表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
本気でバドミントン~恋になんて現を抜かしません!  作者: りほこ
第1章 春 Blooming 第6話 総体予選・通過点
32/41

3 接触

登場キャラの名前に“花”被りがあったので、分かりづらいかと思い変更しました。

花林(かりん)はそのままです。


凜々花→凜々りりか

花見→葉菜見はなみ


読み方は変わっていません。

続けて楽しんで頂けるように頑張ります!

 そして、そろそろ主審から注意が入るかなと思った頃。

 画面の中をヒュンっとスワイプするように夢見さんたちが動いた。

 それは、なかなかラケットを構えない二人に痺れを切らした花林が、苛立ちをぶつけるように自分のふくらはぎをガットで叩いたからだった。


「花林さんったら可哀想ですわ」


 私に膝枕をされている凜々果が、そう言ってやれやれと同情した。


 まぁラケットのガットやフレームで、自分の足とかシューズを叩く足パン(今名付けた)は、バドを続けていれば割と目にする行為だよね。自分に対してだったり、ペアに向けてだったりさ……?


「ええそうですね。私も今のような威嚇は良くないと思いました」

「はいはい、うるせぇうるせぇ。いいから黙ってもろてぇ、ここからが面白いんよっ。ね、茉鈴?」

「んねんね」


 そうなんだ。

 私は花林と茉鈴の第1ダブルスと同時進行で、隣りのコートで美鳥とペアを組んで第2ダブルスをしていたし、見せてもらったスコア表からは試合の詳しい内容までは分からない。だからそんな風な言い方をされると、ね? 妙に興味を引かれてしまうのである。


 視点を画面の中のコートへ戻すと、葉菜見さんがラケットを構えたことを確認した花林が、仕切り直してサーブのサインを茉鈴へ送ったところだった。

 これまでと同じショートサーブ。動揺もあってなのか、サーブを受ける葉菜見さんはワンテンポ反応が遅れたよう。

 カツンと高い音が鳴った。

 葉菜見さんのレシーブは、ラケットのフレームに当たって意図せずにシャトルがネットに掛かって落ちた。


 いわゆるフレームショット。正直これを、私は取れる自信がない。

 取れてもネットに阻まれるか、ラケットがネットに触れてしまうタッチ・ザ・ネットか、どちらかのフォルトになるだろう。どのみち相手コートにはシャトルを送れず、ポイントを与えるだけだ。


 けれど全国レベルの花林は違った。

 いつもと変わらない調子でそれに向かって踏み込むと、ラケットを伸ばす。

 踏み込んで前重心になると、置かれたラケットの面がまるで腕を使って動かしたようにスライドした。


「クルクルって返りましたわ!」


 凜々果の言う通り、ヘアピンがスピンしてネットを超えた。

 相手の弥生高側のコートへとシャトルが押し出される。そしてストレートに返ったそれへ、葉菜見さんは対応することが出来ない。

 葉菜見さんは前衛を護ると言うよりかは、花林と対角の場所に立っていて、コート左半分を意識していた様子。

 いや、もっと言うとフレームショットが入って、尚且つ返ってくるとは思っていなかったが本音だろう。


 取ろうという心構えも集中もしていなかった葉菜見さんは、ラリー中だというのに夢見さんに向かって「ごめん」と謝ってしまった。

 そうして6点目が連続で入ると、私たちが思った瞬間。


「「見てごらんよ」」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] りほこ様こんばんわ! そして本日もお疲れ様です! さて、ダブルス花林、茉鈴は流石と言った感じで強者ですねぇ! 対する葉菜見ペアは苦戦!! 葉菜見さんと凛々果さんの名前了解です(ㅅ´꒳` ) …
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ