シーン62工場内部にて。
ウンディーネちゃんとドライアードちゃんの活躍によって水の源流近くにいた魔物『半魚獣』が倒される。
その時、私、ドワフロス、ロイズとエルフィーナは工場内に侵入しようとしていた。
(まだだぞ……必ずドライアード達が何かしら動きを見せるだろう……そしてその時……この内部に何かしらの動きが起こるハズだ……そこを狙う。)
ロイズは小声でそう呟く。
私達は頷き言葉を理解した事を伝える。
すると。
突然内部にざわめきの声が上がる。
『急げ!!工場内の水がストップしたぞ!!??このままでは魔薬生産がストップしてしまう!!』
工場長であろうか……皆を指揮するような者の叫ぶ声が工場内にこだまする。
その部下達の動きは外へと出ようと動き出しこちらへと向かってくる。
この混乱の原因を知っている私達は彼らをこのまま外へと出してしまうことはドライアードちゃんそしてウンディーネちゃんの危険に繋がる。
ダダダッとこっちへかけてくる数名の武装した作業員達。
するとロイズが少し開いていた扉からダンっと飛び出す。
『いくぞ!!!』
叫ぶロイズ。
私達もその言葉に応え中へと足を踏み入れていく。
すると私達を発見した武装した従業員達が声を上げる。
『誰だお前ら!!??』
『ここが世界に名だたる富豪ザイアック様の工場だと知りえてきたのか!?』
そう口々に叫ぶ従業員達。
すると先に動いたのはロイズだった。
『ここの工場は今日で閉鎖だ……こんな薬物を作っている工場など……この世に存在させておくものか!!』
そう叫んだロイズに襲いかかっていく武装した従業員達。
するとその中の一人が叫ぶ。
『我らをタダの工場で働く従業員だと思うなよ……我らは今は研究員だが……いずれが元軍人………戦闘も……………可能だ!!!!!』
そう叫んだ彼らは散弾銃を構える。
『侵入者を……うてえええええーーーーっ!?』
私達に向けダダダダっと一斉に放たれる散弾銃。
するとロイズが笑う。
『それは高々対人間の戦闘に限りだろう?僕らはあの魔王を相手にするんだ……こんなもの……』
ロイズは緑色に発光する銃弾を取り出し充填する。
そして。
『人間の銃弾なんて。』
ダダダッと放たれるロイズの銃弾。
それは次第に形を変えていく。
そして風が巻き起こり散弾銃の銃弾は風に巻かれて地面にパラパラと落ちていく。
『なにっ!?』
『貴様らのその力…………やはりあの今話題の『勇者』達の力か………ならば。』
そう言葉にする工場長。
すると工場長は手にしたなにかのスイッチを押す。
カチッと入ったなにかのスイッチ。
『なに!?』
『なにかのスイッチ!?』
グイーンっと工場内部のなにかのスイッチだったのだろうものの作動音が工場内に響き渡る。
すると工場長が呟く。
『クククッ…………まあ貴様らがなんでもいい……この工場内に入った事を後悔するがいい。』
その時。
工場内の最奥の扉が開いていく。
ゴゴゴという扉の解放音。
するとそちらが青く光る。
『なにか……嫌な力を感じるわ。』
『ああ……機械的な何かの音だが………その力は魔力…………しかも感じる魔力は冷たく青光りする水の力………これだけの魔力……そうか……ウンディーネ達はマグラディアスにも捕食されたかもしれんが……この工場のこの機械兵とでも言うべきか……こいつにもその力を吸収されていたようだな………だからあのウンディーネ一人だけが偶然にも生き残っていた……そういう事か。』
そう言ったのはドワフロスだった。
私の脳裏にウンディーネちゃんの悲しそうな 顔……そして嬉しそうな笑顔が浮かぶ。
私は震える。
すると工場長は口を開く。
『クククッ……ご名答……さすがだな……そう……この工場はただの薬品工場だけではない……そしてここでも魔道兵器も作っている…まあその為のエネルギーにはアイツら精霊ウンディーネ達が必要だったという訳だ。』
工場長の下卑た笑い……私は許せなかった。
あんな小さな精霊のウンディーネちゃん。
彼女は仲間を奪われ……その仲間達はこうしておかしな機械のエネルギーにされてしまったんだ。
『どうして……どうしてこんなに酷い事ができるんだよ。』
私はそう呟いていた。
『はあ!?精霊は我らヒューマンの為のエネルギーとして使われる…そして我らヒューマン文化の発展に繋がる……これはとても素晴らしい事じゃないか?』
その時。
『そんな!!酷すぎる!!???』
『うううぅぅ…………みんなあ………。』
聞いていたのだろうドライアードちゃんとウンディーネちゃんが事をなしえた二人は戻ってきて……今の話を聞いていたのだろう。
『ククッ…まだそこにもウンディーネがいたのか!?さあ……こっちへこい……そしてお前も、この魔道兵器のエネルギーとなるのだ。』
震えるウンディーネちゃん。
『精霊をなんだと思っているの。』
『あなたは私達が許さない。』
エルフィーナとドライアードちゃんが前に出ようとする。
私は二人を止めウンディーネちゃんの頭を撫でる。
ウンディーネちゃんが目に涙を浮かべる。
『私に任せて。』
『うんんっ。』
私は。
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