シーン58ピンチの中で。
『ウンディーネちゃん!?』
私達は捉えられたウンディーネに目を向ける。
苦しそうに囚われのウンディーネちゃん。
その背後でマグラディアスは初めの木の身体ではなくなり液状化した大木のウンディーネちゃんを捉えていたんだ。
『なんなのあれは……!?水なのに身体を形成してるなんて………。』
怪物に驚愕の声を上げるエルフィーナ。
するとロイズがその声に返す。
『古代の怪物『マグラディアス』……それはあらゆる自然に寄生し自在に力を操る怪物と聞く……それ故に倒すという事にも苦戦を強いられ……長きに渡り討伐困難レベルはSクラスと聞く……つまり……魔王に匹敵するレベル……だと。』
『まさか……そんな強いだなんて……。』
『ああ……でも一番恐るべき能力は…さっき見た通りの性質変化だ……そして今の奴は…………。』
ロイズがそう言葉を終えようとしたその時。
マグラディアスはニヤリと笑みを浮かべる。
次の瞬間。
バシャっと水音を立てたその時。
その身体は液状化し蠢き出す。
すると。
うねうねと蠢く水は数体のマグラディアスへと、分裂し、その存在を増やしたんだ。
『なっ!?増殖したのか?』
焦りのドワフロス……そしてそれに答えるロイズ。
『ああ……そうらしいね……そしてその分裂こそが奴を長年災厄として世界の敵なる恐るべき能力なんだ。』
ロイズの言葉はこの世界の歴史として伝わってきた災厄の能力なのだろう。
すると分裂したマグラディアスは下卑た声で笑うかのような動きを見せていた。
『シャハッ!!シャハッ!!』
私はスケルトンの魔神具である剣を握る。
『はあああーーーーーーーーーーっ!!??』
踏み込み斬りかかっていく私。
そして後に続き動くドワフロス。
するとエルフィーナが魔法詠唱をしている。
『数多の精霊達よ……私の言葉に耳を傾け……ここへその力を…示せ……。』
ここへきてエルフィーナの雰囲気が変わる。
私達の中で一番の呪文使いであるエルフィーナ。
彼女は今……マグラディアスの目の前に立っている。
そして……そんなエルフィーナは何かを背中から取り出す。
普段魔法の戦闘しかしないエルフィーナには珍しい光景だったんだ。
『エルフィーナ?』
私の声にエルフィーナはこちらを見て笑みを浮かべる。
『ここは私が……。』
するとマグラディアスに目を向けるエルフィーナ。
『私はエルフ王国の第一王女『エルフィーナ』……他種族と……明らかに流れる時は違い……私達の種族は『長寿種族』……もちろん私の先代王達は以前のあなたと戦った歴史があります………そんな先代達はあなたを倒し一度は封じたハズです…………数多の精霊達より力を借り私は魔法を利用している私……そんな精霊達は私のとても大切な仲間達です……そんな精霊達を苦しめる存在など……………………』
いつしか弓を構えひいていたエルフィーナ。
『私が………許さない…………!!!』
エルフィーナを敵視した数体のマグラディアスは彼女に向け攻撃をしようと構える。
エルフィーナの怒りの表情は私はこの時初めて見たかもしれない。
するとオーラを纏うエルフィーナ。
そしてエルフィーナの眼光が光った気がした。
『さあ………いくわよ…………。』
次の瞬間。
エルフィーナが走り出す!!!
だっと飛び出し走るエルフィーナ。
数体のマグラディアスは彼女を捕らえようとその巨体をエルフィーナに向け襲いかかっていく。
『エルフィーナ!!???』
『エルフィーナ様!!!???』
私達が叫ぶ。
彼女の動きはこれまでにないほど早かった。
すると………彼女は魔力を更に収束させていく…そしてそれは赤く光る矢と変化する。
『エルフの魔力を込めた矢をくらいなさい!!』
『シャイニングアロー!!!』
シャシャっと数本の矢が超高速で放たれる!!
それは勢いを増し数体のマグラディアス個々に分かれ放たれたんだ。
その凄まじい魔力の凝縮された
矢が次々とマグラディアスに突き刺さる!!
グアアアーーーーーーーーーーッと叫ぶマグラディアス数体が痛みに苦しみもがく。
『今よ!!ラブラちゃん!!???』
エルフィーナのその声に私はもちろん構えていた。
私は皆の笑顔を守りたいから……ここから頑張るんだ!!!
そう……皆がこの敵マグラディアスの力に自分自身の力が奪われてるのを感じているんだろう。
そう……私の半身であるラムネの力もこの敵相手には力を奪われていたんだ。
(ラブラ……君は僕の半身だ……だから僕の力も奪われつつある事を庇っているのかい?)
(ラムネ………どうしてそれを……………)
(ふざけるなよ………この僕を舐めるんじゃない……………)
(ラムネ…………)
(今……あの敵を前に皆……精霊達だって小さな微精霊だって………あのマグラディアス相手に必死に戦っているんだ。)
(ラムネ………私……私…………………。)
その時。
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