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シーン120平和な世界?

私は魔王ゼルドリスを封じたんだ。

そして残されたのは魔王を封じた一本の大鎌。


『やった………本当に………やってくれたんだ。』

『信じられない……いや、信じたいけど……なんか実感が。』


ロイズの声にエルフィーナが返す。

すると声をかけたのはドワフロスだった。


『二人とも……俺もまだ実感がわかないが……本当に勇者ラブラは、やってくれたようだ。』


そして私の元へと走ってくるエルフィーナ。


『ラブラちゃんっ!?』


私に、ぎゅうーーーーーっと抱きついてくるエルフィーナ。


『ラブラちゃんっ!ラブラちゃんっ!?』

『エルフィーナ………うん……私なんとかやれたよ……私こそ、ここまで力を貸してくれてありがとう。』


すると目に涙を浮かべるエルフィーナ。


『ううん!貴女は本当にこの世界の私達……皆にとって輝く勇者様よ。』


その瞬間。


『『うおおおおおーーーーーーーーーーっ!?勇者ラブラ様ーーーーーーーーーーっ!?』』


周囲にいた皆が歓声を上げる。

そしてロイズが口を開く。


『本当に………よくやってくれたね……僕も同じヒューマンとして……誇らしいよ。』


涙を堪えそう言ってくれたのはロイズだった。


『ううん!ロイズだって凄かったよ!』

『いやいや、兄弟子として僕も本当に嬉しいよ……きっとメギノス博士だって今頃…………。』

『そうだねロイズ………きっとおじいちゃんも。』


私は空に目を向ける。


(おじいちゃん………私やったよ。)


すると私の肩に手を添えてきたのはドワフロスだった。


『ラブラ………よくやってくれたな………』


ドワフロスは笑みを浮かべる。

今のドワフロスはきっと心から喜んでくれている。

その笑顔はこれまでにない程のものだったんだ。

この三人は私をこの世界に呼んでくれてそしてここまで私を守り育ててくれたんだ。

今では三人は私にとって本当に大切な家族のようになっていたんだ。

すると、私の握りしめていた刀からスーッと光が溢れ出してくる。

そしてそこに現れたのは透明化してはいるけどあの竜人雷武ちゃんの姿だったんだ。

そして私の目の前にその存在を現すと彼は口を開く。


『勇者ラブラよ…………よくぞ我が宿敵魔王ゼルドリスを共に倒してくれた………心から礼をいうぞ………………本当にありがとう。』

『うん……でもそれは私だけじゃないよ……この世界の私と出会ってくれた皆が私に沢山力を貸してくれてきたんだよ……私は皆がいなかったら魔王なんて倒せなかったんだ………だから魔王ゼルドリスを倒したのは皆なんだよ。』


私は微笑みそう告げる。

フッと笑みを浮かべる雷武ちゃん。


『さあ……世界の者共よ!!今こうして魔王ゼルドリスは消え去った……この喜びを共に分かち合おうではないか!!!???』


『『うおおおおおーーーーーーーーっ!?』』


雷武ちゃんの一声できっと世界中の人々がこの喜びに湧く事だろう。


しばらくの間………………。


この歓声は世界中各地で沸き起こったであろう。

ここはケニージア城。

私の目の前には超豪華な数々の食べ物が並んでいる。


『うわあああーーーーーーーーーーっ!!すっごーーーーーーーーーーーーーーーい!!!』


こんなご馳走を準備してくれるなんて本当に国王様なのである。


『いただきまーーーーーーーーーす!!??』


私達は世界を救ってくれた勇者様という事で凄い優遇されていたんだ。

むしゃむしゃと目の前の超豪華な料理を食べていく私。


『ングングング………………んまいんまい。』


私はその食べ物に舌鼓を打つ。

皆がその光景に唖然としながらも微笑み見ている。


『本当に凄いですわね勇者様。』


そう言いながらも喜んでいるアディア様。


『でも遠慮する事なく沢山食べてくださいね!!まだまだ後用意しますから。』

『うんうん!』


そういいながらも食べる私。

するとドワフロスが一言呟く。


『本当にいつ見てもお前の食欲は凄いな…だがこれを見れるのも………僅か……か。』


ドワフロスのその一言に皆が……………そして私も固まってしまう。

するとその言葉に気づかいアディア様が口を開く。


『ほらほら!勇者様もっとおかわりどうですか!?』

『そうそう!ラブラ!!今のうちに沢山食べるんだぞ!?』


続けて言った何気ないロイズの一言に再び場の空気が変わる。

悲しげな表情を浮かべる皆。

中でもエルフィーナの目には涙が。

私は口を開く。


『あの……女王様!こんなに凄いご馳走本当にありがとうございます!でも、私……これを食べきったら……最後は……エルフィーナの『シチュー』をお腹いっぱい食べたいです。』


そう告げた私。

エルフィーナは私を見て大粒の涙を流す。


『うん!うんっ!!』


そう言って私を抱きしめてくれるエルフィーナ。


『じゃあ、女王様!厨房お借りしますね!』


そう言って立ち去っていったエルフィーナ。

もうすぐ私は……自分の世界に帰るのかな。

お読みくださりありがとうございました。



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