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何でも出来る親友がいつも隣にいるから俺は恋愛が出来ない  作者: 釧路太郎


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第四十話 俺の部屋には失礼な奴がやってくる

 未だかつてこれほどの人数が俺の家に集まったことがあっただろうか。引っ越しの際に両親と業者の人達がいた事を除くと過去最多の人数が集まったと言っても間違いではない。と言いつつも、いつものメンバーにチビ鵜崎が加わっただけなので実質的には何も変わっていないようなものだと思う。鵜崎唯を全体的に小さくコンパクトにしたと言っても良いような見た目なのでそこまで人数が増えたという印象も無いのだ。そもそも、鵜崎唯だって胸が大きいだけでそれ以外はそこまで大きいという事もないので、髑髏沼愛華を加えた三人の平均できっと普通の女性二人分くらいになるんだろうなと思っていた。

「あの、千雪の思い違いだったら良いんですけど、お兄さんって何かいます極失礼な事を考えてませんか?」

「いや、別に失礼なことなんて考えてないよ。いつもより一人増えても意外と圧迫感はないんもんなんだなって思っただけだからね」

「本当ですかね。何か失礼な事を考えているようにしか見えないんですけど」

「千雪ちゃん奇遇だな。おそらく私も千雪ちゃんと同じような事を感じ取っていたぞ。こいつが失礼なのは見た目だけではなく頭の中も同じくらい失礼なんだからな。まだ中学生とはいえちゃんと気を付けておいた方が良いと思うぞ」

「ほらほら、二人とも変な事言ってないで行儀良くしないとダメだよ。右近君みたいにベッドに横になってるよりはマシだけどさ、千雪ちゃんも愛華ちゃんもちゃんとしなくちゃダメだからね」

 チビ鵜崎は初めて入った俺の部屋に何があるのか探しているようなのだけれど、視線を何となく追っているとほとんど使っていないクローゼットが気になるようだ。この部屋の収納はタンスを除けばほぼそのクローゼットだけになってしまうのだが、俺はあまり服を持っていないのでクローゼットの中には使わなくなった教科書や読み終わった漫画なんかをしまっているのだ。冬物のコートなんかはかけてあるのだけれど、クローゼットとして正しい使い方をしているのはそれくらいしかないと思う。

「ねえ、お姉ちゃんはあの中って見たことあるの?」

「あるよ。千雪ちゃんが心配しているようなものは入ってないから大丈夫だよ。この部屋はそういうの無いから安心していいからね」

「でも、普通の部屋には隠れてたりすると思うんだよね。千雪も大きくなったら見ることもあると思うんだけど今のうちに知っておくのも大事だと思うんだけど、お母さんたちは反対するんだよね。お姉ちゃんもまだ千雪には早いって思う?」

「そうだね、叔母さんがまだ早いって言うんだったら千雪ちゃんに早いんじゃないかな。もう少し大人になってからでも大丈夫だと思うよ。それにさ、政虎よりも右近君と一緒にいた方がそういうのを経験することが出来ると思うよ。愛華ちゃんに頼んでも良いかもしれないけど、きっと右近君に頼んだ方が良いと思うな」

「え、二人で何の話をしてるの?」

 髑髏沼愛華も鵜崎唯とチビ鵜崎の会話の内容が気になっているようだ。俺も何の話をしているのか気にはなっているけれど女子に見られて困るようなモノなんて置いていない。そういうのがあったとしたらこの部屋をくまなく掃除してくれている鵜崎唯が気付いているはずなのだ。鬼仏院右近が知らない間に置いていったという事もないだろう。俺はチビ鵜崎が気にしているようなものが無いとわかってはいるのだけれど、そこまで気にされてしまうと本当はあったのかもしれないという気持ちになってしまっているのであった。

「愛華ちゃんも右近君も政虎の部屋に何回も来てるとは思うけどさ、この部屋で幽霊って見たことある?」

「俺は見た事ないな。そもそも幽霊ってもの自体見た事が無いからな」

「私もこの部屋では見た事ないかも。こいつを見るよりも幽霊を見た方がマシだと思うけど、残念ながら幽霊は見てないね」

 俺も幽霊は見た事が無いけど、なんだか猛烈にみんなからディスられているようにしか思えないのだ。特に、髑髏沼愛華はチビ鵜崎がいるからなのかいつも以上に俺の事を悪く言っているようにしか思えない。何となくではあるが、髑髏沼愛華は鬼仏院右近や鵜崎唯以外の誰かがいると俺の事を必要以上に悪く言っている節がある。俺は別に何を言われても構いはしないのだけれど、誰もいない時には悪口を言ったりなんてしない髑髏沼愛華は俺が他人に嫌われるのを望んでいるのではないかと思ったりもするのだ。考えようによっては、俺が他の人から嫌われることで俺の話し相手を一人ずつ消していき、最終的にはいつもの四人で過ごすように仕向けているようにも見えなくはない。ただ、その可能性はまず存在する事が無いという事だけは確実に言えることなのだ。

「千雪もお兄さんより右近君と一緒にいた方が幽霊とか見えるような気がしているよ。だって、幽霊も相手を選んで出てくるだろうしね」

「なんだ千雪ちゃんもわかってるじゃないか。私が幽霊だったとしてもこいつよりもまだ鬼仏院右近の方に見てもらいたいって思っちゃうかもな。こいつの前に出たら逆に呪われちゃうかもしれないもんな」

 髑髏沼愛華とチビ鵜崎の会話を聞いて鬼仏院右近が笑うのはまだ許せるのだけれど、鵜崎唯まで吹き出すのはちょっと良くないんじゃないかと思ってしまう。君まで俺の事で笑うと本当に味方がいなくなってしまうような思いになってしまうよ。ただ、鵜崎唯が笑ったのは俺を馬鹿にした感じなのではなく、髑髏沼愛華が言ったタイミングが良すぎただけだという事にしておこう。そう思えば俺は少しは耐えられるというものなのだ。

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