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シーン102神樹と地下世界。

『凄い……………………………』


私は、そう思わず口にする。

エルフィーナの真の力を目の辺りにした私達。

すると事を成したエルフィーナはするすると根を戻していき……そしてそれはまるでなかったかのような状態にまで巻き戻り彼女は微笑む。


『さあ……ひとまずこの場は収まりました……皆様ありがとうございます…………そしてラブラちゃん…私達エルフの神樹へ改めましてようこそ。


美しい笑顔でそう語ったエルフィーナ。


『うんっ!!ありがとうエルフィーナ。』


こうして私達はエルフの神樹内へと招かれたのだった。

『んーーーーー?んまーーーーーーーい!!』


私の声がこの会食場に響き渡る。

エルフ料理が所狭しと並ぶ中………私は初めての本格的なエルフ料理に舌つづみを打つ。


『なにこれえ?エルフィーナあ!!』

『それはねラブラちゃん……………』


エルフィーナはニコニコしながら私の問いかけにこたえてくれる。

すると、どんどん運ばれてくるエルフ料理。


『うほおおおーーーーーーーーーーっ!?美味しい美味しい!!』


私は叫び喜んでいたんだ。


『うふふ……どお!?これがエルフ料理の真骨頂よ………』


そう語ったエルフィーナ。

それは本当に色とりどりの普段では味わえないような豪華な料理もならんでいた。


『美味しいよおエルフィーナ!でもさ。』

『えっ!?』

『私が一番大好きなのは……やっぱりエルフィーナのシチューかな?』

『ラブラちゃん……もう大好き!』


私を抱きしめてくれるエルフィーナ。

でもその笑顔はこれまで以上の素敵な笑顔だった。


『あの…………………………………』


するとじゃれ合う私達に声をかけられる。

そこにはエルフィーナの配下であるシャルロットさんとフェリシモちゃんだったんだ。


『エルフィーナ様……………女王ともあろうお方がその様な行動は慎みくださいませ。』

『そうですよ………確かにお相手は世界の勇者様………そのお気持ちは分かりますが皆の前でのその行動はわたくしもいかがなものかと思うのです。』


シャルロットさんに続けるようにそう語ったフェリシモさん。

そしてモグモグと料理を貪り食べる私。

私達は目と目を合わせながらも私は食べる事をやめはしない。


『シャルロット?フェリシモ?』


するとエルフィーナが不安に感じたのだろう……二人を止めるかのように動こうとしたその時。

二人の表情が緩みニコニコと微笑む。


『勇者様!?さあまだまだありますので遠慮なく召し上がってください。』

『そうです!!エルフィーナ様だけが勇者様とご交遊されるのであれば私達もその恩恵をいただきましょう。』

『本当ですよエルフィーナ様!!エルフィーナ様ばかりズルいのです!!』


そう言い放った二人は私をそこまでするか!?というほどもてなしてくれたのです。

そして私はエルフ料理を十分過ぎるほど堪能したんだ。

『ふうぅぅぅ、食べた食べた。』


私が満足気にそう漏らす。

するとエルフィーナに神妙な面持ちで語りかける二人。


『エルフィーナ様……この度の私達の失態……誠に申し訳ございません。』

『実はしばらく前の事……もちろんエルフィーナ様の不在中にこの地に一人の男が姿を現したのです………』


そうしてシャルロットがこれまでの経緯を話し始めたのでした。

『武器商人と名乗ったその男……そやつはドワーフ王国に用事があるという事でした……だけれどその者からは邪悪を感じた私達……なんとかはぐらかそうとは思いましたが……ドワギウス様へと連絡をとった所……何かあっても成敗する故この地に危機があるといけないからこちらへ紹介してくれとの話でした…』


その言葉を聞き無言で考え始めるドワフロス。

シャルロットは続ける。


『そこで警戒していた私達は念をと思い警戒しつつも男をドワーフ王国への道を教えたのですが……そこから先は分かっておりません…そのうちに突然魔族が攻めてきたという次第なのです。』


するとドワフロスが口を開く。


『その男………ならば我が国にも何かが起きてもおかしくはないな。』


大剣を背に背負い直すドワフロス。


『我が地下帝国は屈強な戦士の集う場所……だがあの魔王の力がもしかすれば関わるのかもしれん……俺は向かう。』


そう言い残し足早に立ち去ろうとするドワフロス。

その時声をかけたのはエルフィーナだった。


『ドワーフの危機は私達エルフ族の危機でもあるわ……私も同行いたします。』

『もちろん僕もいくぜ!!』


そう言い放つロイズ。

そして私も。


『ドワフロス………私だって一緒にいく!!もう私は足手まといなんかにならないから。』


するとドワフロスは笑みを浮かべいったんだ。


『ああ……お前の力が必要なんだ………勇者ラブラ。』

お読みくださりありがとうございました。


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