表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アディス級潜水艦、潜航せよ!〈6,270PV!!〉  作者: ジャポートエイリアン
6,2年後
35/39

#34 ヤマト皇国第二皇女ナハ・ムサシノ・ヤマト

 その後、ノヴェラスは今にも崩れ落ちそうな皇城に立ち入り照明弾を炊いた。


「これは酷いな・・・、増援を呼ぶか」


 暫くして到着した増援部隊と共に皇城に潜入すると、細長い木の棒が心臓突き刺さり即死している侍女じじょや落ちて来た瓦礫によって頭部が粉砕された遺体などが辺りに存在していた。


「うっ・・・」


 今にも吐きそうな増援部隊の小隊員達に一瞥いちべつして、合掌をして「南無阿弥陀仏・・・」と言いそれぞれの遺体達に白い長方形の布を被せ回った。


  ○○〇


「――総隊長、遺体の数は全部で300名です。 ですが、ヤマト皇国第一皇女イズ・ムサシノ・ヤマトと第二皇女ナハ・ムサシノ・ヤマトは確認しておりません」

「そうか・・・、分かった。 各部隊に告げろ、第一と第二皇女を見つけて治療しろ」

「了解」


 タブレットを持った小隊員に指示を出した後、今まで隠し続けていた自身の身体に宿したスキルを発動させた。


 ノヴェラス・ディルスの固有スキルは、〔護衛人マモルモノ〕と〔上限突破リミット・ブレイク〕だ。


 〔護衛人マモルモノ〕は自身の目の前で大切にすると誓った相手が他別から攻撃を受け負傷したのを視覚で捉えたとき、護衛というただそれだけの理由で展開でき、空中に魔術式を展開させそこから近現代兵器を撃てる。


 〔上限突破リミット・ブレイク〕は文字通り自身の能力値の限界を開放し、限界を知らない肉体へと一時的に変化させる。


 しかしこれらのスキル、普段ノヴェラスは使用していない。なぜなら代償が必要だからだ。〔護衛人マモルモノ〕を使えば全ての感情を一時的に無に返して殺戮しても間違えて見方を殺してしまっても涙さえ出ない。〔上限突破リミット・ブレイク〕を使えば、肉体が再起不能なほどにまで損傷し3日は動くことが出来ない。そんなスキルを、戦闘ではなくただ人助けのためだけに使用する。


 瞳の色が黒と青に変わり、髪色が黒から白銀プラチナに変わって行く。それと同時に力や脚力、腕力などのステータスが上限突破して変化していった。


「ふうぅううぅぅぅぅぅ」


 それと同時に口から吐息を吐き、自分の身体を見て「久しぶりの感覚だな、これは。でも、あの時のような感じではなく、人を助ける」と呟くと同時に身体を屈めて脹脛ふくらはぎが一回り傍聴すると超人的な脚力を発揮し地面に小さなクレーターが形成された。


  ○○〇


 大きな瓦礫を見つけ次第、次々と傍らに退かしていく様はまるで人型のブルドーザーやショベルカーの様だ。


「――て! 助けてください! だれかぁ!」


 遠くの方から女性の声が響いて来たので、今退かしていた瓦礫を退かし尽くすとすぐにその声の聞こえる方にダッシュで向かった。


「大丈夫ですか⁈」

「あ、あなたは・・・?」

「それよりも、大丈夫ですか? 怪我しているのか?」


 女性は静かに瓦礫から出ている手首を指差した後、「イズ姉が――」と再び泣き始めた。


「ん? イズ姉・・・? 待てよ、ひょっとして第二皇女ナハ・ムサシノ・ヤマトか?」

「な、何で私の肩書を知っているの・・・?」


 マジかよ・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ