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シーン12リスタート。

アメリスアードに着いた私達は、とある研究所に立ち寄る。

そこで登場したのは色ボケのおじいちゃん。

でも、この人はロイズ曰く博士といった。

エルフィーナに纏わりつく博士。

このおじいちゃんが博士?

するとエルフィーナに剥がされながらマジ顔の『メギノス』博士は口を開く。


「勇者ラブラ…ワシが解読した古の石版に記載されていた魔法…『勇者召喚』によって無事、召喚する事ができたとはな…………。」


ロイズは口を開く。


「そうなんです………ですが…やはり…まだまだ未知数の事……それまで我々は打倒魔王ゼルドリスの為……この勇者の成長を守る事としました。」

「ふむ……………」


そういったメギノス博士はエルフィーナから離れ私に近づいてくる。

次の瞬間…私の全身を隅々まで眺めるメギノス。

ところが、エルフィーナの時とは違い、変な目で見ている訳ではなかった。

すると踵を返す博士。


『ついてまいれ………………………』


そういい…博士は部屋の奥へと入っていく……私達は顔を見合わせメギノス博士の後に続く……狭い建物の最奥に着くと、彼は部屋の灯りを灯す。

するとそこには…地下に降りていく為の階段が見えたんだ。


『いくぞ……奥じゃ。』


そして照らされた階段を降りていく博士。

私達は博士の後についていくと暗い地下道に出る。

地下道を黙々と歩いていく…すると大きな扉が見えたんだ。

足を止めた博士が扉に手を近づけると……なんと扉がぱあーーーっと赤く光り出す。

更に光に手を添える博士。

その瞬間。

赤い光は青い光に変色する……そして。

ゴゴゴと開いていく扉。

なんと私達の目の前には……魔法に関するなにか……があちらこちらに見える部屋がその全貌を現したんだ。


「さあ……入るが良い……ここがワシが長年研究してきておる魔導研究室じゃ。」


メギノス博士に誘われ部屋へと立ち入っていく私達。

博士はテーブル脇の椅子に座ると口を開く。


『その辺の椅子に座るがいい。』

『はい。』


私達が腰を下ろすとメギノスは話し始める。


『お前達……この世界の事は理解しておるな?』


私以外の三人が頷く。


『ふむ……勇者にはまずはこの世界を教えよう……………』


そう語った博士は私にも分かりやすくこの世界の事…そして歴史を話してくれた。

最後に、この三人が博士の古の石版に記されていたという古の魔法を使い私をこの世界に降臨させた……という話だった。

「そうだったんだ……私は目覚める前の記憶がないんだ」


私は暗い表情を浮かべてしまう。


「ああ……勇者降臨には激しい魔力を伴う…それにはまず、この世界の選ばれし特別な精霊、そして母体となる勇者に見合うヒューマンが必要となると記されていた……我々ヒューマン族は精霊族と共にそれを長年研究し続けてきた……だがこの世界にはどうしても勇者に見合うヒューマン族が現れなかったのだ。そこで我々が目をつけたのが異世界からのヒューマンの召喚だったのだ………召喚といっても異世界からの召喚となる……そして勇者として見合う者は誰でもいい訳では無いのだ……。

すると勇者の母体となるヒューマンである君をなんと異世界から選ばれし精霊が探し出してくれたのだ……。

まず我々に課せられたのは君を異世界から召喚する魔法を成功させる事……。

……我々は精霊族と共に『異世界召喚の儀』…これを行った……。

そして成功させるとそこへ現れた選ばれし精霊は君の中へと消えていく。

すると。

君は勇者として目覚めたということじゃ。


博士は更に続ける。


「………勇者よ……自分の世界から勝手な召喚を許して欲しい……まだ目覚めて間もない君にとって…我々の世界を救って欲しいなどという……この願いは重く……君に無理難題を押し付けているのは分かっておる……」


いつしか『メギノス』博士の目には涙が溢れていた。

この涙の意味するという事は、きっと何か深い悲しみがあるのだろう。

そして気がつくと仲間の三人も同じく……その目には涙が。


「我々…この世界の者達はあなたがこの世界をお救い願いたいのです……そして貴女の元の世界への帰還に関して必ずどんな事があっても成し遂げます……それはお約束いたします。」


そう語った博士に私は問う。


『私が居なくなった世界の私はどうなってるの?』

「それはご安心ください……あなたがここにいる『時』は召喚魔法による『時凍結トキノテイシ』にて止まっておられます……どうか……どうかワシらにあなた様のお慈悲を…そしてこの世界を救う事に力をお借りしたいのです。」


そういい深く頭を下げる博士。

そして三人。

私は、ふと…この研究所には似つかない…飾られている一枚の写真に目が止まる。

そこには微笑む二人の写真。

一人は博士なのだろう………老人と若く微笑む一人の少女の姿が。

もしかしたら……博士の孫娘さん…なのかもしれない。

きっと……魔王ゼルドリスの暴挙がこの世界の人々の笑顔を消し去り……そして魔王討伐への希望という勇者……私の力に期待しているのだろう。

私は。


『皆………私……頑張るよ…………だから私が強くなる為に協力お願いします。』


私はそう告げた。


『ああ…………こちらこそよろしく頼む。』


私は頷いた。

私は博士の手により……その力…そう……私の全てを博士に預ける事によって……。

私を知る事によって私はここから。

能力は更に開花………していったんだ。

お読みくださり本当にありがとうございました。



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