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番外編1話

「愚妹よ。突然だが【深淵しんえんを覗くとき、深淵もまたこちらを覗いているのだ】という言葉を聞いたことはあるか?」


「なにそれ~?美味しいの???」

小首を傾げている妹は一般的に見ればかなり可愛く見えるだろう。

ただ思考回路は残念と言わざるを得ない。これでいて学校ではかなり人気がある。

その理由とはどこか抜けてるのがキュンとくるとか、女の子は少し天然入ってるほうがかわいいよな。

とか言われているらしい。

なかなかどうして現実とは残酷である。


そして先ほどの“深淵=美味しい”発言だが

今回の物語においては、あながち残念とも言い切れない思考である。

なぜなら


「深淵とは食すものだったとはな。では1口目は譲ってやろう」

そういって取り出したのは深淵ドーナツだった。


深淵ドーナツに空いた穴から妹の顔が見える。

黙っていればかわいいんだけどな。


「お兄ちゃん!買って来てくれたの!!それ最近できたとこのやつ~すっっっごいならんでるから

あきらめてたのに~すっごいうれしぃんだけどぉ」

言葉も体もくねくねさせながら近づいてくる。尻尾はついてないがまるでイヌのようだ。

黙ってなくても可愛いところがあるじゃないか。


「深淵の味はどうだった?美味いか?」


聞かなくてもわかるくらいに顔がにやついているが

一応感想を聞いてみる。


「ほんとーにおいし~よ~ありがとうお兄ちゃん!」


ほっぺに食べカスをつけながら言う顔は幸せそうである。

この歳になってその食べ方はどうなんだとツッコミたくはなるがそれほど美味しかったということなのだろう。


「紅き実の深淵と超古冷土ちょうこれいとの深淵もあるぞ?」


「なにそれ~名前はおいしくなさそ

……ってイチゴドーナツとチョコレートドーナツじゃん!!食べていいの???」


「ああ、よろしく頼まれてるしな」


何故深淵ドーナツを手に入れているのかというと、この前に邪鬼を滅するのに貢献したお礼ということで蘭子がプレゼントしてくれたものだ。

妹にもよろしく、と意味ありげな微笑を浮かべながら手渡されたものである。



「……まぁ細かいことはいいや。今はドーナツドーナツ!ドドドドーナッツ!!」


「どこのアッ〇リーンだよ……」


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