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シーン118ラブラに託されし力。

私の魔神具となると言ってくれた雷武ちゃん。

そして私の聖剣に吸い込まれていく雷武ちゃん。


『あれ?なにもないかな。』


私はそう感じてしまった。

すると次の瞬間。

ゴーーーーーーーーーーーーーーーッと身体の内部から溢れ出すように私の身体が燃え上がる。

私は燃えてしまうのか?

否…………私の皮膚は鱗の様な鎧に身を守られ炎も通さない鎧を身に纏っていたんだ。

そして私は手に一刀の刀を握っていたんだ。


『これは………』

『これはお前の聖剣に力を与えた事により、聖剣はこの刀へと変化した…この俺様をこの刀に封じたお前の為の刀だ……この俺の力は勇者ラブラ………お前の力となったのだ……俺様が受けてしまったダメージを残した、あの身体では戦えないと思い俺様はこの刀に封じてもらったのだ……俺はそれにより魔神となったのだ……そして我が力をお前に託す……共にあの魔王ゼルドリスを倒すのだ。』


そう語った雷武ちゃん……そしてこの強力な力を扱う為に私は本来の竜族の身体が発現したのだろう……私の身体にも強力な鎧を身にまとっていたんだ。


『雷武ちゃん………君の強い思いは分かったよ……そして君が私の力になってくれたおかげで聞いていた話の私の前世を実感したよ……どうりでこんなに激しい力を得ても私の身体が燃えなかったんだと思う。』

『ああ……その通りだ……もしラブラ……今、お前が我が力を受け入れる器になっていなければお前の身体は我が力に燃やし尽くされていた事だろう…………』

『そうだったんだ!?』

『ああ…だが今のお前は、初めて出会った塔の時とは全く比べ物にならぬほど……強くなった……さあ……あの魔王ゼルドリスを共に。』


そう語った雷武ちゃん。

その時………私の中に前世である竜天の声が届く。


『兄である雷武と共に…戦ってくれる事……感謝する………貴女がこの戦いを終えたら…責任を持って返します。』

『えっ!?貴方は!?』

『ああ、俺は竜天…………るいの父親であり…竜王雷武の義弟………時を司る龍神………君の前世だった男だ………雷武も君の力となった……………そしてこの俺は………。』


すると竜天はスーッと消えていく。

そしてその代わりに現れたのは……。

私の目の前には姿を変えた竜天が存在していた。

それは私に馴染みがあった姿があったんだ。


『えっ!?えっ!?ええーーーーーーっ!?』


そう、その身体は。

ずっと私といてくれ支えてくれてきた姿。


『ラムネ!!!???』


そう、こうして私の前に現れたのはあの精霊ラムネだったんだ。

ラムネはゆっくりと目を開けていき…そして口を開く。


『ふぅ…………ラブラ……本当に強くなったね…そう……僕の正体は君の前世の『竜天ルテン』だったんだ……魔王ゼルドリスに倒された僕は様々な人々に僕の意思を伝え手伝って貰う事にしたんだ。』

『ラムネ、そうだったんだ。』

『ずっと黙っていたけど……僕達竜人一族の悲願もあのゼルドリスにはある…それを君に押し付ける事になった事は本当にすまなかった……だけど僕は愛する妻であり雷武の妹であるルキ……彼女を救う事が出来なかった……この思いから君の力になる為に精霊ラムネとなって君を異世界から呼び……そして力となっていたんだ……僕の思いも君に。』


『ラムネ…………………………………………』


私の中で全てが繋がった瞬間だった。

私がここにきたのは全てそこから始まったんだ。

するとラムネは私の中にスーッと入ってくる。

私をラムネの変化してくれた鎧が身体を守ってくれる。

そして雷武ちゃんが刀となり私の攻撃の要となってくれる。

私の内部から力が湧き上がる。

これなら…………きっと。

すると魔王ゼルドリスは大鎌を握りしめる。

さあ……一騎打ちだ。

私は雷武ちゃんである刀を構える。

轟々という炎が刀より発生するそれはまるで私達竜族の思いを込めたように激しい炎になっていた。


『うおおおおおーーーーーーーーーーっ!?』


大鎌を構え振り回しながら私の元まで走りよってくる魔王ゼルドリス。

これがきっと最後の戦いになるんだと……私はそう思った。

そして私も雷武ちゃんが魔神へと変化し私の魔神具へと進化してくれた刀を握りしめ駆け出す。


『はあああーーーーーーーーーーーーっ!?』


ガキーーーーーーーーーーーーーンっという私達の武具の衝突音がコダマする。

そして連撃を放ってくる魔王ゼルドリス。

私もその重い一発一発を受け流していく。

その衝撃は周囲へと飛び火していき周囲の建物……そして植物までをも消滅させていく。


『くくっ!?そうして防戦一方では貴様はやはりこの魔王の力には遠く及ばんのだ…………』


そう言い放つ魔王ゼルドリス。


『確かにこのまま受けるだけでは……………』


私が一歩一歩押され始めていく。


『くくっ……さあどうだ……このままお前を消し去ってくれようぞ。』


その時、私の身体がクラッとよろめく。


『しまっ………………!……!…』

『馬鹿め!!しねーーーーーーーーーっ!?』

お読みくださりありがとうございました。

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