シーン21ロイズの故郷へ。
私達は博士の計らいでロイズの故郷へと向かう事になった。
その場所はこのアメリスアードの『マイラーミ』という街らしい。
そこまでは馬車での移動となった。
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馬車に乗り揺らされながらの旅が開始される。
行くのは博士を除いた三人と私の四人で行く旅。
するとエルフィーナが口を開く。
『ラブラちゃん……大丈夫?』
『えっ?うん………大丈夫だよ?』
『そう……ロイズの生まれた土地に行く事になったけれどラブラちゃんの手も借りる事になった事よ?………』
すまなそうな表情のエルフィーナ。
そこへロイズが前からこちらへやってくる。
『本当にすまないなラブラ……僕の私情の事なのに着いてきてもらって。』
『ロイズ………ラブラちゃんはそんな事気にしないってば…ね?ラブラちゃん?』
『もちろんだよロイズ!ロイズも私のお友達だもんね!ロイズの為に頑張るよーーー!!』
私達は笑い合う。
すると、ドワフロスが口を開く。
『それでマイーラルミにはロイズの親族はまだ暮らしているのか?』
その質問に……ゆっくりとロイズは語りはじめたんだ。
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ああ……僕の家はあの町で普通の家庭だった。
父と母がいて……兄妹のいない僕は一人っ子で何不自由ない暮らしをさせてもらっていたんだ。
父親はこの街の治安を守る『自衛団』という職業に着いていた。
そんな父は僕の将来は自分と同じ『自衛団』という職業についてほしいと小さな頃から言われていた僕だったけれど……育っていく中、僕はとある一人の魔導学者に強い憧れを持ってしまったんだ。
それが皆の知っての通り『メギノス』博士への憧れだった。
当時彼は世間でも有名な方だった。
魔法の力で様々な魔導具を作り世に発表し……それはこの時代をも少しずつ変えていった。
僕はその事に……いや……当時の僕達にとってはメギノス博士の功績はキラキラしていて憧れを持っていたハズ。
世の中には魔法を使い料理を温める魔導具や逆に魔法で食料を冷やしたり長期保存できる魔導具……そして衣服等をたちどころに綺麗にしてしまう魔導具などを開発、作り出し世に広めていったメギノス博士の力は誰しもが憧れたハズ。
僕もそんな博士に強く憧れていたんだ。
でも僕の父親はそんな僕をきっとよく思っていなかったんだろう……学業を終える頃…僕は父親と大喧嘩をし……家を飛び出したんだ。
◇
僕はその後隣町に住むようになり……そこにあった魔導具研究所のお世話になり魔導研究者としての生活を始めたんだ。
僕は第二の博士になるよう研究にもはげんだんだ。
そしていつしか時は流れたのだが。
研究に明け暮れた僕の毎日。
そんなある日。
この世界に魔族が姿を現し始めた。
もちろんこの事態に国が動き出した。
次々とこの地の各地域を襲いだした魔王軍。
外はもちろんの事……やがて各地域の街、村などにも魔王軍の魔の手が迫る。
僕の街にも魔の手が迫るかとも思っていた時。
ある時………外に出ていた僕は自分の帰っていなかった両親の暮らす街へと向かう空を飛ぶ黒き魔物の群れを目にしたんだ。
僕は嫌な胸騒ぎを覚える。
そして僕は走り……街へと向かう……………が。
街は炎に包まれた。
もう……誰も街へとは入っていけないほどになってしまっていたんだ。
この国………そしてこの街を守る自衛団として戦った父親はきっと………この惨状に。
僕の頭に浮かんだのは母親だった。
父親と喧嘩別れして出たこの街……でも母親はずっと僕を応援してくれていたんだ。
そして僕がこの街を出る事を悟ったのか……最後の夜……母親は僕に大好きだったシチューを作ってくれたんだ。
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『母親は……後で遺体が見つかったんだ……そして奇跡的に父親は母親を守りながらだったけれど…一命はとりとめていたのだけれど……それから話すことの無い……植物人間になってしまい……今は施設に預けているんだ。』
『ロイズ………………そんな事があったんだ。』
悲しみの表情で返すエルフィーナ。
『ああ……エルフィーナの作ってくれたシチューに母親を思い出してしまってね……我ながらさ……今思うとやはり父親の言うように自警団に入って街を守る事に力を注いだ方が良かったかなって時々思ったりするんだけどね。』
そういったロイズの目には涙が光った気がしたんだ…すると前方には大きな街が見えてきた。
だけど…その様子は何かがおかしかったんだ。
『あれは!!???』
『ロイズ!!???あちこちに火が上がっているのが見える!!!』
そして上空には暗雲が立ち込めている。
この状況は!!???
『馭者殿!!??!俺たちが降りたらすぐに立ち去るんだ!!!』
ドワフロスの大声が辺りに響き渡る。
そして私達は……………。
『マイラーミ』という街を目に立ち尽くしていたんだ。
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