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シーン110獣人王ベノム。

ガキイイイイイーーーーーーーーーーンっと私の刃は敵の剣を捉える。


『ロイズ!?』


私は彼の名を叫ぶ。


『ラ………………ブ………ラ……………………。』

『うおおおーーーーーーーーーーっ!!』


私は連撃を繰り出し敵の隙を与えない。


『くっ!?この女…………黙っておれば…………』


『ベノム』が手を翳すと巨大な無数に分かれた剣先がついた私に向かってくる。


『クククッ………我に与えられし武具の真髄を見るが良い………『蛇王スネークキング』!!!』


そして、ベノムは人工魔神具であろう武具を振り上げる。


『クククッ……我に与えられた武具『蛇王』により毒牙をうけるがいい!!???』

『ラブ………ラ…………それをうけちゃ………ダメだ………………。』

『えっ!?ロイズ!?分かった……ラブラちゃんにいうから今は大人しく解毒の魔法をうけていて。』


そう……ロイズの元へ駆け寄っていったエルフィーナとドワフロスは彼の治癒をしていてくれていたんだ。


『よし!それは俺が!!』


ドワフロスはそう反応し告げる。


『うおおおおーーーーーーーーーーーっ!?』


ドワフロスは私の元へと駆け寄ってくる。

するとそこへ湧いてくるかのように兵士たちがドワフロスに迫ってくる。


『くっ!?邪魔をするなーーーーーーーーっ!?ラブラっ!?』


ドワフロスの叫び。

その時。

私の聖剣が光る。

そして脳裏に語られるその声の主はアースドラゴンだった。


(さあ………我を解放せよ…そして我が力を。)

(えっ!?アースドラゴンちゃん……力をかしてくれるの?)

(ああ…………それに……きっと我の力に引き寄せられ……君に力を貸す者もきっとこれから集まるであろう。)

(えっ!?それって!?)

(まずは……この我を……使いこなして見るが良い。)


そう語ったアースドラゴン。

すると…………これまでの魔物達の時とは利用される私の力は大きなものだったんだ。


『ううっ……今までの魔物ちゃん達より………エネルギーが。』

(それは当然だな………が、しかし!それでも受け入れるのだ!!我が力きっと必要だ!!あの者を救え!!!)


私の脳裏にさらに語ってくるアースドラゴンちゃん。

エルフィーナに呼ばれながらロイズの解毒に追われる。

そして私の目には苦しげな表情のロイズが!!!


(ロイズ…………私をずっと見守ってきてくれたお兄ちゃんのような存在の一人………必ず……)


『死なせないっ!?』


私は目を閉じ聖剣を構え直す。

そして敵である獣人王『ベノム』の気配を感じる。


『クククッ……無駄だ………我がキングコブラの毒を甘く見るな………あの象をも数分あれば殺せる猛毒なのだぞ………そうら……みてみろ?神経毒の影響であいつの身体に反応がでてきたようだぞ?』


するとビクンビクンっとロイズの身体に異変が起き始める。


『ロイズ!?』

『くっ!?解毒が遅かったか!?』


エルフィーナとドワフロスの声。

そしてやつは呟いた。


『もう遅いか……あの身体の反応は無意識に身体に起こる毒の反応だ……それはやつの血中全身にまわる毒への反応だ……毒はやがて全身にまわり細胞を破壊……それにより奴の内蔵は死に絶えそして全身の全てが破壊される…………さあ………奴はもう数分も経たずに死ぬぞ………これでこの俺様を敵にした事を悔やむがいい……俺はお前達を皆殺しにしてそしてこの魔王軍のトップに君臨してやる…………まあここから逃げ出せたとしてもお前らに逃げおうせる事など考えるなよ……俺は蛇だからな………しつこいのでな。』


そう言い放ったベノム。

私は………………………。

カチンっとなにかのスイッチが入った感覚。


『もう………やめなよ…………。』


私の声にベノムは、ニヤリと笑みを浮かべる。


『なんだと?もう一度言ってみろ……我が武具でそこのエルフもドワーフも皆我が力でぶっころしたやる!?』


立ち尽くしていた私は『ベノム』の元へ歩き出す。


『くっ!?なんだお前……そうか……俺に許しを乞いたいのだな?さあ、ここまでくるがいい……そして我が前に跪き…………そして懇願するがいい………もう『ベノム』様には逆らいません……私を従順な下僕として遣わせてくださいとな。』


そう言い放ちジャらっとその武具を構えていた『ベノム』。

私は歩みを止めなかった。

許せない………こいつは皆を………ロイズの生命まで馬鹿にしようとしている。

そんなあいつを私は………許せない。


『クククッ…さあ……では、そこで止まり聖剣を投げ捨てよ。』


私は立ち止まり、ベノムに目を向ける。


『ほお?よく見ると中々将来有望そうな美しい顔をしてるではないか……よし……勇者よ……お前はこれから我が下僕……そして我が妻として迎えてやろうじゃないか………さあ。』

『………………私は………君を……許せない……消えなよ………』

『はあ!?ふざけるなーーーーーーーーーっ!?』


私の聖剣をはふわりとこの手に戻ってくる………そして私は構える。


『毒……なんて認めない………ホーリー………アースドラゴン……。』

『土竜……逆鱗…………『ロックウォール』』


ぱーーーーーーーっと広がる青白い聖なる光。

そして光に包まれたベノムは狂気の表情を残し……アースドラゴンに食われ飲み込まれ………叫ぶことも無く消え去っていったのだ。

お読みくださりありがとうございました。




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