シーン53マグラディアス。
私達の前で、ゆっくりと口を開く水の精霊ウンディーネ。
◇
◇
◇
(注)『ここからは読みやすいようにウンディーネの特徴のある話し方は翻訳して書いております。』
私達はこの泉から湧き出す水を作り……それと共に存在しているんだ。
この世界の水も私達の存在と力によって清らかな水が約束されていたんだ。
そんな中……この泉の近くにそんな水を汚す存在が突然現れた。
私達は水の異変にすぐ気がついた。
そしてそんな水を汚水へと変える存在はなんとそこに根づいてしまうという。
そして汚水はこの下流へと流れてゆき……下流域に存在する生物達が被害にあってしまった。
変形した姿の生物達が生まれ……その水を飲んだ動植物は息絶える者も……比較的強い存在だったヒューマン達等は病にかかるという事態。
実は私達はそんな水の汚染があると……この私達にまで影響が現れる。
淀む水に汚染されていく私達。
私の仲間の精霊達もその被害にあっていき……回復の為に他なる地へと送り出し……残ったのはこの私一人でこの泉の水を守り続けてきたのです。
そして……私はなんとか竜族の希望である雷武様にすがりつき…こうして助けを呼んだのです。
そう話し終えたウンディーネ。
私にもその悲しさは十分伝わった。
『そんな事があったのですね。』
『うう……あ!エルフィーナ様なのかあ!!???………ドワフロス様もお!?』
二人を見て驚きの声を上げるウンディーネ。
『ウンディーネ…………久しいな……我が国の水路を守ってくれているのもお前の仲間達だ……いつも感謝している。』
『うあぁ……私達もドワーフ様もエルフ様も仲良しなんらあ……だけどお………こんなことにい。』
悲しげな表情を浮かべるウンディーネ。
『いや……それよりもその汚水の原因となったもの……その根づいたなにかとはなんなのだ?』
するとウンディーネは両手を天に向かい高々と上げる。
『水鏡ぃ《みらあうおうたあ》』
ウンディーネがそう叫んだ次の瞬間。
私達の前の空間が歪み………そこに何かが映し出されたんだ。
『これみてみてえ。』
すると……この泉よりも下流域へと鏡の世界は移動していく。
『あれはこの泉なのですね?』
『うぬう……そしてそこからずっと下にい。』
鏡の中の何かはすーっと移動していく。
すると私達の目に飛び込んできたのは。
『工場!!???』
そう言ったのはロイズだった。
『工場ってなに!?』
『ああ……我々ヒューマンが何かを作る為の場所としてああした建物を立てて大量生産する為の施設の事さ…。』
『そうなると……もしかしたらそこから不要な何かが川へと流されているとか?』
『有り得る考えだな……そしてそれにより水が汚染されているようだな……だがなんの為にこの様な上流域で行われているのだ?』
『それはやはり……あれか。』
ロイズがそう言った時。
映像は建物内部を映し出す。
そこではヒューマン達が何かせっせと作業をしている。
それは何かの草と何かを混ぜ合わせ、そして出来たもの………それは小瓶に一つ一つ入れられ作成されていく。
『あれは……何かの薬か……まさかあのドラゴンとあった山で取られた魔草から作られた薬……か何かなのか。』
こういう時のロイズの読みは鋭い。
『なるほど……あの魔草とここの澄んだ水から作られた薬をこの工場で大量生産されているって事ね。』
『ああ…こうして作られた薬……きっと魔草を使った薬……僕達ヒューマン達にとって悪影響を及ぼす中毒性のあるきっと世界で表立っては禁止されている違法な薬なのだろう……世の中ではその薬によって力を得て魔神並みの力を得れる幻覚作用のある薬だときく……闇の世界に蔓延るヒューマン達の汚点さ。』
『そんな薬が……だがこれで合点が行ったな……そしてこの魔草魔薬には……影で大量の金が動くと言われている……もしかしたら………あの『アイザック』も絡んでいて奴の資金源にも繋がっているのかもしれん。』
そう言い放つドワフロス。
私達はこの現状に驚きを隠せなかった。
すると。
映像は再び外へと向かい始める。
その映像は川へと向かっていく。
そして今度は上流を目指していく映像。
いつしか映像は一つの滝を映し出す。
激しい水しぶきを上げ轟々と流れ落ちる巨大な滝。
そしてそこには何かの恐ろしい影が見えたんだ。
『あれか!?』
『ああ……どうやらあいつがこの現況を作り上げた魔物らしいな。』
するとウンディーネが震えながら口を開く。
『うあああぁ!……アレは私達ウンディーネを食べてを滅ぼしかけたあ、こわい地底のおばけえ……………『マグラディアス』』
『マグラディアス…………』
『うぅんん………………ちていに棲んでるおばけえ。』
そしてウンディーネの涙は……止まらなかったんだ。
◇
◇
◇
お読みくださりありがとうございました。




