シーン27ボーンドラゴン斬る。
私はセオドア……そしてボーンドラゴンの前に立つ。
『ほお?勇者…………か………君は『ザイアック』様に生け捕りにしてこいと言われてきたんだっけな……さあ……どうするか。』
「そうはいかないよ………。」
『なにっ!?』
「君はロイズの友達だったんでしょ?」
『ふっ……友達………ああ……確かに小さい頃は何も分からず一緒に遊んだ事もあったっけなあ……だが……僕らは成長した……そして親友として……そしてライバルとして……この僕はロイズをライバルを超えた真の敵と認識した………だから……だから……ここで完全に殺してやるのだーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!?』
セオドアは叫ぶ。
私はそれを見て言葉にする。
「へえ……それは君は本当に残念な人だね?」
『なにっ!?』
「私はロイズと会ったばかりだけどさ………でもロイズは私に沢山の事を教えてくれたんだよ?物知りで色んな事を教えてくれたロイズは本当に凄くていい人なんだよ?」
『…………………………………………』
「そんなロイズにこんな酷い事までするなんて…………私は許せないよ。」
『ふん………何を言うのかと思えばそんな戯れ言を……そうさ……そんな事はこの僕だって知ってるさ……だけどな……そんな優秀すぎる奴だからこそ………そんな良い奴だからこそ………そして今、僕のボーンドラゴンの体内には奴がいるんだぜ?……やれるものなら……やってみな…。』
グググとボーンドラゴンがその巨大な腕を持ち上げていく。
『私は……許せないんだーーーーーーーー!!』
ドーーーーーーーーーーーーンっと私の頭上から振り下ろされるボーンドラゴンの巨腕。
ギラリと光る爪、そしてその巨腕は激しい力となって振り下ろされたんだ。
その瞬間……私の手に握られた岩のような魔神具。
『エイプスロックス…………巨大化。』
ズズズとみるみるうちに巨大化していく大岩。
それを持ち上げているのは私の背後に現れた巨大な大猿。
『たあああああーーーーーーーーーーっ!?』
ドオオオオーーーーーーーーーーーーッと飛んでいく巨大な大岩はボーンドラゴンへと。
次の瞬間。
ドゴーーーーーーーーーーーっとボーンドラゴンの巨体へと激しくぶつかっていく。
『くっ!?なんだと!!???いいのか!?ロイズがボーンドラゴンの体内にいるんだぞーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?』
叫ぶセオドア。
私は冷静に答える。
「それが…………どうしたのさ?」
『なにっ!?貴様……………』
「ロイズが私に言ってくれたのはセオドアを倒してくれと……自分の事を気にせずに戦えって言ってくれたんだ。」
『なんだと?』
「ロイズは常に仲間の私達の事を気にかけてくれる素敵な人なんだ……そして、こうなってしまった今も……私達の事をずっと考えてくれたんだ……そんなロイズに酷い事をする君を私は許さないんだ。」
『ぐぬう……だが……貴様は『勇者』と呼ばれる存在だろう!?いいのか?勇者と呼ばれるお前がこうして犠牲をものともしないとは……許せる事ではないだろう!!!???』
私は背中にさしている聖剣を抜いていく。
「それがどうしたんだい?私は確かにこの世界に呼ばれて生まれた存在だよ?だから……余計な感情はあいにく持ち合わせてないんだよね…。」
『なんだと?勇者だったのならば全世界の民の為に動くべきなのではないのか!?こうして一人の犠牲者をも出さないのがその心理なのではないのか!!???』
叫ぶセオドア……正義とはこうだろうという視点でそう叫んだのだろう。
そして私は聖剣を構えていく。
『なっ!?やめろ!!??勇者ともあろう者が本当に罪なきロイズを殺めていいと思っているのか!?』
『今更何を言っているのさ?こんな状況にしたのは君だろう?』
私は構えながら静かにそう言い放つ。
すると慌てふためくセオドアが焦った様子で口を開く。
『あわわ……も………もう………僕は……僕は!?』
私は聖剣をスーッと頭上に構える。
その時……手からスーッと杖を落としてしまうセオドア。
カランカランっと落としたセオドアの杖が地面を転がる。
ハッと表情を変えるセオドア。
そしてその身体は小刻みに震えている。
するとボーンドラゴンの腹に見えていた吸収されようとしていたロイズが目を見開き叫ぶ。
「今だ!!ラブラッ!!!???」
「うんっ!!」
私は地を蹴りダッと宙に飛び出していく。
キラリと光る手にある聖剣。
私は聖剣に力を込めていく。
『はあああーーーーーーーーーーーーーっ。』
『魔神封印』
ボーンドラゴンを斬り裂いていく私の聖剣。
そして聖剣から光が溢れだし……光はボーンドラゴンを包み込んでいく。
するとボーンドラゴンは………聖なる光と共に聖剣を経て……腕輪の中へと吸収されていったんだ。
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