表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アディス級潜水艦、潜航せよ!〈6,270PV!!〉  作者: ジャポートエイリアン
6,2年後
28/39

#27 対水上戦闘用意

 再び海底に着底したアディス級潜水戦艦は、錨を降ろして機関を停止させていた。


「――洋上に駆逐艦の推進音を発見、推進音の特徴から・・・おそらく吹雪型駆逐艦かと」

「特型駆逐艦の吹雪型か・・・、最悪だな。 レヴェル、対潜爆雷に警戒しろ!」

「了解」


 7分後、レヴェルが叫んだ。


「これは・・・? ・・・ッ!爆雷音捕捉、直上!」


 衝撃がアディス級潜水戦艦を揺らし始めた中、ノヴェラスは通信長カトリーナに指示を出した。


「カトリーナ、敵艦に電信しろ」

「――ッ⁉ 正気ですか⁈」

「俺はいつでも正気だ、送れ!」

「は、はい!」


 カトリーナは、急いで敵艦に{ワレノ位置、34-56-708}という電信を送り始めた。


「――ッ、敵艦より返信。{スマナイ、誤射ヲシタ}です! ・・・え?」


 じつは34-56-708とは味方と敵を識別する認証コードのような物で、この世界にだけ存在するコードである。34-56は座標で70が所属国番、8が登録番号である。つまり、この場合{エウランド皇国所属潜水艦8番-B34-S56}という事になる。


「ふっ。 騙されたようだな、よし!」

「「「「「「「いやいやいや! そうはならないって!」」」」」」」」


 全員から突っ込まれた、まぁ・・・常識的にそうだろうな。ま、こちらは悪くない。悪いのは誤認識した敵側だ。


 だから、ノーカウント!


  ○○〇


 3日後。


 海面から10メートルまで浮上し潜望鏡を洋上に上げていたアディス級潜水戦艦は、三日前とは比べ物にならない何十隻もの駆逐艦が哨戒搭で海面を照らしながら航行しているのをみつけていた。


「――これ、完全に私達狙いですよ」

「そのようだな・・・」

「他人事じゃないって!」

「――仕方が無い・・・。 総員、対水上戦闘用意」


 ノヴェラスの声と共に赤色灯から青色灯せいしょくとうに変わったと同時に、機械質の声が〈総員、戦闘配置〉と繰り返しアナウンスし始めた。


 発令所に着くとそれぞれが担って居る役員席についてすぐに計器類やディスプレイ等を指差し確認や声出し確認をして確かめていった。


「――各兵装、準備良し!」

「全魚雷、確認チェック!」

聴音ソナー機器、問題なし」

電探レーダーも同じく、問題なし!」

「艦長、準備完了です!」


 ノヴェラスは浅く頷くと真上を見つめて人差し指を口に当てた後、海面から入ってきている光を映している天井を指差した。その時、駆逐艦の船底せんていが真上を通りかかり陽の光を遮るように航行して行った。それだけなら良かったが、置き土産とでも言うように対潜爆雷を海中に投げ入れながら通って行った。幸い、直上300メートルで炸裂さくれつしたので被害は無かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ