表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
本気でバドミントン~恋になんて現を抜かしません!  作者: りほこ
第1章 春 Blooming 第1話 緊急招集!
2/41

2 かりん・まりんペア

「ふぁ⁉ 部活を新設するの⁉」


「ええそうです」と、二葉さんは眼鏡をくい上げする。

 いやいや無理だって。それに私、嫌だよ。睦高に入学した意味ないじゃん。

 また親友だと思っていたあの子と、顔を合わせなきゃいけなくなるかもしれないのは、もう……。


「わっ、ちょっと二葉さん⁉」

「行きますよ! うかうかしていたら、ライバルたちにばかり練習の時間を与えてしまいますからね!」

「ええっ、嘘っ。本当に今から⁉ というかっ、私には拒否権ないの~⁉」


 二葉さんに腕を引っ張られ、連れて来られたのは1年B組。ちなみに私たちはE組ね。


「どうしてここに? 職員室にでも行くのかと思った」

「まずはメンバー集めからです。ここには、あの四谷花林(よつやかりん)さんと伍井茉鈴(ごいまりん)さんがいるのですよ」

「え! かりん・まりんペアの⁉」


「ええそうです」と、二葉さんは眼鏡をくい上げする。もう何回目よ、それ。

 でもなんで、かりん・まりんペアが、バド部のない睦高なんかにいるんだろう?


「あ、いたいた……。四谷花林さん、伍井茉鈴さん、少しお話よろしいでしょうか」


 二人は「なん?」と声を揃えて振り向いた。ビー玉のように綺麗な瞳が私たちを映す。


 わ! 本物だ!


 手の届かない存在である二人を眼前に、一瞬にして緊張が走った。

 だって双子のように息の合ったプレーをする彼女たちは、県大はもちろん、全国大会にも進出するようなレベルの選手たちなのである。

 背格好も容姿も双子のようで、二人とも髪を二つに結んでいる。四谷さんはツインテール、伍井さんはツイン三つ編みだ。胸の大きさは、どちらもBカップとみた。


「ちょっと茉鈴、突然の爆乳よ」

「リアルで拝めるなんて、入学早々にして幸先(さいさき)がいいわね花林」


 え、待って。なんか思い描いていた人と違うんだけれど……。それに爆乳違うし。


「なになにっ? 私たちに何か用なのっ?」

「もしかして、さらなるバストアップを望んで私たちに会いに来たのっ?」


 二人とも片手に持っていた、如何(いかが)わしい内容を彷彿とさせるコミックを席に置いて、私たちの胸を眺めながら宙をにぎにぎしている。

 敬遠されなくて何よりだけれど、身の危険を感じて仕方がない。そう思って私は、自分を抱きしめるように胸を隠す。

 怯える私をよそに、二葉さんは堂々とした態度のまま、眼鏡をくい上げすると言った。


「いえ、違います。私たちはこれからバドミントン部を新設するので、ぜひお二人にもご同行をして頂きたくお願いに来ました」

「ちょっと、私は立ち上げにも参加しないし、入部する気もないからねっ?」


 そう訴える私に被せるように、「え~っ?」と二人は面倒くさそうに声を上げると、仲良く眉をぐにゃりと曲げた。


「私たちまたバドやんの? やだよ、だってもう知っちゃったもんね茉鈴?」

「そうよ、そう。きつい練習後の百合ものより、浴びるように読む自由な時間をね?」


 なんか、お酒みたいに言ってるし。


「え? 何、二葉さん?」


 突然、後ろから肩を掴まれて、私はぽかんとなった。


「どうぞ。お好きなようにしてもらって構いません」

「ええっ⁉」


 キラリーンと放たれた4つの眼光を胸に注がれ、私は戦慄した。身震いを起こしながら、慌てて胸をガードした。

 けれど相手の方が一枚も二枚も上手(うわて)だったようだ。


(あなど)ることなかれ。おっぱいだけが専門じゃないんよっ。ね、茉鈴?」

「ね、花林?」

「へ? 何、きゃっ!」


 ガバッと伍井さんにセーラースカートを捲られた。


「「水色~♡」」


 もうっ、かりん・まりんペア~! こんなことに息を合わせるなんて、絶対に違うんだから~!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] りほこ様おはようございます! 綾海をひきずるようにバド部新設の為にメンバー収集へと向かう二葉さん! そこにいたのはバド界では超有名人のかりん、まりんペア! この二人全てが同じ趣味というそして…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ