シーン63工場長の切り札。
機械兵器の前に立つ私。
すると私を見ていた工場長が口を開く。
『ほう……どうやら貴様にも精霊の力を感じるようだが………やはり貴様もこの機械兵器のエネルギーとして扱ってやろう…。』
『確かに私にも精霊の力があるよ……でも残念だけどその機械兵器のエネルギーの為のものじゃない……これは私の大切な仲間達を守る為の力なんだ!!!!!』
私は叫ぶ。
ニヤリと笑みを浮かべる工場長。
『ならば……やってみるがいい……国をも滅ぼす事ができるとされる我らが兵器の力を………………ここで披露してくれる。』
その瞬間、工場長の背後からグイングインという音をたて奥からこちらに向かってくる機械兵器。
その驚異的な魔力を全身から漂わせるこの機械兵器から恐るべき力を感じる。
でも私は。
『だから……なんなのさ?』
『ククッ…お前は…勇者という名で呼ばれるだけで他人から崇められ……そしていい気になっている……どうせ貴様などその程度のものであろう?この仲間達も精霊達も全てお前のその弱さの前で我らの手に落ちるのだ……非力で口だけのお前らなど我が力の前に跪くがよい。』
『……私は………………』
私がその言葉に反論しようとそう口を開こうとしたその時。
『……………今……なんて言ったあ?』
怒りの声でそう言ったのはなんと……ウンディーネちゃんだった。
『ウンディーネちゃん!?』
私は思わず声を上げてしまう。
皆もウンディーネちゃんの驚きの行動に驚きを隠せなかった。
ぷるぷる震えるウンディーネちゃん……すると言葉を続ける。
『この勇者様は本当に強いんだあ……自分も痛いのにぃ…皆のためにぃあのマグラディアスを倒してくれたんだ……私達の英雄なんだぁ……そんな強くて優しい勇者ラブラちゃんの事をバカにするのは………私が許さないぃ!!!!!』
ウンディーネちゃんがそう言ってくれる。
私は胸が熱くなり目から涙が零れてくる。
『あれ?これって……私の事をそんなに思って言ってくれるなんて………ウンディーネちゃん。』
私の中で熱い力が沸き起こる。
『なんて、うるさいガキどもだ!!!機械兵器よ……滅ぼすがよい!!!』
工場長が叫んだ瞬間。
ゴーーーーーーーーーーーッと勢いよく飛び出してくる機械兵器。
その姿からは想像もつかない素早さ。
危ない!!あのままじゃウンディーネちゃんが!!???
私がそう思って動き出そうとしたその時 。
ウンディーネちゃんの周囲の空気が変わる。
『ウンディーネちゃん!?』
『勇者さま!!あれがウンディーネちゃんの真の力なのです!!私たちが任務を達成できたのは彼女のその力なのです!!!』
『ええっ!?』
ドライアードちゃんの言葉に私は驚きの声を上げたその時。
ウンディーネちゃんの身体の周りに水が発生し……彼女の身体を包み込んでいく。
すると徐々に彼女の身体は水と一体化していく。
『あれは一体。』
『あれはきっと精霊でも上級精霊であるウンディーネちゃんの力ね。』
ロイズの言葉にそう返すエルフィーナ。
『凄いな……おっ。』
ロイズがそう言った瞬間。
ゴーーーーーーーーーーーっと勢い良く水が舞い上がる、次の瞬間。
そこへ水龍と化したウンディーネちゃんが現れたんだ。
『『なにっ!?』』
『本当に凄いわ…ウンディーネちゃん……。』
『そうなんです……先程もあの力で敵を一掃してくれたんです。』
力いっぱいそう言い放つドライアードちゃん。
すると工場長が口を開く。
『なんと……さっきのトラブルの原因を作ったのはこいつの力だったのか……くそっ……しかしそれほどの水の力……さぞかしこの俺達の力として活かしてやろうぞ…………さあ……機械兵器『ドラッドマシーン』よ……今こそその力を解放せよ…………いでよ……火の機械兵……『ファイアドラッド』
すると機械兵器の様子が変わる。
突然……急激に赤く発光し……そして徐々に熱を発しはじめる機械兵器。
『なに!?どうしたっていうの!?』
エルフィーナの声。
それに返すよう声を上げる工場長。
『ククッ…俺はこのウンディーネ達をここへ捕獲し生かさず殺さずで利用してやろうと思っていたのだ……だがこちらにもどうしようもない時の切り札も用意していたのだ……それはこの機械兵器『フレア』の力で消し去ってやろうとする力だ、もはや大人しくする気もないようだしな…このまままとめて消え去るが良い!!!』
ギュウーーーーーーーーーーンという音と共に機械兵器の大砲がこちらの皆目掛け砲弾がこちらに向けられる。
『やばいぞ!!??皆!!にげ……………』
ロイズがそう叫んだ瞬間!!
閃光が激しく辺りを照らす。
『『あぶな!!!!!』』
その瞬間。
水龍になったウンディーネちゃんが口を開く。
『水鏡の盾…………………』
ドウっと沸き起こる水龍は放たれた機械兵器の砲弾を…………水流で飲み込み消し去ったんだ。
『『凄い!!ウンディーネちゃん!!??』』
皆が一斉に声を上げる。
そして私は機械兵器と工場長を見据える。
『さあ………今度は私の番………いくよっ!?』
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