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シーン105地の精霊ノーム。

『アースドラゴンがこの地で暴走していたとは。』


そう驚き語ったドワフロス。

彼に語ったのはロイズだった。


『あれは確かに混乱していた様な暴走だったよドワフロス。』

『ああ……そうであろうな……本来……この地の護りとも呼ばれるあのアースドラゴンの暴走とは……有り得ない事なのだ。』

『では……やはり魔王の力が徐々に強く濃くなってきているという証であるということか。』

『有り得るな…それがこの地に迫る魔王の脅威なのであろうな……エルフの神樹が襲われたという事実からすればよりこのドワーフ王国にもその影響があってもなんらおかしくはないのだ。』


そう言い切ってしまうドワフロス。

するとそこへ街の奥の方からこちらに向かってくる何者かの声が聞こえてくる。


『ドワフロス様ーーーーーーーーーーっ!?』


その声はかんだかく、この街中に聞こえるかの様な大きな声。

声の主はこちらへ向かい近づいて来るのだった。


『おっ!?あれは!?』

『ん!?あれはまさか!?』

『ああ……きっとお前の予想は正解だ………』


ピョーーーーーーーーーーーンッと飛び跳ねドワフロスに抱きついてきたそれは。


『地の精霊……………『ノーム』かな!?』

『うおっ!?ノームではないか?』

『んんーーーーーーーーーーっ!?ドワフロスおじちゃんーーーーーっ!?』

『ドワフロス……………………』

『おじちゃん!?』


私達はあまりの衝撃的な映像を見てしまい戸惑ってしまう。

すると……ノームを引き剥がしながらドワフロスは口を開く。


『オホンっ………ノーム……お前達は無事だったんだな!?』


するとその声に応えるかのように数匹のノームは一斉に答える。


『うん!!僕たちはあのアースドラゴンに守られていたんだあ!』


すると楽しげに、そう語ったノームの表情が変わる。


『そうそう!でも……そのおかげでアースドラゴンは暴走しちゃったけど…でもあのアースドラゴンを消しちゃったあの子は……………?』


私に目を向けてくるノーム。

ノームがじっと私をみていると。

上空から声が聞こえる。


『ノーム!!』


そう言いながら上空から降りてきたのはドライアードちゃんだった。

ノームは上空を眩しそうに見つめる。


『あっ!あっ!?ドライアード!?』


二人は精霊だし知り合いなのだろう……嬉しそうに喜ぶノーム。

自然木と土、二人の能力は互いに大切なもの。

やはり仲も良くなると言うもの。

すると、そこへ声をかけたのはドワフロスだった。


『時にノームよ………我が国民の姿が見当たらないのだが……なにか知っているのではないか!?』


ドワフロスの声にその動きを止めるノーム。

そしてノームは語り始めるのであった。

ノームの語り(読みやすく解釈)


『魔王軍……いつの間にかアイツらが微精霊達の声でここに迫っていたのは聞こえてきていた……そんな中……ここに現れたのは地中からの大量の魔物だった……アースドラゴンを筆頭に地中の魔物が沢山湧いて出てきた……突然のその奇襲……それに対応するこの国の兵士達………それは王の知るように簡単に魔物達を受け入れる事はなかった………この国は世界でも名だたる戦力は持っていたのだ……………兵士達は次々と地底から湧いてくる魔物達を倒していく……それはこの国の勝利を確信できるような戦いだったんだ………そこへ……突然根を張り、にょきにょきと現れたのはなんとエビルツリーだった。』


悲しげなノームは続ける。


『エビルツリーは全ての養分を吸い尽くす……………それは噂に聞き知っていた……地中の養分……ここにすむ生物達……数々の植物もエビルツリーの養分となり枯れ果てていく…………危機感を覚えた僕たちはその為に地を枯らさないように皆で頑張ったんだ………でも……エビルツリーは力を吸い尽くしていく……やがて兵士達に異変がおき始めてくる…………倒れていく兵士達……そして根を張り増やしていくエビルツリー……そしてやがて神樹へと絡みつつあったエビルツリー……そうなってしまえばエルフ達までも被害が及んでしまう……そうなればドワーフとして王への面目が立たない……そう考えたドワーフ兵士達…………進行を防ぐ為に尽力しエビルツリーと戦うドワーフ兵士達………そしてそれはここからエルフの神樹への進行の要のここに防壁を張るために皆々が……………………………。』


そこまで語ったノーム。

何かを感じたドワフロスは走り出す。

後を追う私達。

そしてドワフロスが立ち止まった先に見えたのは……土の魔法を使い防壁を張りどこまでも高く広く張り巡らされたドワーフの防壁とそこに立ち尽くし魔力を放ち続け気絶しているドワーフ兵が立ち尽くしていたんだ。


『お前…………達。』


呆然とするドワフロスの背中に私達は声をかけられずにいたんだ。

お読みくださりありがとうございました。



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