表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
122/122

シーン122そして伝説へ。

私は元の世界へと転移……つまり帰ってきていたんだ。

気がついた私はあの子猫を川から拾い上げていた場面だった。


『おーい!!ラブラあーーー!?大丈夫!?』


友人『かすみ』の私を呼ぶ声が聞こえる。


『ああ……猫ちゃん大丈夫みたいだよ!』

『そうじゃなくてラブラ!あんたの事だってば!!』

『こんなの全然平気だよ!ねー!猫ちゃん!?』


私は川に足をつけたまま子猫を持ち上げ目を向ける。

キラキラとした陽射しを隠すように見ると白い子猫もブルブルっと身体を震わせ水をきる。

それが私にはキラキラとうつってみえる。

私は子猫ちゃんを抱きしめながら川から上がっていく。


『本当に心配しちゃうんだからさ!もうやめてよね?』


その言葉にエルフィーナを彼女に重ねてしまう。

私の大親友『霞』は黒髪ロング。

美しい顔立ちはよく見るとエルフィーナに似ているのかもしれない。


『あーあ…あんたもずぶ濡れだし今日はもう…このまま家に帰るしかないね?』

『そうだね………このまま帰ろう!!お腹も空いたしね!』

『あんたは本当食欲が勝ってるよね?まあそれでこそのラブラなんだけど。』

『あはは、そうそう、だってお腹はすくもん!』


私達がそんな事を話しながら帰宅しているとそこへ現れたのは学校の科学部に所属している同級生の『颯大そうた』君とスポーツ万能だけど剣道部に所属していて結構強いと言われている『りく』君の姿だった。

対象的な二人だけど仲は良いらしくいつも一緒にいるのをよく見かけるのだった。

すると二人が私達に気がつく。


『あれ!?ラブラと『霞』!?』

『ん!?しかもどうしてラブラはあんなに全身びしょ濡れなんだ!?』


そんな事を話しながら近づいてきたんだ。


『ああ、二人とも……これから帰るの?』


私が何気なくそういうと『霞』は、愚痴り始める。


『ちょっと聞いてよ!ラブラがまたさ、子猫を助ける為だけど人の話も聞かないうちに川に飛び込むんだもん!心配しちゃうよ!』

『あはは……仕方ないじゃない?あのままだったら流されてこの子危なかったじゃん?』

『まあそうだけどあんたに何かあっても私が嫌なの!?』


本気で心配してくれる『霞』。

確かにこの子は本当にありがたい親友なのです。

すると『陸』君が口を開く。


『なあラブラ!?今度そんな時があったら、ラブラが声をかけてくれたら俺は必ず力になるからな!?だからいつでも頼るんだぞ?』


そう言ってくれた『陸』君。

なんかドワフロスみたいだった。

そして『颯大』君もまた。


『そうそう!僕の知識だって役に立つ事もあるかもしれないしさ、いつでも頼ってくれよ。』


そう言ってくれた彼は兄のようで、まるでロイズのようだった。

私はこの時。

妙に嬉しく、そして心が温かくなったんだ。


(どの世界でも同じように皆と心を通わせる事が出来たなら……きっと幸せなんだね。)


私は思わず微笑んでしまう。

私はこうして元の世界へと帰り元の生活を送ったんだ。

私は持ち前の正義感が消える事はなかったんだけれど。

高校を終え……大学……………そして就職をした私。

私はいつしか一人の男性と出会い…………そして結婚したの。

そして一人の子供を授かったの。

子供にはいつでも人には優しく接しなさいと教え……そして自分の信じた道を進みなさいと語った。

私の子供という事で我が子は成長していく程正義感も強くなっていった気がするのはさすが我が子。

その行動にハラハラもしたけれど自分のお母さんが私を心配していた事を思うと何かしら複雑な気持ちになったのは私の中だけにとどめていた。

そして私は色々あったけれど…………。

私の子供は立派というよりも元気に成長してくれた。

その事だけで私はいい人生だったと思う。

人の寿命は必ずやってくる。

そんな私は大好きな人達に囲まれ幸せな人生を閉じようとしていた。

そして思い出すのはこの世界の事………そんな時……走馬灯のように記憶に蘇ってくる異世界での冒険。

向こうの世界の皆は………元気かなあ!?

異世界の皆の笑顔が私の中で蘇ってくる。

そして生涯を閉じようとしている私に声をかけてくる家族と友人達。

私にかけられた心電図の音がとくんとくんとなっているのが徐々に弱まっていく。

私の名前を呼びそして泣き出す家族。


(皆…………大好きだよ……………そして……ありがとう……………バイバイ。)


そして私はその人生を終えたのだった。

フッと気がついた私。


『あれ!?ここは………………………天国?いや、地獄!?』


私が辺りを見回すとそこは病室だった。

でもなにかの違和感を感じた私は意識を研ぎ澄ましていく。

すると優しそうな母親に抱かれていた赤ちゃんが。

この子は……。

私は悟ってしまう……私が転生したのがこの子なハズなのに……不思議な事に、この子にはこの子の魂があったんだ。

私のこの意識を残したままここにいてはいけない気がしたんだ。

そうか……

私は…それなら…このまま天界にでも案内してもらえないかな……と思っていたんだ。

すると誰かの声が聞こえた気がした。


『勇者様……どうか……再び我々の世界を。』

『えっ!?ええーーーーーーーーーーっ!?』


私は再び意識を失う。

そして、気がついた私は辺りを見回す。

すると感じたのは懐かしき風景。

でも私の身体は肉体は存在せず。

私は思わず叫んでしまう。


『ここは………異世界なのーーーーーーっ!?』

こうして私はあの戦いから先の未来へ……魂だけ転移したのでした。

そしてクロノへと……物語は繋がっていったのでした。

数ヶ月のお話でしたがお読みくださりありがとうございました。

こうして勇者ラブラはクロノが召喚された世界へと魂だけが転移したのでした。

そして『ライブ配信!!異世界転移!?』へとお話は続くのです。

お付き合いいただき本当にありがとうございました。

次なるお話は視点を変え執筆しますので是非、よろしくお願いいたします。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ