シーン69私は勇者なんだ。
吹き飛び倒されるドライアードちゃんとウンディーネちゃん。
そして庇い私は速水に叫ぶ。
『私が貴方を許さない!!!!!』
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『フン……何度やったって同じだよ……君の攻撃はこの僕には歯が立たなかったじゃないか?』
『そんなのやってみなければ分からないよ!!』
すると溜息をつき速水は告げる。
『やれやれ……散々ここまで僕の力を見せつけてやっただろう?まだ分からないのかい?』
『私は……勇者って呼ばれてここにいたけど……それから皆と一緒にいたけど……こんなに怒った事はなかった……君は殺し屋って言われて…こんな事ばかりしてきたんじゃないのかい?』
『ああ……そうだな……だが……これがこの僕の生き方さ……。』
『そんなの……もうやめなよ……こんな皆が泣いちゃう……皆が嫌な気持ちになる……こんな事は誰も嬉しくないよ!!皆が悲しくなるんだよ!?誰にとっても嬉しくない事……こんな事を続けるなら……私はそれを止めてみせる!!!』
『ふん………そうかい?ならばやってみればいい……僕は今度こそ……君を気絶させて……………』
魔神具韋駄天を構える速水。
『連れ帰る。』
私は聖剣を再び構える。
◇
その時……ラムネの声が聞こえてくる。
(ラブラ?)
(ラムネ……………………)
(あいつの強さ……あれは魔王にも近いほどの力を確実に持ってる………皆がここまで戦えない状況になってしまった今……あの敵がこれほどの敵だったとはね……)
(ラムネ……確かに私の力は……届かなかった……でも……ここで私が倒さなきゃ………皆が。)
(そうだろうな……この僕でも感じるあの強さ……あれはきっと魔王の何かを得ているのかもな。)
(魔王……そうなんだ。)
(だけど……ここまで真剣なラブラ……確かにここで君が負けたらここにいる全員が殺されるだろうね………そうなる訳にはいかないからラブラは今まで以上になんとかしなきゃと自分の事を考えてる……そんな君に……僕は更なる力をかしてあげるよ………)
(えっ!?そんな事できるの!?)
(ああ……今までは僕達二人の関係性があるから君にはリミッターという制限をかけていたんだ……。)
(リミッター?)
(ああ……それを解除すれば今まで以上の力を君は手にすることができる…………)
(そうなんだ……じゃ……じゃあ………それを。)
(いいよ……ただし………一度リミッターを解除したら……君もこの僕もどうなるか分からない……)
(えっ!?それってどういう事!?)
私はそう問いかける。
(いや……もうそんな事は言ってられないね……さあやるぞ……ラブラ。)
(えっ!?ちゃんと説明して!?ラムネ!?)
(あははっ!いい勇者になるんだぜ?ラブラ!?僕は君の半身になれて本当に良かったよ。)
『ラムネ!?ラムネ!!!???』
(話せて本当に楽しかった……これからは話せないかも知れないけど……僕はずっと君の半身だからさ。)
『ラムネーーーーーーーーーーーー!?』
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◇
◇
私は叫んでいた。
そして目の前にはあの速水が構え立っていた。
『うおおおおーーーーーーーーーーーっ!?』
速水の攻撃。
私は聖剣で奴の魔神具を止める。
ジリジリという重み……流石に男性の力に私の聖剣も押されてしまうかに思えた。
その時……私の中にラムネの力が流れているのを感じる。
身体から溢れ出てくる力に私は聖剣に力込めていく。
『はああああーーーーーーーーーーーっ!?』
シュンッと放った聖剣。
『うぐっ!?があああっ!?』
速水の身体が私の聖剣の力に突然吹き飛ぶ。
ドサッと倒れた速水。
『くっ!?なんだ……今の力は!?』
身体を起こし驚きの声を上げる速水。
『私は今力を手にしたんだ……皆を傷つけた事……絶対許さないんだ。』
『くっ!?魔神韋駄天んんん!!!』
叫んだ速水の背後に現れる魔神韋駄天。
私の背後にも……今……。
魔神ラムネがいるんだ。
聖剣を持つ私の背後に立つ魔神ラムネ……それは聖剣を持つ少年の魔神の姿。
『私達の大切な人達は絶対に傷つけさせない………。』
『なっ!?くそっ!?勇者だろうがもう消してくれる!!???はああああーーーーーーーーーーーっ韋駄天!!???』
襲いかかってくる魔神韋駄天。
そして私は聖剣を更に握り返し構える。
『魔神ラムネ………『開花』』
ダンっと飛び出していく私。
そして。
『ぐああああーーーーーーーーーっ!?』
私は速水の魔神具をするりと躱すと聖剣を振りかざしていく。
『エレメンタル・ファイア』
青い炎を刀身に纏わせ……そして……ズババババーーーっと斬っていく聖剣を振るう感覚。
そして。
ぐあああああああああああーーーーーーっと断末魔の叫び声をあげる速水。
そしてその場から速水は消え去ったんだ。
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