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勇者ラブラ伝説~私って実はちょっと凄いんだよ?~  作者: 黒羽冥


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57/122

シーン57災厄の根源。

燃やされ…逃れるかのように液状化したマグラディアス。

しかもそいつはこともあろうに近くの流れる川の水に紛れ私達の目の前から姿を消してしまった…これは性質変化という厄介な能力を持っている事を示していた……そして私達は奴の後を追ったんだ。

もしかしたら…既に……川の流れにより各地に散らばってしまっているのかもしれない。

すると私達の先頭をいくドライアードが口を開く。


『まずはここから一番近くの街『ギリーシア』へと向かいます……マグラディアスがあの川を移動したら一番近いのはそこ……歴史の街でもあり街中に歴史的水路が張り巡らされる、その街には膨大な水があります……まさに遺跡と水の都とも呼ばれる街……人々にマグラディアスの被害がなければ良いのですが。』


心配そうにそう告げるドライアード。

私達は下流へとひたすら走っていくと徐々にゴツゴツとした岩場と砂の道へと変わっていく。


『ここからは森を抜けます……そして…………川はあの街!!ギリーシアへと流れ込んで行っているのです。』


ドライアードの声。

そしてなんとか力を保っているウンディーネを背負うドワフロス。

エルフィーナとロイズ。

私達はギリーシアの街へと踏み込もうとしていたんだ。


『あれが歴史的遺跡の都……そしてこの川の水の恵をいたる所に水路としてはびこらせた……まさに水の都とも呼ばれる街でもあるのです。』

『そうなんだ………すごい綺麗な街なんだね。』

『そうよラブラちゃん……そしてこの街には恋人達が立ち寄ると幸せになれると言われる『アゼーネの噴水』と呼ばれる素敵な噴水が街の中央にあるらしいわよ?』


そう話してくれたエルフィーナ。

彼女もまた女性なのだ。

こういった話は得意なのだろう。

でもそんな事より……私は………食欲なのだ!!

さあマグラディアスを倒してご飯にありつかなければ。

私がそんな事を考えながら皆で街の中へと入ろうとすると。


『うっ!?ああっ!!』


急に苦しみ始めるウンディーネ。

やはり、この街に水としてあのマグラディアスは紛れ込んでいるんだ。

きっとウンディーネが一番あのマグラディアスの力を感じ取れるのだろう。

するとエルフィーナがウンディーネに近づく……。


『さあ……ウンディーネ様………僅かですが私の力を………。』


そう言いながらエルフィーナから光がウンディーネへと流れ込んでいく。

すると徐々にその表情を柔らかにするウンディーネ。


『エルフィーナ様……』


心配そうに見ているドライアード。

するとふらつくエルフィーナ。


『エルフィーナ様!?』


ドライアードがエルフィーナの身体を支える。


『いけません……エルフィーナ様はお優しすぎます……わたくしだけじゃなくウンディーネにまで……これではご自身の身体ももちませんよ。』

『うふふ………ありがとう……でも大丈夫………私も精霊のはしくれですもの……今は精霊の危機なのです…………あの魔物マグラディアスをここで倒さなければ…私達精霊達の未来にも光は届かなくなってしまいます……天災とも呼ばれる奴を共に………倒すのです。』


エルフィーナの言葉にキラキラとした目を向けているドライアード。

すると、次の瞬間。


『きゃああああーーーーーーーーーーっ!?』


街中に響き渡る叫び声。

私達は声の主の元へと走っていく。

そして誘われるように街の中央広場へと走る私達。

そこで私達の目に映ったのは。

辺りを真っ赤に染め上げる人々の肉片があちらこちらに飛び散る恐るべき光景だったんだ。


『これは…………………………………………』

『なんてこと……遅かったのね。』


驚きの表情で声を上げるロイズとエルフィーナ。

するとドライアードが答える。


『ここはこの街で一番活気のある水の公園……マグラディアスの身を隠せ…そしてその力を遺憾無く発揮できる場所………皆……気をつけ………』


ドワフロスの声……。

次の瞬間。

ダダダンッ!!っと噴水から水の銃弾がドワフロスに向けて放たれる。

ドワフロスの両腕と両足を捉える何者かの水の銃弾。


『うっ!?ああっ!!!??』


ドワフロスが叫びその巨体は倒れていく。

そして。

ザバーーーーーーーーーーーーーッと何者かが水場から飛び出しドワフロスの背より落ちるウンディーネの背後に全身が人型で水の身体と化している何者かが立ち尽くす。

そしてウンディーネの背後から彼女を捉えてしまう。


『ウンディーネ!!???』

『ウンディーネちゃん!?』


なんと………私達の叫びも虚しく……彼女は囚われてしまったんだ。


『グギギ…………………………』


何かを話そうとするマグラディアス。

きっと私達を挑発しているのだろう……ニヤリと笑みを浮かべるマグラディアス。

人質をとる……こんな芸当まで覚えてしまったこの恐るべき相手に、私達は身構えるのだった。

お読みくださりありがとうございました。




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