そしてこの国まで潰そうとする兵士長『エレッソ』。
『あなた方もとうとうこの場所まで辿り着いた……という事ですか。』
『だったらなんなんだい!?』
私はそう叫んでいたんだ。
『いや……別に………それでなのですが……僕達は要件をすませてこのまま下山する予定なのですがね……』
『下山だって!?ヘキサちゃんのおじいちゃんをあそこからだすんだ!?そしてあの獣人の子達はどこへやったんだ!?』
私はそう叫ぶ。
すると男はニヤリと微笑み答える。
『ほお!?あの娘達か…………それならば……。』
男が片手をあげると聞こえてくる声。
それは獣人兵士達に捕らわれたあの獣人の子達が震え涙を流していた。
『ううっ!?』
『ぐすっ………ぐすっ…………………。』
泣きながら私達の目の前に姿を現す獣人の二人。
すると一人の子が声を上げる。
『せ……聖獣様は………私達を庇って………ぐすっ。』
そう語った彼女もその衣服はボロボロにちぎられ……その身体は痛々しいものだった。
するともう一人の子も痛みを堪えながら語る。
『うぐっ……そうなんです………私達を捕らえていたこの人達は私達を人質に………聖獣様を痛めつけ……怪しげな何かでその力を奪ってとらえ…あの柱の中に捕らえてしまったのです。』
そう話してくれた彼女達。
すると男が口を開く。
『ほお!?お前達……お前達には後でとびきりのお仕置をしなければなあ………まさかここまで簡単にあいつらにこれまでの事を話すとはなあ。』
そう言いながら彼女達に目を向けるエレッソ。
『ふん………まあいい……どの道お前達を捕らえている限り僕達の優勢に変わりはないんだからな……こいつらは勇者とその御一行様だ……人質がいればそう易々と動ける訳はないんだからなあ。』
そう言い切るゲスい男は続ける。
『ふん……そして等々我々はこうして目的の聖獣様まで我々の手に落ちたのだ………これで我々の勝利と言っても過言ではないのだ。』
『君………とんでもない奴だね……私達はそんな君を倒すんだけどね。』
私はそう告げる。
すると一人の子が口を開く。
『勇者様っ!?気をつけてください!!奴らはなんと聖獣様を脅して力を奪ってとんでもない強さを…………………ひっ!??』
そういった彼女。
だけれど……。
この時………彼女の言った言葉の意味を私達は知ったのでした。
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