シーン35リーポと村長。
『ふうぅぅぅ。』
『小さいお姉さん……凄い。』
私と目を合わせ…そう呟いたリーポ君。
すると…私の腕輪がピカピカと光り点滅していたんだ。
『あれ?ラムネ?これはなに?』
私の問いかけにラムネはスーッと光となり姿を現し口を開く。
『ああ……それはな…ラブラは同種族の魔神を二体所有した事になったのは分かるかい?』
『うん……ゴブリンを二体って事だよね?』
『そうそう……それでゴブリンがなんと合成をラブラに求めてきたって事さ。』
『なる……ほど……?合成……ね?』
『……ふぅ………ラブラぁ……やれやれ………わかってないね………………………』
私は直ぐに理解するには難しかった。
するとラムネは押し黙りそして…頭を掻きながらため息混じりに口を開く……。
『つまり簡単に言うとラブラの魔神具がパワーアップするって事さ。』
『なるほどぉ………それはすごいっ!!』
『そうそう……まあこの精霊ラムネ様の力があればこうしてラブラは更に強くなれるって事さ。』
『おお……ラムネちゃんは流石だねえ……じゃあ早速やってみようか?』
『よし!!じゃあ…新しいゴブリンの魔神具を………作ろう………』
次の瞬間……。
私の目の前に現れた魔神ゴブリン……コイツは初めのゴブリンとは別の種族……魔法が使えるゴブリンシャーマンだ。
『グギギッ…………………………シャッ。』
ゴブリンがそう声を上げるとその時。
『ぐあああああーーーーーーーーーーーっ。』
斧を構えた初めのゴブリンも登場する。
するとラムネが声を上げる。
『さあああーーっ!!君たち!!その身を融合させ勇者ラブラの力となれ…………『合成』!!』
次の瞬間………二匹のゴブリンは光り輝きだす。
やがて、二体のゴブリンは徐々に重なっていく……そして一つに重なると………。
ドーーーーーーーーーーーーンッと軽い爆発が起こり爆風が辺りに吹き荒れる。
すると…私の頭上から光り輝き降りてくる何か。
私はその何かに目を向ける。
キラキラと光る斧が先端に付いたスタッフだった。
『これは……』
『そう……これは新たなパワーアップした『ゴブリンナイト』の魔神具『ゴブリンウォーグ』さ。』
『おお………ラムネ……これは凄いね!!』
私は新しくしかも強化された魔神具に興奮を隠しきれずにいた。
『よし…じゃあラブラ……また力を新たに頑張るんだよ……僕は力を使ったから……ね……むる………。』
『ありがとうラムネっ!』
私の声にラムネは光となり私に吸収されていく……そして静かに眠りについたんだ。
するとリーポ君が口を開く。
『小さいお姉さん……お姉さんって一体………?』
不思議そうに私を見つめてくるリーポ君。
『リーポ君……私は世界を救う為に頑張ってる『勇者見習い』なんだ……だから君の父親も絶対一緒に助けだそうね?』
リーポ君は笑顔を見せる。
『うんっ!!』
私達はゴブリン達を一掃した。
すると村の奥からフラフラと支えられてこちらに近づいてくる老人がいたんだ。
『お……お主……リーポか!?』
『えっ…………………長老様!?』
リーポ君は驚きの表情を浮かべる。
『ちょう……ろう……さまあああーーーーーーっ!?』
リーポ君は走り出し長老と呼ばれる老人の元へ走っていく。
そして二人は抱きしめ合い……涙を流したんだ。
◇
◇
◇
私達は長老の家へと招き入れられる。
『皆様方……ゴブリン共に襲われどうなってしまうのかと思っていた所……この村をお救いくださり誠にありがとうございました。』
深々と頭を下げる長老。
『いえいえ……ですがあの魔物達はどこから?』
エルフィーナはそう問い返す。
『ええ……実は……このリーポの父親はこの村一の魔物使いであり戦士でした……ワシらはリーポの父親『リーファ』を頼りこの村を守っていただいておりました……しかし……いつしか世界では魔王の噂が飛び交いました……そこからです。』
長老はそういうと悲しげな表情へと変わったんだ。
『そこから……あの古の神殿から魔物が溢れだしてくるようになったのです……』
◇
◇
◇
古の神殿からはゴブリン達が顔を出し悪さをして来るようになりました………それに勘づいた我々は隣町のギルドなどにゴブリン討伐の依頼を出すようになりました……。
だが、一度入った冒険者が帰ることはなく。
繰り返し繰り返し…我々は依頼をしましたがどの冒険者も戻って来ることは無かった…そんな時…リーポの父親が隣街の依頼からしばらく帰ってなかったのですが、帰ってきてくれたのです……そして、すかさず魔物討伐を請け負ってくれたのです……我々はリーポを預かり…そしてリーポの父親は一人神殿へと旅立ったのですが……それから帰る事がなかったのです。
◇
そう告げた長老。
彼は震えながらも全てを話してくれたんだ。
◇
『リーポはそれ以来この村の皆で育ててきました……だけど自分で考える事があったのでしょう……父親を助けに行くと……村を飛び出して行ってしまったのです。』
『村長…僕はもう大丈夫なんだ!!強くなったんだ!!だから…だから。』
リーポ君は激しく村長に訴える。
そして。
『村長……私達もいる…だからリーポ君は大丈夫だよ?リーポ君の父さんを探す為に僕達も力を貸すよ。』
『おお、村を救ってくださり…そして今度はリーポの父親を…よろしくお願いいたします……ありがとう………ありがとう。』
村長は震えながら……。
涙を流したんだ。
◇
◇
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お読みくださりありがとうございました。




