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勇者ラブラ伝説~私って実はちょっと凄いんだよ?~  作者: 黒羽冥


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72/122

シーン72麒麟ちゃんの思い。

アフリエイトに辿り着いた私達の前に現れたのは天然魔神だという麒麟様。

私に遊ぼうと声をかけてきた麒麟ちゃん。


『よぉし!いっくぞおおおーーーっ!!』


そう叫んだ麒麟ちゃん。

そして、その手にはなにかの丸い実を持っていたんだ。


『それはなあに?』

『これはタウタウの実僕とこれを投げ合い遊びしよう!』

『おお!それはキャッチボールとかってやつ!?どこかで聞いたことあるかも。』


私はそう叫んだ。


『キャッチボール!?あの球を投げあってとるって事だ……確かに僕も子供の頃父親とした記憶がある。』


それは物知りのロイズの声だった。


『なるほど!それがあの麒麟のいう遊びということか。』

『そのようね…でもどうしてこの場であの遊びを?』


その時私は脳裏に思いついた事。

そして私は言葉にする。


『そうか……』

『えっ?なにかわかったの?ラブラちゃん?』

『うんっ!!キャッチボールって……相手がいないとできないんだ!だから麒麟ちゃんは遊び相手が欲しかったんだ。』

『なるほど?』


私の言葉に納得したのかエルフィーナはじっと見ている。

すると麒麟ちゃんが口を開く。


『僕ぅ……あにぃと投げあいっこして遊ぼうって約束してたんだぁ………でもあにぃ忙しいって中々遊べてなかった……僕寂しかったんだぁ……だから遊んでくれてありがとなぁ。』


そう声を上げた麒麟ちゃん。

麒麟ちゃんのその言葉に私は彼と遊んであげたくなったんだ。

それは私が麒麟ちゃんの言葉に寂しさを感じたから。

そして麒麟ちゃんはにこにこと実を握り構えたんだ。

麒麟ちゃんはこの地でずっと寂しくしていたんだ。

私が遊んであげよう………そう思ったんだ。

そして麒麟ちゃんは実をもち構え振りかぶる……そしてすーっと綺麗なフォームで実である球をその手から放ったんだ!!!!!

すると。

その球は激しい勢いと共にこちらの方向に。

ギュンっと放たれる。

ドドドという激しい音をたて周囲の風を巻き込み恐ろしい勢いでこちら目掛け飛んでくる麒麟ちゃんの放った球。


『『うおおおおーーーーーーーーーっ!?』』

『ぇぇぇぇええええーーーーーーーっ!?』


麒麟ちゃんのあまりにも恐るべき力を秘めた投球に皆の驚きの声があがる。

そして私も。


『ラブラちゃん危ない!!???』

『ラブラ!!???避けろ!!???』


皆の私の事を思い叫んだ声。

でも私は彼のこの投球に彼の寂しさを感じていたんだ。

私は。


『魔神………サンドワーム…………『操風砂そうふうさ』』


その瞬間……ゴゴゴと地中から口を開き出てくるサンドワーム……そしてサンドワームは砂嵐をゆっくりと吐き出す。

やがて球にゆっくりと力が干渉し球の勢いは衰えていく……そして私の手には麒麟ちゃんの放った球が手に取れたんだ。

パシッと球をキャッチした私。

そしてにこりと微笑むと麒麟ちゃんは満面の笑みを浮かべる。


『んんっ!!よぉし!僕にも投げてえっ!』

『よぉし!!じゃあ麒麟ちゃんいっくよーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!??』


今度は私が投げる番。

麒麟ちゃんの実を持ち構える私。

そして私は振りかぶり………………………。


『いっ……けえええーーーーーーーーーっ!?』


私は投げる!!!!!

その球に今度は少しの風を与えちょうどよくその球は麒麟ちゃんの元に飛んでいく。


『おおっ!!』

『ラブラちゃんも凄い!!!』


皆がそう叫ぶ中飛んでいく私の投げた球。

麒麟ちゃんはそれに気がつくと必死にボールを取ろうと飛びあげる…………そして。

パシッとボールをしっかりキャッチする麒麟ちゃん。

その表情には満面の笑みに加え少しだけ目に涙が光ったんだ。


『うっわああっ………面白いぃぃぃ…………これ……人間が遊んでるのずっと見てたんだぁ………僕も遊んで見たくてずっとみてたぁ………色んな人に声掛けてやってみたけど……僕は投げて終わって……こうして返してくれたのは……あにぃと勇者ラブラだけだぁ………僕嬉しい。』


そう言って涙ぐみ語った麒麟ちゃん。

彼はあのとてつもないパワーに誰もたちうちできずに……ずっと一人で遊ぶしかなかったんだ。

疑問に答えが出た私は麒麟ちゃんに告げる。


『麒麟ちゃん……私はこれから聖獣ちゃんの所に行きたいんだけどやる事終わったらまた遊ぼうよ!』


私の言葉に微笑む麒麟ちゃん。


『うんっ!約束約束っ!!』

『ところで……聖獣アルビダイヤ様って人はどこにいるか分かりますか?』


私達の元にいつしかやってきたドライアードがそう口にする。


『わっかるうぞお!せいじゅうはあのおおっきな山の何処かにいるう。』

『そうなのですね?』

『うんっ………あのおおっきな山キリマジャーロって山に住んでるんだあ。』


そして私達がその山に目を向けると遙か向こうにそびえ立つ大きな山がそこにあったんだ。

お読みくださりありがとうございました。


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