シーン38リーポVSサンドウォーム。
リーポ視点。
僕の目の前には恐るべきモンスター……サンドウォームが巨大な口を開けて待ち構えている。
『ぐふふ……このワシに戦いを挑もうとするのがなんと小さなガキとはなあ…古代からこの地で生きながらえてきたこのサンドウォーム様の餌にでもなりにきたのか?』
モンスターが話せるなんて……これは僕にとって恐るべき事態だった。
その恐ろしさに全身がガタガタと震え出してくる。
そして僕はその震えをなんとかじっと堪える…すると自然と震えは少しは収まっていく。
『僕の……父さんを知っているか?』
『ああん?何言ってんだお前………。』
そう言ったサンドウォーム。
人の言語で話せるモンスターなんて……僕は目の前のモンスターに脅威を感じる。
その全てを破壊する身体を持ちながら思考も出来るという恐るべき怪物なんだ。
こんな魔物は僕も初めて会ったんだ。
そしてドキドキが止まらない僕。
『僕の父さんは暴れるお前を討伐する為にこの遺跡に入ってきたハズなんだ……そしてここに来る途中……僕は父さんの身につけていたアクセサリーを見つけたんだ……お前が…お前が………。』
『知らない訳ないだろおおおーーーーっ!?』
僕は杖を構え奴に向かい振るう!!
次の瞬間……ガロウは飛びかかっていく。
サンドウォームの首元へと飛びかかっていくガロウ。
『どうだ!!僕のガロウはお前なんて目じゃないんだ。』
サンドウォームにしがみつき噛み付くガロウ。
巨大ながらも激しくうねうねと蠢くサンドウォーム。
恐るべき怪物に必死に噛み付くガロウ。
すると徐々に動きが鈍くなってくるサンドウォーム…やがてその動きは停止していく。
プルプルと震え……そしてサンドウォームはその動きを止める。
ピタリと動かなくなるサンドウォーム。
『どうだ!!僕のガロウは強いんだ。』
僕はそう言ってのける。
するとサンドウォームは微かな声を上げる。
『ううぅぅぅぅ…………………』
『へん!!どうだ!!僕は本当に強いんだぞ!!』
そう言い放った僕。
するとサンドウォームがかすれたような声で何かを呟く……。
『ご………ごめん………なさい………。』
『えっ!?』
僕の耳に聞こえたのはサンドウォームの謝罪の声だったんだ。
『ごめんなさい。』
『お前…………………』
僕は奴のその声に動揺してしまっていたんだ。
『お腹……空いてたんだ……君の父さんも僕の所にきて我慢出来なくて……食べてしまって……本当にごめんなさい。』
『そうか………』
僕の目からは溢れてくる涙。
『父さん………僕強くなったよ………父さん。』
すると。
ダダダッと聞こえてくる足音。
これは彼らの足音だ。
そして聞こえてきた彼らの事。
『リーポ君!!!???』
『リーポ!!???』
見えてきたのはエルフとヒューマンの二人の姿。
その背後からはあの小さいお姉さんとドワーフの姿。
『おーーーい!?リーポ君!?』
小さいお姉さんの僕を呼ぶ声。
『お?おーーーーい!!遅いぞおおみんなあ!?』
僕はそう声を返しながら手を振る。
その時。
お姉さん達の表情が豹変する!!
『リーポ君!!??』
『モンスターが!!?』
『えっ!?こいつはもういいモンスターになって改心したんださっきもごめんなさいって謝ってきたし………』
すると……ひゅるひゅると蠢き出していくサンドウォーム。
そのまま僕の身体を捉えていくサンドウォームの触手。
『なっ!!どうして!?』
『クククッ……どうやら俺様の演技にこうも見事に騙されてくれたようだな……父親といい……その息子といい……人間とはどうやら本当に馬鹿な種族だなあ。』
サンドウォームの言葉は僕の胸に深く突き刺さる。
『お前……父さんを。』
『ああ……そうだ……どうやら数ヶ月前にここへ俺様を倒しに来たのがお前の父親だったのだな……お前の父親も俺様が命乞いというものをしたらまんまと騙されてなあ…………俺が背後から頭から食ってやったよ……アイツは驚いた顔をして食われたなあ……まあ、人間にしては美味かったがな……くひひ。』
僕は怒りでどうにかなりそうだった。
こんなやつに騙されて……僕の大好きだった父さんが。
涙が溢れ視界が見えづらい。
僕は……僕は……………。
その時……聞こえてきたのは小さいお姉さんの声。
『うおおおーーーーーーーーーーーーっ!!』
『お姉さん!?』
『なんだあ!?こっちには人質かいるんだぞ!!???止まれ!!止まれえええー!?』
そう叫ぶサンドウォーム。
『止まるか!!??私は君を……………………。』
小さいお姉さんはその手に大きな斧の刃が装着された槍を振り上げ飛び上がる。
サンドウォームの頭上に飛び上がった小さいお姉さん。
『許さない!!!!!』
ズシャーーーーーーーーーーーーッと振るうお姉さんの武器は。
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