シーン33リーポ君。
少年に襲いかかるハイウルフ。
その時。
『うわあああーーーーーー!!『鎮まれ!!』』
少年の杖から弱々しい光が現れハイウルフへと向かっていく。
だがその光はとても小さく……そして……スーッとハイウルフの身体に吸収されていく光。
次の瞬間。
『ぐあああああああああああーーーーーっ。』
再び襲いかかるハイウルフ。
少年は目を閉じる。
そして。
私に気がついたハイウルフはピタリと行動を止める。
こちらを振り返ったハイウルフ。
そして私の元にスタスタ歩いてくるハイウルフ。
次の瞬間。
キュウウウーーーーーーーーーーーンと伏せるハイウルフ。
『おお……君可愛いねえ………よしよし…。』
私に突然なつき始めるハイウルフ。
少年は立ち上がりこちらに歩きよってくる。
ハイウルフは私に甘えぺろぺろ舐めてくるという可愛らしさ。
『さすがラブラちゃんね……このハイウルフはもしかして……』
私の後ろにいたエルフィーナが少年に問いかける。
『うん……僕は『リーポ』……これでも魔物使いなんだ………。』
『そっか……ならこの君の魔物が突然暴走したのかな?』
『そうなんだ……こんな事は今までもあったけど今日は全くおさえられなくてさ……お姉さん達……迷惑かけてごめんなさい。』
少年は深々と頭を下げる。
『もういいわ…大丈夫よ……ところで君は冒険者なのかな?』
『う……うん……そうだけど。』
『そう……ならお姉さん達と一緒に食事しない?』
エルフィーナが少年を誘う。
ロイズもドワフロスも笑顔で立っていた。
そして私達は再びレストランへと戻ったんだ。
◇
◇
◇
『ングング……おいひい。』
私は再び食事の続きを楽しむ。
少年は私をじっと見ながらゆっくりと口に食べ物を運ぶ。
『おい……しい。』
『うふふ……でしょ?沢山食べていいのよ?』
緊張してるのであろうリーポ君はゆっくりと食べる。
その横でがっつき食べる私。
『小さいお姉さんの方は……凄いね?』
『あはは……ラブラちゃんは大食いだからね?でも君も遠慮しないで沢山食べなさい!あ、ちなみに…君のそのオオカミ君の名前は?』
『あ、ごめんなさい…僕は……魔物使いとして相棒の『ガロウ』と一緒に冒険してました。』
『そうなのね、リーポ君…私はエルフィーナ……そっちのヒューマンは『ロイズ』そして隣りのドワーフが『ドワフロス』よ……』
エルフィーナが私に目を向けてくる。
『そしてあの子が……『勇者』を目指しているラブラちゃんよ。』
ぽーっとこちらに目を向けてくるリーポ君。
でも私は目の前の食べ物は私のものだと言わんばかりに口に詰め込み咀嚼する。
『んぐんぐんぐ。』
『大丈夫だよ……取らないってば』
リーポ君の言葉にエルフィーナが笑いだす。
『あはは、本当ね、ラブラちゃんもリーポ君も遠慮しないで食べなさい。』
こうして食事をしているとリーポ君は口を開く。
『勇者………か……』
『どうかしたのかな?良かったらここで話すといいわ。』
すると少年の手が止まる。
その手が小刻みに震え……そして少年はゆっくりと語り始めたんだ。
◇
◇
◇
僕はここアメリスアードの『ハモンド』という村に住んでいました。
僕の家柄はとても珍しい『魔物使い』という家系でおじいちゃんから始まり、父親も立派な魔物使いでした。
そして僕もまた魔物使いを目指し…父親の元……修行をしていたのです。
そんなある日。
僕に衝撃的な事件が起こりました。
村に街のギルドから父の元に依頼が届いたのです。
その内容は、村からさほど遠くない洞窟から夜な夜な魔物が這い出してきて様々な被害をもたらしているという話でした。
僕は何か嫌な予感を感じたのですが……でも…父親を信じている僕は父親が立つ時も気にしないでいたのです。
そして……それからずっと父親を待ち続けていましたが…帰ってはこず…もちろんギルドにも行ってはみましたし自警団にも捜索の依頼も出しましたが……一向に父親の消息は掴む事ができず……いつしかその捜索は打ち切られ……僕は相棒の『ガロウ』と共にこうして父親を探す旅をはじめたんです。
◇
◇
◇
一通り自分の話を終えたリーポ君。
これは絶対辛い事だっただろう。
私もその言葉に……そして食事を終えた。
『よし!じゃあ君の父さんを探しに行くのを私も手伝うよ。』
『えっ!?いいの?』
『そうね……こうして出会ったのも何かの縁だし私達も協力するわ……いいわよね?二人とも!?』
エルフィーナの言葉に頷くロイズとドワフロス。
『ああ……僕も何も問題ないよ。』
『俺も当然…行かなければな……。』
そして私は立ち上がる。
『よぉし!!そうと決まればいくよリーポ君!!』
『はいっ。』
◇
◇
◇
こうして私達は魔物使いリーポ君の手助けをする事にしたんだ。
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