シーン29ロイズとセオドアの道。
私達はこの街の端にお墓を立てたんだ。
ロイズは静かに手を合わせる。
すると、それに習いドワフロスとエルフィーナも手を合わせる。
これが埋葬とも呼ぶものらしい。
私も皆に合わせ手を合わせる……。
『これは?』
私は問いかけるとエルフィーナが口を開く。
『そっか……ラブラちゃんにとっては埋葬は初めてなんだ?』
『うん。』
私は頷くと彼女は教えてくれる。
『人族には、誰かが亡くなると…死んだ人の魂が天に帰れるようにこうして土の中に埋めてあげてお祈りをするという儀式があるの……これが葬儀というらしいわ。』
『そう……なんだ。』
私はエルフィーナに初めての事を教えてもらい人族の埋葬というものを知り……またロイズのパパとママにお祈りをする。
「ロイズのパパとママ……私はロイズのお友達です……天に行ったらロイズの事を見守ってください。」
私は、そう口にしながら祈っている。
するとドワフロスが口を開く。
「ラブラ……誰でも生命は平等に尊重されるべきものだ……だが……何かでこうしてその生命の終わりを早めてしまう事になる時もあるのだ……それは誰も願わない『死』だ……お前の目標である魔王討伐はその願わない死を減らす為の大いなる偉業となるのだ。」
ドワフロスの言葉。
『うん……私はまだまだ知らない事も知らないといけない事も沢山あるなーって思ったよ。』
『そうか……そう思えたのなら……お前は大丈夫だ。』
私の頭を撫でてくれるドワフロス。
私はふとロイズに目を向けると彼は天にずっと祈っていたんだ。
すると私に気がついたのかロイズが口を開く。
『ラブラ……ありがとう。』
『えっ?私ロイズのパパとママは救えなかったよ?』
『いや………救ってくれたよ…そしてこの僕も。』
空には青空が広がり時折白い雲も流れてくる。
『僕は……三人と知り合えて本当に良かったよ……世界は魔王ゼルドリスの誕生から混沌と暗黒の時代に変わってしまった……皆も色々あったと思う…そして僕もそれにより色々あったんだ………でも……僕は今………こうして立っていれるのは…皆のおかげだ……本当にありがとう。』
三人は笑顔でいる。
そんな三人を見てる私もつられて笑顔になる。
『よし……僕も父と母に挨拶もできた……じゃあメギノス博士の元へ帰ろうか?』
ロイズが立ち上がる。
すると。
そこに現れたのはなんと……セオドアだった。
『セオドア………………………。』
私達は身構える。
するとセオドアは手を上げる。
『そう………なるよね……………今回は本当に君たち皆に迷惑をかけた……そしてロイズ……本当にすまなかった。』
深々と頭を下げるセオドア。
『僕は本当にバカだった……友だったハズのロイズを妬み……そして恨み……しまいには君までをも殺めようとするなんて……。』
『セオドア…………………。』
『ロイズ……この街にはもう……君の帰る目的がなくなったと思うかも知れない……でも僕は……この街で……この街に残された人々を守って行くために………これからはこの生命をかけようと思う。』
するとセオドアは何かを取り出してくる。
そしてその手に出したのは一つの銃だった。
『セオドア…………それは!?』
『ああ……これは君の父『ロッド・ミラー』がずっと持っていた自衛団隊長だった時の銃のようだ。』
『父の?』
『ああ……彼はここに来た時にはほとんど植物人間で何も話す事もなかった……でもある時………僕に荷物の中から何かを取り出してくれと必死にうったえてきた時があったんだ……僕はこんな危険なものは流石にと思い没収しておいたけど……ある時……僕に一通の手紙を渡してきた……手紙を開けるとそこには……たどない手で書かれたロイズへこれを……となんとか書いたであろう文字が。』
『父がこれを僕に……………………。』
ロイズはセオドアから受け取った銃を見つめる。
すると、その銃はキラリと輝きみえた気がしたんだ。
『ロイズ………僕はこれからここを守る……けど君がいつでも頼ってくれたら僕はいつでも君の為に動く事を約束するよ。』
『ああ……分かった……それまでこの僕達の故郷をセオドア……お前に任せるよ。』
『分かった……ロイズ……償いにも足りないけど……僕はいつまたロイズがここへ戻ってきてもいいようにここを守っているよ。』
二人が笑顔で手をとりあう。
私達の目に映ったその光景は。
とても美しく私達には輝いて見えたんだ。
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一方その頃……メギノス博士のいるテキスーサの街では……何者かの集団が迫りつつあった。
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