シーン50広がる世界。
私は聖騎士『フレイル』を倒した。
『ば……ばかな……この僕が敗れるなんて……』
自らの魔神と共に消え去りながらそう言葉を残し去っていくフレイル。
そして私達は……聖騎士フレイルの脅威からこのロッキンマウンテンを守り抜いたんだ。
◇
◇
◇
『ふううぅぅ……片付いたようだな……。』
いつの間にか僕達の元まで帰ってきていたドラゴンがそう言い放つ。
『はい…………雷武様……この度はこのロッキンマウンテン及び周辺森林地域に害を成した者共への制裁……わたくしドライアード……感謝の言葉もございません。』
『気に病むな…ドライアード………俺はアイツらが気に入らなかっただけだ。』
『いえいえとんでもありません!!本来ならわたくしめが食い止めなければならなかった事……こうして頼ってしまいました事、本当に申し訳ございません。』
ドライアードさんはドラゴンにペコペコお礼を述べていたんだ。
すると私に目を向けてくるドラゴン。
そして気がついたかのように私達に声をかけてくるドライアード。
『エルフィーナ様……そしてあなたは…………。』
そう言葉にすると驚きの表情を浮かべるドライアード。
『あ……あなたはまさか……この地を救うと噂されている……ゆ……勇者……様!!??』
『あはは……そうみたい……だね。』
私は微笑みながらそう答える。
『えええーーーーーーーーーーーーーっ!?』
ドライアードの叫び声が辺り一面に響き渡る。
『少し……いいか……勇者………お前……どうやらあれから少しは成長したようだな。』
私は意外なドラゴンの言葉に嬉しさが込み上げてくる。
『うん!!ここまで君に言われた事が悔しくて悔しくて……やっとここまできたんだ。』
『そうか………だがな。』
そう一言告げるドラゴン。
『えっ!?』
『あの魔王と戦う為にはお前にはまだまだ強くなってもらわなければならん……これは俺様にもまだまだ敵わないという事だ。』
『なにっ!?』
私はその言葉にムカムカと苛立って仕方なかったんだ。
そんな目を向けたその時。
『そんな目をするんじゃねえ……お前が強くなった事はこの俺様にも分かる…だがお前はまだまだだ………』
するとドラゴンが何やらを考えている。
『どうかしたの?』
『ん………ああ……俺達ドラゴン族はな……この世界の破壊と救いを行う存在……神にも必する力を持つ……そんな俺たちは魔王の存在に敵対しているのだ……我々には力と数が必要なのだ。』
『それはどういう事なのですか?』
『ああ……我々はいずれ…魔王軍との戦を構えるという事だ。』
『戦だと!?』
私の声に続けるドワフロス。
『ああ………あの魔王ゼルドリスはこの世の全てを無に返そうとしている……そんな奴に対する力を我々竜族も探し集めているのだ………そしてその戦の名……それは『精魔大戦』』
『『精魔大戦!!!???』』
『ああ………あの魔王討伐の為の戦いだ……それにはお前……『勇者』の存在も必要だ。』
『えっ!?私!?』
『ああ……だが……お前にはまだまだ強くなってもらわねばな……よって……………』
そういったドラゴンは闘気を纏っていく…………するとその巨大な口より何かを発する。
ドラゴンの口からは黒い闘気の塊が吐き出される。
『ぐっ!!ぐはあああーーーーーーーーっ!!』
『えっ!?ええっ!!??』
私達の目の前に出されたのは闘気の黒い渦。
『クククッ……これは我が…竜族に伝わる『黒渦』』
『『黒渦だって?』』
『ああ……まあ………我ほどの魔力がなければこんな芸当はできぬがな。』
目の前の空間の渦が私達をいつでも飲み込もうと渦巻く。
『いいか………勇者よ…この世界はこのアメリスアードどころではないほど……大きく……そして世界には様々な種族様々な生物が暮らしてる……お前に足りないのはこの世界の真実を知る事……そしてそれを守ろうとするものはその覚悟が必要だ……まだまだそれをお前は様々な事を知らなければ強くなる事はできん……この俺の渦に入り世界の真実……そしてこれからお前が強くなる為に必要な経験を積むのだ。』
『私の経験……………』
『ああ……そして……そこにいるお前の仲間達はお前を守りながらも成長の糧となる事だろう。』
ドラゴン雷武の声に三人が私を見つめ微笑んでくれる。
すると口を開くドライアード。
『では……皆様への私を救ってくださったお礼としてここからの道案内は私が引き受けましょう。』
『ああ……頼んだぞ……ドライアード。』
『はい……分かりました雷武様……では勇者様。』
私の手をとるドライアード。
『ドラゴン君…私………………………………。』
私は一歩踏み出し…………振り返る。
『私…………強くなってくるから。』
『ああ……………待って………おるぞ。』
私達は渦の中に飛び込んだ。
広いという世界へ向けて……これが世界に踏み出した私達の第一歩だったんだ。
◇
◇
◇
お読みくださりありがとうございました。




